【卒FIT】固定価格買取が終了した太陽光発電の対処方法

家庭の太陽光発電、これからどうする?


 自宅にソーラーパネルを設置しているご家庭では、国の固定価格買取制度を利用して電気を売電することができます。しかしその期限は10年。期限切れになったら何をすればいいのか、解説します。





そもそも固定価格買取制度(FIT)とは


 まずは固定価格買取制度(FIT)を簡単におさらいします。


高値で余剰電力を買い取る制度


 固定価格買取制度はコストの問題でなかなか普及が進まない再生可能エネルギーの利用を促進するために設けられた国の制度です。


 再生可能エネルギーは発電設備(ソーラーパネルなど)のコストの高さから、ふつうに設置して発電するだけでは火力発電などに太刀打ちできません。そこで国の政策により「下駄」を履かせることで、コスト競争力を高め、導入を促していこうという制度です。


 国民全体から集めたお金で再生可能エネルギーの電気を高値で買い取り、再エネを発電している人に分配するというのが主な取り組みです。


再生可能エネルギーを皆で育てる制度


買い取りの資金は国民全体で負担


 固定価格買取制度による電気の買い取り(売電)に使われるお金は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」や「太陽光発電促進付加金(旧制度)」でまかなわれています。これらをまとめて「再エネ賦課金等」と総称します。


 日本で電気を消費すると、1kWhごとにこの再エネ賦課金等を負担しなくてはなりません。一般家庭はもちろん、工場や事務所など電気を使う全ての人からこの再エネ賦課金等を徴収します。大手電力だけでなく、新電力と契約している世帯も対象です。


家庭の太陽光発電パネル


 単価は全国一律で2.64円/kWh(2017年度適用分) 毎月300kWhの電気を消費する家庭では、再エネ賦課金の額は792円。年間で9504円になります。


 単価は年々上昇を続けており、電気料金の負担感を増す要因の一つになっています。電力中央研究所の試算では、2030年度には同じモデルケースで月1300円、年16000円の負担になるとされています。




FITが終了したら何をすればいいの?


 では本題に入りましょう。固定価格買取が終了した後は何をすればいいのか、対応を紹介します。


新たな売電先と契約しよう


新たな売電先と契約しよう


 固定価格買取(FIT)が終了すると国の制度による買い取り(売電)の対象からは外れます。しかし、今後はFITが終了した再エネを買い取る業者が出てきます。そうした業者と直接契約をすることで、引き続き売電することが可能です。


 しかし注意すべき点もあります。
 FITによる買い取り価格は市場価格と比べて大幅に高い金額に設定されているため、同水準で民間業者が買い取ることは不可能です。したがって、買い取り価格は固定価格買取と比べて大幅に下落します。


 既にいくつかの業者が買取価格を公表していますが、8〜10円/kWhと大幅に安い価格が提示されています。


売電価格は大幅ダウン


 「電気」の市場価格を考えると、10円程度というのが妥当なラインと言えるでしょう。


 売電だけでなく電気の供給(小売)とセットで契約を受けてより高値で買い取ったり、あるいは電気の市場価格が急騰する真夏に季節限定で高値で買い取る(買い取り価格が変動する)ようなサービスも出てくるかもしれません。


自家消費を増やすのが最もお得


 10円という買取価格の場合、売電するより自家消費した方がお得です。


 地域にもよりますが、電力会社から購入する電気の価格は1kWhあたり26.74円程度(東電 従量電灯B:30A 348kWhで計算)です。売電価格との差額は17円です。


 自家消費を増やすことで、年々上昇を続ける「再エネ賦課金」の支払い額も削減できます(2018年度で2.9円/kWh) 


自家消費を増やすには


 では、自家消費を増やすにはどうすればいいのか。


 以下の設備を導入するのが効果的です。



 これらの設備を新たに導入することで、ソーラーパネルで発電した電気の自家消費量を増やすことが可能です。しかし、いずれも導入には費用が掛かるため、費用対効果を考える必要があります。


 また、エコキュートを始め電気を使う機器の使い方を見直す必要もあります。


自家消費を増やすには蓄電池


 蓄電池、電気自動車ともに現状の価格では「元を取る」のは難しいと考えてください。非常時の電源としてのメリットを考えた設備として導入することはアリです。


何もしないとどうなるの?


 固定価格買取が終了した後も、手続きをすることで売電することが可能であるということは上で紹介したとおりです。


 では、手続きをせずに放置しておくと何が起こるのか。


 自宅で発電され、そして消費されなかった「余剰電力」は無料で地域の大手電力会社(送配電事業者)が電気を引き受けることになります。売電収入は1円も得られません。


 「ズルい」と思う人もいるかもしれませんが、仮に電力会社が電気の引取りをやめてしまうと、その家庭での電気の使用に支障が出る場合もあるため、それを防ぐには仕方ないことです。嫌なら自分で売電先を探して契約すればいいだけです。




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