- 文:管理人石井 2021年3月30日更新
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再エネ電力証書の購入サービスの比較
2021年に入って、個人でも再エネ電力証書を購入できるサービスが続々と増えつつあります。個人でも利用できるサービスの一覧・比較と、再エネ電力証書を購入するメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
目次
再エネ電力証書とは
再エネ電力証書とは何か分かりやすく解説します。
そもそも再エネ電力証書とは何なのか
再エネ電力証書とは、「環境価値」を売買する仕組みです。
太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによって生み出された電力には、電力として使用できる価値に加え「再エネである」という価値があります。この「再エネである」という価値の部分を「環境価値」と呼びます。
例えば火力発電で生み出された電力に、環境価値を付けることでその電力は実質再エネ・CO2排出量ゼロとすることが出来ます。
太陽光や風力で生み出された大元の電力は、環境価値を切り離された後は「ただの電気」として扱われます。太陽光や風力で生み出された電力であっても、環境価値が無ければCO2を排出する、再エネではない電力として扱われるため、二重カウントはされません。環境価値を持つ電力こそが再エネ・CO2排出量ゼロとなります。
主に3種類の証書がある
一口に再エネ電力証書といっても、主に以下の3種類があります。
- 非化石証書
- グリーン電力証書
- J-クレジット(再エネ電力由来)
いずれも購入することでCO2排出量をゼロ、電力を実質再エネと出来る仕組みとだけ覚えておけばOKです。
なお、非化石証書には「(再エネ)指定無し」という種類があり、CO2排出量はゼロと扱われますが再エネとしては扱われません(原子力発電等に由来するため)
再エネ電力証書を購入するメリット
再エネ電力証書を個人で購入するメリットを整理します。
CO2排出量を削減できる
再エネ電力証書を購入することで、購入した分のCO2排出量をゼロに、また実質再エネ比率を高めることが出来ます。
地球温暖化対策になるほか、再エネの発電所の収益にも貢献できるため、再エネを増やす後押しにもつながります。
電気自動車補助金を受給できる
2021年から環境省が始めた「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業」では、再エネ100%の電力を使用することで電気自動車・燃料電池車の購入費用や、充電設備の設置費用を補助する補助金を支給しています。
この制度の要件を満たした再エネ電力証書を利用することで、この補助金の支給要件を満たすことが可能です。
再エネ電力証書のデメリット
再エネ電力証書を利用するデメリットを、他の仕組みとも比較しながら解説します。
費用が掛かる
再エネ電力証書を購入するには費用が発生します。
安いものでも1kWhあたり1.43円、サービスによっては4.4円というものもあります。一般家庭の平均的な使用量である月300kWhで計算すると、1.43円/kWhの場合は月429円、年間で5148円になる計算です。電気料金の実質額が高くなってしまう点はデメリットと言えるでしょう。
最初から「再エネ100%」としている電気料金プランを利用するよりも、再エネ電力証書を購入して「実質再エネ100%」を達成する方が総額が高くなってしまうケースも少なくありません。
また、補助金申請書類の作成などに1万円を超える手数料が発生するものもあります。
購入手続きに手間が発生する
2016年の電力完全自由化以降、「再エネ100%、CO2排出量ゼロ」という料金プランは相次いで登場しています。そうしたプランを契約した場合、最初に申し込みをするだけで後は半ば自動的に「再エネ100%、CO2排出量ゼロ」の電力を使用することが出来ます。
一方、再エネ電力証書は使用する・使用した電力に対してユーザーが自ら購入する必要があるため、手続きが必要となります。自分で購入量を調節できる点はメリットと言えますが、買い忘れが発生する恐れもある点や購入量を自分で決める必要がある点はデメリットと言えるでしょう。
個人で利用できる再エネ電力証書購入サービス
個人、一般家庭で利用できる再エネ電力証書購入サービスを紹介します(サービス開始前のものも含む)
各社サービスの一覧比較表
まずは各社サービスを一覧表で比較します。
サービス名 | 種別 | 参考価格 | EV補助金 | 対応エリア |
---|---|---|---|---|
Looopでんき eneco |
非化石証書 | 1.43円/kWh | 対象 | 全国 |
日本自然エネルギー Green Cart |
G電力証書 | 4.4円/kWh | 対象 | 全国 |
カーボンフリー コンサルティング |
Jクレジット | 2.4円/kWh | 対象 | 全国 |
Looopでんき eneco
Looopでんき契約者向けに2021年4月中旬から提供されるサービスです。
通常、「再エネ100%」ではないLooopでんきの電力に、ウェブのマイページから申し込みを行い追加1.43円/kWhを支払うことで非化石証書を追加することが可能です。いくつかメニューがありますが、再エネ実質100%・CO2排出量ゼロの「eneco RE100%」は環境省EV補助金の支給要件を満たすことが可能です。
Looopでんきの契約が必要となりますが、Looopでんきの電気料金自体が大手電力の標準メニューと比べてファミリー世帯では割安な料金設定であり、また追加費用も1.43円/kWhと低廉、ウェブから簡単に申し込みが出来る点などが利点として指摘できます。Looopでんきを契約後、ウェブから申し込みできます。
公式サイト:Looopでんき
日本自然エネルギー Green Cart
東京電力を始めとする大手電力各社などが2000年に設立したグリーン電力証書などを取り扱っている会社です。個人向けにも「Green Cart」というサービス名でグリーン電力証書の販売を開始しました。
今契約している電力会社のまま、実質再エネ100%・CO2排出量を達成することができ、環境省のEV補助金を受けることが可能です。購入費用は税込み4.4円/kWhと、他のサービスと比較しても割高感がある点はデメリットと言えるでしょう。また、購入は1000kWh以上1kWh単位となっています。
公式サイト:Green Cart
カーボンフリーコンサルティング
1kWhあたり約2.4円/kWhという価格でJ-クレジットを購入できるサービスです。現在契約している電力会社との契約を維持したまま、実質再エネ100%・CO2排出量ゼロを実現出来ます。
自分で使用量や期間を指定して購入の手続きを行う必要がある点がやや面倒というか難しいかなと思います。環境省EV補助金の対象となっていますが、書類作成費用として15000円の手数料が掛かる点にも注意が必要です。
電力会社を切り替えることなく利用できるので、離島などにお住まいで電力会社を切り替えることが出来ない場合や、過去の割安なオール電化プランを利用している場合にメリットがあるサービスと言えます。
公式サイト:カーボンフリーコンサルティング
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