PC用液晶ディスプレイの消費電力・電気代の実測テスト

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液晶ディスプレイの電気代を実測しました


 毎日長時間使う人も多いパソコン用の液晶ディスプレイ。この消費電力・電気代を2台の液晶ディスプレイを使用して計測した結果や、電気代を節約できる「使い方」を指南します。



今回のテスト環境(2台の液晶モニター)


 今回は2台のサイズが異なる液晶ディスプレイをテストしました。


品名 I-O DATA
LCD-AD172SEW
EIZO
EV2455-WTR
大きさ 17インチ 24.1インチ
液晶方式 TN IPS
消費電力
カタログ値
最大17W
通常13.0W
待機時0.5W
最大49W
標準13W
待機時0.3W以下

 スクエア型の小さめサイズの液晶モニターと、横長の液晶モニターの2台の消費電力を、ワットモニターを使用して計測しました。計測して得た消費電力のデータをもとに、1kWh27円として計算した電気代とあわせて紹介します。


17インチの液晶ディスプレイ

17インチの液晶ディスプレイ

24.1インチの液晶ディスプレイ

24.1インチの液晶ディスプレイ

 なお、PC本体の消費電力の計測結果は以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。




テスト結果


 消費電力の計測結果は以下のとおりです。


消費電力・電気代の計測結果


 まずは通常の使用を想定して、消費電力を計測します。昼間にシーリングライトの真下で、「適切」と思われる輝度に設定し、ヤフージャパンのトップページを表示させて消費電力を計測しました。


17インチ 24.1インチ
消費電力(瞬間値) 7.4W 8.0W
電気代 1時間 0.2円 0.216円
8時間 1.6円 1.73円
8時間*245日 392円 423.85円

 消費電力の瞬間値は計測中、若干の変動が見られましたが大きな変動は無く、ほぼ一定と言ってよい推移でした(表示画面を変えると変動が大きくなる)


 消費電力はLED電球と同等でした。1日8時間使っても、電気代は2円以下、年間休日120日として年間245日使うと400円前後の電気代が掛かる計算です。


画面の輝度による消費電力の差


 続いて、画面の輝度を変えることで消費電力はどう変化するのか、計測してみました。


17インチ 24.1インチ
消費電力 最小輝度 6.1W 6.2W
最大輝度 13.0W 17.1W
最大-最小の差 6.9W 10.9W
通常輝度 7.4W 8.0W

 画面を明るくすると、消費電力が2倍以上に増加します。


17インチ液晶ディスプレイの最大輝度設定時の消費電力

17インチ液晶ディスプレイの最大輝度設定時の消費電力

画面の色による消費電力の違い 白・黒で計測


 画面の表示内容によって消費電力は変化するのか、計測してみました。輝度設定は標準的な使用シーンを想定したものです。


17インチ 24.1インチ
消費電力 画面「全黒」 7.6W 7.5W
画面「全白」 7.4W 8.2W
0.2W 0.7W

 17インチの液晶モニターは「白」表示の方が消費電力が小さく、逆に24.1インチの方は「黒」表示の方が0.7Wも消費電力が少ない結果となりました。


 24.1インチの方はIPS液晶という方式の液晶ディスプレイで、このタイプは電圧を掛けない状態で画面が黒くなるため、黒を表示した方が消費電力が小さくなる仕組みだそうです。他にVA方式と呼ばれるタイプも同様だそうです。あるいは有機ELディスプレイも黒表示の方が消費電力が小さくなると言われています(出典:“間違いだらけ”の液晶ディスプレイ節電術 ITmedia)


 一方、「白」表示の方が消費電力が小さくなった17インチのディスプレイの方はTN方式と呼ばれるタイプを採用しており、こちらは電圧が掛かっていない状態で画面が白くなる仕組みだそうで白い画面を表示すると消費電力が小さくなりました。


待機電力も


 待機電力についても計測してみました。結果は以下のとおり。


17インチ 24.1インチ
待機電力 0.3W 0.0W
電気代 1時間 0.008円 0円
16時間 0.13円
16時間*30日 3.89円 0円

 24.1インチの方はワットモニターでの計測は「0W」となっていましたが、カタログスペックでは「0.3W以下」となっており、実際にはゼロではありません(待機時はオレンジ色のランプが点灯し続ける) ワットモニターの計測限界(0.3W)を下回っていたと考えられます。


 1日8時間使用するとして待機時間を1日16時間とした場合、待機電力に掛かる電気代は1日0.13円。一ヶ月で約4円となります。


液晶ディスプレイの待機電力

待機電力は0.3W程度だった

液晶ディスプレイの電気代を節約する方法


 以上の結果をふまえて、液晶ディスプレイの電気代を節約する方法を解説します。


離席する際は画面をオフに


 誰も使用していないのに画面を付けておくと、電気代が無駄になります。席を外す際は画面のスイッチをオフにすることをおすすめします。


 一部の液晶ディスプレイは、センサーで人の動きを検知して、離席すると一定時間経過後に画面を自動でオフに、再び着席すると自動でオンにする機能をそなえています。こうした機能があれば活用すると便利です。


離席センサー付きの液晶ディスプレイ

離席センサー付きの液晶ディスプレイ

適切な輝度で使う


 消費電力・電気代は画面の輝度設定に比例します。したがって画面を暗くした方が、電気代が安くなります。


 オフィスで見ていると、時たま異常に明るい設定で液晶モニターを使用している人が見受けられますが、「適切な」輝度に設定することで消費電力を抑えることが可能です。


 私は昼間は明るめに設定して、夕方になると部屋の照明を暗くするのとあわせて、液晶モニターの輝度設定も暗くしています。夜に強い光を見ると睡眠の質の低下にも繋がるので、健康面でもメリットがあると思います。


液晶ディスプレイの輝度設定

画面の明るさは簡単に変えられます

壁紙の色を変えてみる


 上のテスト結果でも明らかとなったように、画面に表示する内容によって消費電力が変化します。したがって、特にこだわりが無い場合はデスクトップの「壁紙」を白あるいは黒の単色に変えることをおすすめします。


 なお、白にすべきか黒にすべきかは、お使いの液晶モニターの「方式」によって異なります。機種の型番などで検索すれば分かる場合が多いので、一度調べてみてください。



電力会社を乗り換えると5〜15%安くなる


 電力会社を安い新電力に切り替えることで、電気代が5〜15%安くなります。
 一般的な家庭では、平均して年間で1万円前後の節約になります。切り替えは簡単で、ネットで5分あれば完了します。初期費用などは掛かりません。





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