市場連動型の余剰電力買取プランには大きな落とし穴がある

市場価格連動型の買取プランを解説します


 一部企業が卒FIT太陽光向けに導入を検討しているのが、「市場価格連動型」の買取プランです。そもそも市場価格連動型とは何なのか、またどのようなデメリットがあるのかを詳しく解説します。



市場連動型の買取プランとは?


 まずは市場価格連動型の卒FIT買取メニューを簡単に説明します。


売電価格が変動するしくみ


 一般的な卒FIT向けの余剰電力買取メニューでは、一定期間であれば固定の買取価格で売電が行われるため、買取の単価が変動することはありません。1kWhあたり10円で契約したのであれば、期間内はずっと10円で買取が行われます。


 それに対し市場価格連動型の買取メニューでは、「市場価格」に連動して売電価格が変動し続けます


2018年2月9日の取引価格

ある冬の一日の取引価格の推移(2018年2月9日)

 電力は「卸電力取引所」という市場で取引されており、その取引価格は株価や外国為替のように変動を続けています。その取引価格に連動して、売電価格も変動するのが市場価格連動型の買取メニューです。


 家庭向けの電気料金プラン(売電ではなく買電)でも、同じように市場価格連動型のプランが存在しています。


市場連動型卒FIT買取プランのデメリット


 こうした市場連動型の卒FIT買取メニューにはデメリットがあります。


タダ同然の買取価格になる恐れがある


 まず、買取価格が著しく低くなる恐れがある点です。


 現在、我が国では太陽光発電が「増えすぎた」ことにより、一部地域では発電した電気を送電網に流すのを中断する「出力制御」が行われています。せっかく作った電気を捨てなければならないほど、太陽光発電が急増しています。


 出力制御が行われているタイミングでは、電気の市場価格は1kWhあたり0.1円とタダ同然で取引が行われています。電力の需要と供給のバランスによっては、朝から夕方までずっと0.1円に張り付いたまま動かない日もあります(春・秋に多い)


取引価格0.01円/kWh

0.01円/kWhで張り付いたままの取引価格

 太陽光発電で作られた電気は「再生可能エネルギーである」という価値(=環境価値)があるため市場価格にいくらか上乗せが期待できますが、それでも売電価格が安くなってしまうのは避けられないでしょう。


 反面、夏場の昼間は売電価格が高くなることも期待できますが、最近は夏場の電力価格のピークが夕方になることが多く、発電量が多い昼間の買取価格が急騰する期待も低いです。冬場のピークも夕方以降なので、発電している時間帯ではありません。


売電価格の見通しを立てられない


 電気の市場価格は一定の幅で動いていますが、株価や外国為替と同じように事前の予想が出来ません。事前に売電単価の想定を立てることは不可能と言えます。


 固定の買取価格でも高値で買い取る業者はいくつも存在していますから、そうした業者を選んだ方がリスクを小さく抑えることが出来ます。


結論:西日本エリアでは避けるべし


 デメリットとして紹介した「タダ同然になる」リスクについては、特に西日本エリアで大きいです。
 具体的には、九州・四国・中国・関西・北陸・中部電力のエリアが該当します。地域ごとに異なる価格で取引が行われていますが、これら6つのエリアはいずれも周波数が60Hzであり相互に融通が利くため、同じような価格の動き方をすることが多く、また市場価格が0.1円を付けることが多いのが特徴です。


市場連動型の買取メニューは西日本ではおすすめしない

東日本と西日本で値動きが異なる

 一方、東日本エリア(北海道・東北・東京電力)では、西日本が0.1円の価格を付けているタイミングでも5円とか6円という取引価格になっていることが多く、0.1円まで下がることは現状では無いと言ってもよいです。




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