エイブルでんきの概要
運営会社 | エイブル | 電力調達 | PinT(東電系) |
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供給エリア | 沖縄・離島除く全国 | 契約条件 | 特に無し |
目次
エイブルでんきの特徴
- エイブルが募集、東電系新電力が電気を供給
- 新電力としては割高な料金設定
不動産仲介のエイブルが、東電系の新電力であるPinTと提携して提供しているのがエイブルでんきです。
賃貸アパートやマンションを契約する際に、勧められる機会が多い「電気」ですが、大手電力会社やほかの新電力とサービスとも比較しながらメリット・デメリットを詳しく解説します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
エイブルでんきの電気料金は、大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と同額に設定されており、電気料金自体はほぼ同額です。
大手電力との違いは、「アカウント割」という独自の割引システムです。
エイブルでんきのほか、エイブルガスやエイブルひかりの料金と合算して、毎月の料金に応じて割引が適用されます。割引率は以下のとおり。
1ヶ月の料金 | 割引率 |
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〜5千円 | 1% |
5001〜2万円 | 3% |
20001〜5万円 | 5% |
50001円〜 | 7% |
注意点としては、例えば料金が「7千円」の場合は7千円に対して3%つまり210円の割引が適用されるのではなく、5千円までに1%(50円)、5001〜7千円までに3%(60円)の割引が適用されます。
以上をふまえると、新電力の料金プランとしては割高な料金水準と評価できます。大手電力と比べると安いものの、節約メリットは非常に小さいです。
セット割引は?
エイブルガス、エイブルひかりの料金と合算して割引が計算されるため、まとめて契約することで安くなります。ただし、エイブルガスなどもやはり料金設定で他社に見劣りするため、自分で安い会社を探して契約する場合と比べて「大幅に割高」と言わざるを得ません。
解約時の違約金は?
解約違約金などは発生しないとしています。
支払い方法は?
クレジットカードと口座振替に対応しています。
エイブルでんきの評価
新電力としては「割高」な料金水準
電気料金自体は大手電力と同水準、毎月の料金に応じて割引が適用されるものの、その料金水準は新電力としては「割高」といわざるを得ません。
例えば関西電力エリアで電気料金が7千円(月300kWh)の場合、最安水準の新電力は関電より年間8千円程度安いですが、エイブルでんきでは年間1500円程度の削減にとどまります。
賃貸契約時に申し込みが出来る点は手軽で、その点はメリットと言えますが節約メリットはとても小さいです。
環境面・エコ
環境省を通じて公表されたCO2排出係数によると、CO2排出量は1kWhあたり453g(2018年度実績)と、新電力としてはやや少ないと言える値でした。東京電力や中部電力と同等です。
関西・九州では大手電力より割高
エイブルでんきは燃料費調整額の関係で、関西・九州の2エリアでは大手電力(関西電力・九州電力)の標準メニューよりも電気代が割高になっています(2023年9月現在)
電気代には燃料価格の変動を転嫁する「燃料費調整額」というものがあります。関西電力や九州電力の燃料費調整額には、燃料価格高騰時に発動する「上限」がありますが、エイブルでんきにはこれが無い(廃止された)ため、その影響でエイブルでんきの電気代が高くなってしまっています。
中部電力エリアについても、タイミングによっては燃料費調整額の上限を突破するリスクがあるため注意が必要です。