新電力利用者も負担する「託送料金」とは

託送料金の仕組みを解説します


 新電力利用者も見えない形で毎月負担している「託送料金」というものがあります。請求書にも載っていない費用ですが、電気料金に占める比率は3分の1と小さくありません。そんな託送料金を分かりやすく説明します。



託送料金の仕組み


 託送料金の仕組みを解説します。


電気を届けてもらうコスト


 託送料金とは、分かりやすく言うと電気を届けてもらうための費用です。


 電力自由化では100社を越える新電力が全国の家庭に電気を供給していますが、電気を届けるために必要な送配電網(電線など)は新電力が各自に持っているわけではありません(法律により禁止されている)


 送配電網については自由化後も、各地域に1社の電力会社(送配電会社)が独占しています。送配電網でトラブルが起こると問題が大きくなりやすいため、一社独占させる代わりに大きな責任を負わせています。


電線や電柱を管理するにもお金が掛かる


 電気を届けるには街中に張り巡らされた電線や電柱、高圧の電気を流す送電線や鉄塔、変圧設備など様々な設備が必要です。そうした費用をまかなうために皆で負担するのが「託送料金」です。


 託送料金は各地域(管理する大手電力会社)ごとに金額が異なりますが、掛かる「原価」を審査した上で国が認可して決定しています。利用する電力会社による金額の違いはありません。


新電力利用者も負担している


 託送料金は送配電網を利用する対価なので、新電力を利用している家庭も当然負担しなくてはならない費用です。請求書に記載が無いことがほとんどですが、託送料金を勘案して電気料金プランが設計されています。


 利用者が直接、関電や東電に支払うわけではなく、新電力を通じて「間接的」に支払っている費用です。


 また、大手電力会社の契約者も新電力契約者と全く同額の託送料金を実質的に負担しています。
 大手電力から電気を買っても、新電力から電気を買っても結局は大手電力の送配電部門に同額の託送料金を支払うことになります。電気を「送る」送配電と、電気を「売る」小売を分ける法律が出来たため、そのようになっています。


 「新電力は電線にタダ乗りしている」と勘違いしている人も多いですが、小さく無い負担をしています。また、災害発生時の迅速な復旧活動も、こうした託送料金に支えられています。


費用はいくら?


 では、実際に我々はいくら負担しているのでしょうか。まずは経産省が認可した託送料金の単価を地域ごとに見てみましょう。


地域 料金単価
基本料金
(1kWあたり)
従量料金
(1kWhあたり)
北海道電力181.44円7.87円
東北電力124.2円8.68円
東京電力140.4円7.31円
中部電力124.2円7.97円
北陸電力167.4円6.89円
関西電力194.4円
(6kWまで一律)
7.88円
中国電力129.6円
(6kWまで一律)
8.62円
四国電力210.6円
(6kWまで一律)
8.56円
九州電力140.4円7.25円
沖縄電力232.2円9.84円

 容量によって変わる毎月の基本料金と、使った分に応じて発生する従量料金によって構成されています。


 例えば東電エリアの家庭が30Aで300kWhの電気を使った場合、託送料金の合計は2614.2円です。


 基本料金なし、Looopでんき(基本料金0円+26円/kWh)では電気料金の合計額は7800円となり、託送料金は電気料金の内33.5%を占める計算になります。


全国に張り巡らされた送配電網


託送料金を更に細かく見ていくと・・


 これまで「託送料金」と一括りに説明してきましたが、実は託送料金にも「内訳」があります。


 託送料金の中には、実は「使用済燃料再処理等既発電費相当額」と「電源開発促進税」が含まれています。前者は地域によって単価が大きく異なります。


地域 単価(/kWh)
北海道電力 0.05円
東北電力 0.06円
東京電力 0.11円
中部電力 0.08円
北陸電力 0.06円
関西電力 0.16円
中国電力 0.06円
四国電力 0.13円
九州電力 0.10円
沖縄電力 0円

 この費用は主に原発の使用済み核燃料の処理費用として使われるものです。原発の使用済み燃料の処理には時間が掛かるため、その費用を積み立てておくという名目で徴収されています。


 原発依存度などによって地域差があり、原発が無い沖縄では0円となっています。東電エリアで月300kWhの電気を使った場合、負担額は33円。年間では396円です。


 電源開発促進税は原発、水力発電、地熱発電所などの設置を目的として1970年代に導入された「税金」です。1kWhあたり0.4円程度の負担です。月300kWhの使用で12円という計算になります。


託送料金に原発の維持費用が含まれる


安定供給は託送料金の対価


 繰り返しになりますが、託送料金は電気を安定的に届けてもらうための対価です。


 よく、「新電力と契約したら大災害のときに復旧を後回しにされるのでは?」という不安の声を耳にしますが、日頃から託送料金という形で適切な「対価」を払っているので、何かあったときはしっかりと対応してもらえます。利用している電力会社によって差別することは許されません。




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