【卒FIT向け】太陽光発電の自家消費を増やす方法

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卒FITの太陽光発電は「自家消費」を増やそう


 高値での買取が終了した太陽光発電(卒FIT)は、余剰電力を売電するのではなく自宅で出来るだけ多く使った方がお得です。具体的に何をすればいいのか紹介します。



自家消費を増やすべき理由


 まずは売電よりも自家消費を増やした方が「お得」だと言える理由から説明します。


電気の購入価格>売電価格


太陽光発電


 固定価格買取制度を利用した「売電」では、1kWhあたり30円以上という高額な価格で余剰電力を買い取ってもらうことが可能でした。固定価格買取を利用できる場合、売電を増やした方がお得です。


 しかし固定価格買取が終了した後はというと、売電価格は8〜10円/kWhにまで下落してしまいます。電力会社から購入する電気の値段は平均27円程度なので、売電価格はその半分以下ということになります。


 自宅でつくった太陽光発電の電気を売電せず、自宅で使えば1kWhあたり約18円お得です。


蓄電池は元を取れない


 「自家消費を増やす」ことを名目に、蓄電池の販売が活発化しています。自宅で使いきれなかった余剰電力を蓄電池に貯め、夜間などに使うことで自家消費を増やす取り組みです。


 ここで注意が必要なのが蓄電池の導入コストです。
 現状、蓄電池の導入コストは非常に高額であるため、余剰電力を蓄電しても「元を取る」ことは不可能と言えます。


 もっとも、停電など災害時のそなえとして蓄電池を導入することは決して否定されるべきものではありませんが、経済性を考えると「正解」とは言えません。蓄電池を導入せずに、そのまま8〜10円/kWhという低価格で売電した方がお得です。




自家消費を増やす際のポイント


 では、どのようにして自家消費を増やせばいいのか。そのポイントを説明します。


鍵は毎日11〜13時


 太陽光発電システムは太陽が出ている時に発電します。夜に発電せず、昼間に発電するというのは言うまでもないことでしょう。


 昼間でもとりわけ発電量が多いのは、11〜13時の間です。この2時間のうちに、平均して4割近い発電量があります。


卒FITは11〜13時の電力消費量を増やすことが鍵


 一方、この時間帯は特に昼間不在にしている家庭では、電気の消費量が必ずしも多くありません。したがって、余剰電力が生まれやすい時間帯と言えます。


 晴れた日の11〜13時の電力消費量をいかにして増やすか、が太陽光発電の自家消費を増やす鍵と言えます。


自家消費を増やす方法


 では、具体的に何をすれば自家消費を増やす(売電を減らす)ことが出来るのか、具体策を紹介します。


昼時にまとめて家事をする


 炊事、洗濯、掃除などの家事をするにあたって、意外と電気を消費します。なので電気を使う家事を発電量が多い時間帯に「シフト」することで、自家消費を増やすことが出来ます。


 とはいえ、毎月せいぜい数百円の「お得」を得るために生活を大きく変えるのは難しいですし、効率が悪いです。そもそも昼間在宅していない世帯では、昼間に家事をすることも難しいでしょう。


 例えば朝食を食べてすぐに食洗機をまわすのではなく、タイマー設定で2時間後にスタートするようにすれば「ちょうどいい」時間帯に電気を多く使ってくれます。


 他にも、ドラム式洗濯機や炊飯器などタイマー機能がある電化製品は、タイマーを駆使することで自家消費を増やすことが可能です。


ドラム式洗濯機は昼間に使おう

ドラム式洗濯機は昼間に使おう

「充電」は発電ピーク時間帯に


 スマホやコードレス掃除機、電動アシスト自転車など「充電」が必要な機器が身の回りにどんどん増えています。そうした機器の充電を午前中〜昼過ぎに行うことでも自家消費を増やすことが可能です。


 例えば「コンセントタイマー」という機械を使えば、指定した時間帯から自動で通電をスタートすることが出来るので、扱いやすいでしょう。もっとも、スマホの充電程度の利用ならコンセントタイマーの購入費用を回収するのも難しいですが・・


コンセントタイマー

コンセントタイマー



エコキュートを昼間に運転する


 太陽光発電を導入している戸建住宅では、電気を使って深夜にお湯をまとめて沸かす「エコキュート」という給湯システムを導入していることが多いでしょう。


エコキュート


 エコキュートは深夜の安い電力を使ってお湯をまとめて沸かし、1日の間で徐々に使っていく仕組みを取っています。


 卒FITの太陽光発電の買取価格は、深夜電力の安い電気代よりも更に安い場合も多いです。したがって、エコキュートは深夜に沸き上げするよりも、太陽光発電が発電している時間帯に沸き上げした方がお得です。


 ただし、天候によって発電量が大きく変わるため、利用している電気料金プランによってはかえって割高になることもあるので、難しいところです。


 翌日の天気予報から発電量を予測して、自動で沸き上げ時間を変えるシステムも登場しているので、そうしたものを入れるとよいでしょう(三菱電機の「お天気リンクAI」やパナソニックの「AiSEG2」など)
 次回の設備更新時に検討してください。


結論:大人しく売電するのが最もお得


 蓄電池や電気自動車、新たなエコキュートなど「設備投資」をすれば自家消費を増やせるものの、投資を回収できるだけのリターンは期待できません。


 出来る範囲で家庭の「電気の使い方」を調整し、あとは黙って売電するのが最もお得と言えます。



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