以下、過去情報です(サービス終了前のもの)
契約したから分かる「あしたでんき」の利点・欠点
運営会社 | TRENDE 東京電力系 |
電力調達 | 非公表 |
---|---|---|---|
供給エリア | 北海道、北陸、四国など除く | 契約条件 | 特に無し |
目次
あしたでんきの特徴
・基本料金0円 各地で「最安値」水準の低料金
・東京電力が設立 出光や伊藤忠商事なども出資
・2022年6月30日でサービス終了
「あしたでんき」はTRENDE株式会社(トレンディ)の電力サービスです。TRENDEは東京電力ホールディングスの子会社で、設立当初の本社は東電の本店内。また、役員以下社員数名も東電からの「出向」ということで、東電のサブブランドという位置づけの新電力です。本体である東京電力管内にも「低料金」で進出していることには驚きがありますが、それについてトレンディの役員は「他社に取られる前に自社でやる」と答えています。
サービス内容や料金体系(詳しくは後述)は、先行して参入して契約を順調に伸ばしているLooopでんきを強く意識しているとうかがわせる内容となっています。
私自身、自宅で3ヶ月間利用したので使い勝手なども含めて詳しく解説していきます。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と 年間節約額 |
20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東北電力エリア 標準プラン |
+6.4% +3166円 |
-1.5% -1637円 |
-5.6% -7289円 |
-8.7% -13060円 |
東京電力エリア 標準プラン |
+3.2% +1660円 |
-4.5% -5152円 |
-8.2% -10942円 |
-11.0% -16897円 |
中部電力エリア 標準プラン |
+1.1% +572円 |
-3.1% -3512円 |
-6.3% -8213円 |
-8.7% -13003円 |
関西電力エリア 標準プラン |
-0.5% -228円 |
-9.7% -9875円 |
-11.4% -13332円 |
-12.9% -17031円 |
中国電力エリア 標準プラン |
+4.8% +2234円 |
-6.0% -6398円 |
-7.6% -9283円 |
-9.0% -12369円 |
九州電力エリア 標準プラン |
+1.8% +813円 |
-4.6% -4606円 |
-8.3% -9749円 |
-11.1% -15002円 |
「標準プラン」は世帯人数が多い場合に最安値圏と言える低料金です。
基本料金0円に、一律単価の従量料金が加算される料金体系でLooopでんきと同じです。Looopと比べて全ての地域で0.5円/kWh安いのは、Looopを強く意識して料金体系を練った結果と言えるでしょう。
解約時の違約金は?
契約上は1年契約となっていますが、途中で解約しても違約金の発生はありません。いつでも自由に解約できます。
私も3ヶ月で解約していますが、違約金などは取られていません。
キャンペーン情報
現在は特にキャンペーンは実施していません。
電気使用量の「見える化」
他の多くの新電力と同様に、ウェブのマイページから自宅の電気使用量をグラフで確認することができます。
1日の時間別、1日単位、月単位のグラフがあります。時間帯ごとの使用量(kWh)に加え、料金も一緒に表示してくれる点は便利です。データの更新は数時間ごとに行われます(2019年夏頃までは1日1回の更新だった)
他のほとんどの新電力は「30分単位」の使用量を確認できますが、あしたでんきは「1時間単位」となっています。あしたでんき側としては、「この方が見やすいので、あえてそのようにしている」とのことです。
あしたでんきの評価
メリットやデメリットを含め、私の視点から解説していきます。
一人暮らし世帯では割高になる場合も
上で紹介した料金シミュレーションの結果を見れば一目瞭然ですが、一人暮らし世帯では大手電力会社よりも「割高」となってしまう可能性があります。
あしたでんきは基本料金がゼロ円なので、基本料金が安い15Aや20Aからの切り替えではメリットが小さくなるためです。逆に、一人暮らしでも30Aや40Aで契約している場合は「あしたでんき」が他の新電力より大幅に割安になる可能性があります。
また、あしたでんきの「たっぷりプラン」は4人暮らし世帯の標準使用量でもトントンか割高です。
使用量が少ない世帯でも電気代が安くなる新電力会社もあるので、「一人暮らしの人におすすめの新電力会社 」を参考に他社を検討してください。
支払い方法がカードのみ
支払い方法はクレジットカードのみです。
コンビニ払いはもちろん、口座振替にも対応していません。
どうしても口座振替がいいという方には、あしたでんきと同じく基本料金0円+一律料金単価の親指でんきをおすすめします。あしたでんきと比べると若干、親指でんきの方が料金単価が高く設定されていますが、口座振替に対応しています。
顧客対応は?
会社によって大きな差がある「顧客対応」ですが、あしたでんきはどうなのか。
私は実際に契約しているので、何度か問い合わせていますが速さ・質ともに問題は無いと思います。例えば2018年8月にメールで問い合わせたところ、4時間12分後に返信が来ました。2019年12月に問い合わせた際にも翌日に返事が届きました。
また、あしたでんきのコールセンターは年末年始を除く「年中無休」なのもGoodです。土日祝が休みという新電力も多いので、あしたでんきのサポートは使いやすいと言えます。
環境・エコは?
電源構成は公表していません。
環境省が2022年1月に公表した、あしたでんきのCO2排出係数は1kWhあたり464g(2020年度実績)と、新電力としては平均的と言えるCO2排出量でした。
過去には排出量が「きわめて多い」と言わざるを得ない酷い成績を連発していましたが、2019年度から大幅に改善し、現在は平均的な水準で推移しています。
今後の展開にも注目
将来的には家庭に太陽光パネルや蓄電池の導入を進め、それらの設備を活用して家庭間で電気の融通(売買)が出来る仕組みを構築するというビジョンを示しています。
2019年から東京大学やトヨタ自動車とともに、太陽光発電やプラグインハイブリッド車を活用した実証実験を行ったほか、2020年には大手総合商社の伊藤忠商事とも提携してこの分野での技術開発を進めています。
単なる電力の販売に留まらない取り組みに力を入れている会社です。
あしたでんきとLooopでんきの比較
最後に、サービス内容がよく似ているLooopでんきと比較して終わります。
あしたでんき | Looopでんき | |
---|---|---|
料金 | Looopより 一律0.5円/kWh安 (月150円程度) |
|
提供地域 | 東北、東京、中部 関西、中国、九州 |
離島・沖縄を 除く全国 |
支払い方法 | クレジットカード | クレジットカード |
運営会社 | 東電が設立 | 中部電力が出資 |
詳しくは以下の記事もご覧ください。
2022年6月でサービス終了に
2022年6月をもってサービス終了となることが発表されました。詳細は以下の記事にまとめているので、こちらをご覧ください。