東邦ガスの太陽光発電余剰電力買取を解説
電気の供給を2022年までに30万件まで拡大させる目標を掲げて電力事業に力を入れている都市ガス大手の東邦ガスが、太陽光発電の余剰電力買取サービスを始めます。中部電力や他社と比較して「トータルで」本当にお得なのか詳しく検証します。
東邦ガスの太陽光発電余剰電力買取の詳細
サービス内容を詳しく解説します。
地域別 買取価格の一覧
買取エリアは今のところ中部電力エリアの愛知・岐阜・三重などの周辺地域のみとなっています。
エリア | 買取価格 |
---|---|
中部電力エリア ガス・電気とセット契約 |
9.5円/kWh |
中部電力エリア 買取のみ |
9.0円/kWh |
買取のみのプランと、電気・ガスを東邦ガスと契約している人向けのプランの二種類が用意されています。それに加えて、買取代金ではなくグルメ・旅行・暮らしまわりサービスなどを受けられるプランも2019年9月に発表するとのことです。
中部電力の買取プランは8円/kWhなので、いずれも中電よりも高値での買取となりますが、中部エリアの新規参入の買取業者の中では平均クラスの買取価格といえます。
電気・ガスとセット契約した場合の試算は記事の後半で解説します。
電気料金プランはどうか
セット契約した場合の詳しい試算は記事後半で紹介しますが、東邦ガスの電気料金プランを簡単に紹介します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
ファミリープラン |
-1160円 | -3133円 | -5190円 | -5842円 |
東邦ガスグループのガスとセット契約した場合は「ファミリープラン」という電気料金プランを利用できます。このプランを中部電力の一般的な料金プランである「従量電灯B」と比較して年間いくらお得になるのか、を試算しました。
中部エリアの新電力会社としては、平均クラスの料金水準です。
東邦ガスのメリット・デメリット
他社サービスと比較したメリット・デメリットを紹介します。
売電・買電トータルで見てお得なのか
電気・ガスとセット契約にすることで買取価格が高くなりますが、本当にお得なのか。モデルケースをもとに試算して中電など他社と比較します。
ケース | 電気代削減 | 買取金額上積み | 合計(中電比) |
---|---|---|---|
売電・購入ともに中電 | 0円 | 0円 | - |
売電・買電ともに東邦ガス 電気・ガスとセット契約 |
-4539円 | +8750円 | 13289円トク |
売電をENEOS 購入をあしたでんき |
-8213円 | +10500円 | 18713円トク |
年間売電量を3500kWh、電気の使用量を40A・月391kWhとした場合の年間試算です。
東邦ガスの電気料金プランは中部電力エリア内の新電力会社の中では「平均クラス」といえる水準なので、最安値水準の会社と比べると割高です。売電価格についても、スマートFITの方が高いです。
また、試算には含めていませんが都市ガスの契約を中電ガスに切り替えることで、東邦ガスよりも年間5531円安くなります(月39m3の使用量の場合) したがって、売電・電気・ガスはそれぞれ別々の会社と契約した方がトータルで年間24358円お得です。東邦ガスにまとめた場合と比べると、年間で更に11157円お得です。
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