蓄電池の「無料設置サービス」

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今後登場が予想される蓄電池の「無償設置」サービス


 現在はまだ登場していませんが、今後日本の一般家庭に向けて蓄電池の「無償設置サービス」が登場する可能性があります。どのようなメリット・デメリットがあるのか、分かりやすく解説します。



太陽光発電で普及しつつある「無料設置」


太陽光発電パネルの無料設置サービス


 「無償設置」と言うと、実は太陽光発電の分野では日本でも同様のサービスが拡がりつつあります。


 業者が太陽光発電のパネルを一般家庭や企業に「無償」(初期費用0円)で設置する代わりに、発電で得られる売電収入を設置業者が一定期間得ることで、設置費用を回収する仕組みです。


 米国でいち早く普及しましたが、日本でも一般家庭向けに参入する企業が増えつつあります。また、企業向けにも同様のサービスを提供・利用するところも登場しており、例えばイオングループは全国200店舗に太陽光発電を「無料設置」する方針を示しています。


蓄電池でも今後実現する可能性が


 蓄電池では現在のところ、こうした無償設置のビジネスモデルは登場していませんが、今後「状況が整えば」登場する可能性があります。


実現する条件1 蓄電池の低価格化


家庭用蓄電池


 蓄電池の無償設置がビジネスとして成立するには、まず蓄電池の大幅な低価格が必要です。


 現状の蓄電池の導入費用では、何をしても設置費用分の「元を取る」ことは出来ず、設置業者が採算を取ることは不可能と言えます。


 蓄電池は家庭向けの一般的な容量のもので、現在は新車のコンパクトカー程度の費用が掛かりますが、そう遠くない将来に100万円以下に低下、また蓄電池自体の長寿命化も期待されており、そうした条件が整うことで参入企業が登場する可能性があります。


実現する条件2 VPPなどの新たな仕組み


 蓄電池を無償設置した業者が利益を得る方法としては、現状では例えば電気料金プランとの抱合せが考えられます。無償設置の利用者に電気を供給し、そこから利益を得るという方法です(電気代として設置費用を回収していく) 更に一歩前進させると、例えば電力の需要が少ない(コストが安い)時間帯に蓄電池に充電をしてもらい、高い時間帯に放電することで利ざやを大きくすることが可能です。


 こうした蓄電池を活用した取り組みとしては「VPP(仮想発電所)」などがあり、現在世界中で研究開発が進んでいる段階です。このような仕組みが実用化されることで、蓄電池から利益を得ることが可能となり、蓄電池を無償設置するビジネスが成立する下地となるでしょう。


蓄電池無料設置サービスのメリット・デメリット


 無償設置サービスが実現した場合、一般家庭で利用する際のメリット・デメリットを考えてみます。


メリットは初期費用の大幅な低減


 蓄電池の設置には高額な初期費用が掛かります。現在は新車のコンパクトカー程度で、徐々に低価格が進み近い将来には日本でも100万円程度で導入出来るようになると言われていますが、それでも決して小さな負担ではありません。


 蓄電池の設置に際してローンを組んだり、あるいは住宅ローンの借入額を増やす消費者も少なくありませんが、金利負担など「見えにくい」負担も発生してしまいます。無償設置サービスを利用することで、そうした諸々の負担を抑えることが可能となります。


デメリットは自由度の制約


 蓄電池の無料設置サービスを利用するにあたっては、設置業者が収益を得る仕組みを鑑みると専用の電気料金プランとの同時加入が必要となる可能性が大きいです。


 そうした場合、例えば割安な新電力会社の電気料金プランを選べなくなる、あるいは環境意識の高い家庭が「CO2排出ゼロ」の電気料金プランを選択出来なくなるといった点で、自由度が狭められる可能性もあります。


 また、蓄電池の使用についてもユーザーの好きなタイミングでの充電・放電は出来ず、設置業者側の都合の良いタイミングでの自動制御が基本となるでしょう。日常生活の利便性に影響は無いものの、自費で設置する場合と比較して「自由度」が下がるのは間違いありません。


現状で蓄電池を安く導入するには?


 現状ではまだ「無償設置」サービスは実現していません。初期費用を抑えて安く導入する方法を簡単に紹介します。


 日本の家庭用蓄電池は諸外国と比較しても価格が高いと指摘されていますが、その理由の一つが「流通コスト」と言われています。


三菱総合研究所が調査したところ、設備関係費が1キロワット時あたり15万円の蓄電システムで、卸売業者などに払う流通費は7万円もかかる。

引用元: 蓄電池、テスラ解禁の賭け 国内勢の競争力向上促す (2019/11/3 日本経済新聞)

 製造コストが高いという問題もありますが、流通段階で余計なコストが大幅に上乗せされていることで価格が高くなっている側面もあります。


 蓄電池ではなく太陽光発電での事例ですが、経産省傘下の太陽光発電競争力強化研究会が2016年に公表したデータによると、同じメーカーのパネルでも、販売価格に1.5倍程度の差が生じているとの指摘もあります。蓄電池についても同様のことが言えるでしょう。


 蓄電池は訪問販売業者やハウスメーカーを通じて導入するのではなく、一括見積りサイトを通じて安い業者から調達することで、同じ製品でも大幅に安く導入出来る可能性があります。


 家庭用蓄電池の一括見積りサイトを紹介しておきます。



月額制の設置サービスは既に登場


 蓄電池を毎月定額、初期費用0円で自宅に設置できるサービスは既に提供されています。高額な初期費用がネックとなっている人は、こちらを検討してください。以下の記事で詳しく解説しています。




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