テスラのパワーウォールはなぜ「安い」のか
国内メーカーの蓄電池と比べて圧倒的に安いと言われているテスラのパワーウォール。なぜ価格が安いのか、その裏にあるカラクリを数字を交えて解説します。
目次
国内メーカーより圧倒的に安いテスラPowerwall
まず、実際にパワーウォールは安いのか。価格を他社製品と比較します。
補助金無しでコミコミ180万円前後
パワーウォールの本体自体は100万円程度ですが、認定施工業者による施工工事費等を合わせると費用は総額で170〜80万円前後と言われています。
一方、日本政府は家庭用蓄電池の「目標価格」を16.5万円/kWhとしています。パワーウォールとおなじ13.5kWhの場合は223万円となり、パワーウォールと比べて3割ほど高いです。
なぜ国内メーカーの蓄電池とパワーウォールには3割もの価格差があるのか。その理由を解説します。
認定施工業者 | 対応 |
---|---|
横浜環境デザイン | 神奈川、東京、千葉、茨城、埼玉、岩手 |
パワーウォールが圧倒的に安い理由
パワーウォールが圧倒的に安い理由を解説します。
容量が大きい
パワーウォールは13.5kWhと、家庭用蓄電池の中でもかなり容量が大きな製品です。家庭用蓄電池は5〜7kWh程度の容量が平均的なので、パワーウォールはその2倍です。
スーパーで買う野菜でも洗剤でもそうですが、「まとめ買い」をした方が単価は安くなります。パワーウォールは容量が大きい「大容量パック」なので、その分単価が安くなり、本体価格としても安く見える部分があるのも事実です。
テスラの圧倒的なスケールメリット
ですが、同じく国内メーカー製の大容量の蓄電池と比較しても、パワーウォールは圧倒的に安いと言えます。その背景にあるのが、テスラモーターズのスケールメリットです。
テスラは2020年に全世界で50万台の電気自動車を販売しています。電気自動車には家庭用蓄電池よりも更に大容量のバッテリーが搭載されており、テスラは大量のバッテリーを取り扱っている企業です。
スケールメリットによるコスト削減効果も価格差に反映されていると言えます。
中間コストが省かれている
実は上で紹介した2つの要素よりも更に重要な部分が、流通コストです。
三菱総研の調べでは、国内で販売されている蓄電池のkWh単価を15万円とした場合、その内の7万円は卸売業者などに支払われる流通コストです。約半分が流通コストというわけです。
三菱総合研究所が調査したところ、設備関係費が1キロワット時あたり15万円の蓄電システムで、卸売業者などに払う流通費は7万円もかかる。
引用元: 蓄電池、テスラ解禁の賭け 国内勢の競争力向上促す (2019/11/3 日本経済新聞)
一方、テスラの蓄電池は国内に10社程度しかないテスラモーターズジャパンの認定施工企業が販売・施工を行っており、国内メーカーの蓄電池と比較して流通経路がシンプルであると推測されます。流通コストの差が、コスト全体の差に大きく影響を与えていると見て間違いないでしょう。
必ずしも「安い」わけではない
「安い」と言われているパワーウォールですが、実際には安くない場合もあります。
まず、パワーウォールでは政府などの補助金が利用できない場合があります。国内メーカー製の蓄電池では場合によっては数十万円以上の補助金がつくので、価格差が縮まります。
また、家庭用蓄電池は5〜7kWh程度の容量が一般的です。パワーウォールのような「大容量」は必ずしも必要無いと言えます。容量が小さければその分価格も安くなるので、小容量で安価な製品を選んだ方がパワーウォールよりも安く済む場合も少なくありません。
蓄電池は流通経路が複雑で、おなじ製品でも購入する場所によって価格が2倍になることもあります。一括見積りサイトを活用して、価格をよく比較することをおすすめします。
一括見積りサイト | 対応 |
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