あしたでんきが供給終了へ。契約者の対処方法まとめ

事業撤退するあしたでんき


 あしたでんきが2022年6月30日をもって「供給終了」となり撤退することが発表されました。契約者が取るべき対処方法や、乗り換え先としておすすめの電力会社を紹介します。



あしたでんきとは


 2017年に東電系の新電力として設立されたTRENDE(トレンディ)の家庭向け新電力サービスです。2018年から「あしたでんき」の供給を開始し、2021年11月時点で推定36000件の契約を抱えていたものとみられます。


 TRENDEは東電系の新電力として設立され、設立当初の本社は内幸町の東電本店内に、また役員以下社員数名も東電からの出向(電気新聞報道より)と、東電のサブブランドのような立ち位置でスタートしました。その後、出光興産や伊藤忠商事、ドバイ水・電力公社系などの出資を受け、あしたでんきの他にも太陽光発電無料設置サービスほっとでんき」などを展開しています。


あしたでんきが撤退する理由・背景


 あしたでんきが撤退する背景にある事情を解説します。


電力取引価格の大幅な高騰が背景に


 日本では2021年秋頃から電力の取引価格が高騰しています。以下は卸電力取引所の電力取引価格の月平均価格です(東京電力エリア向けの取引価格 単位:円/kWh)


11月 12月 1月 2月 3月
19年度 9.03円 8.71円 8.17円 7.59円 7.48円
20年度 5.35円 14.35円 66.53円 8.29円 6.70円
21年度 17.59円 18.04円 23.95円 23.36円 30.76円

 通常、卸電力取引所の取引価格は平均で8〜9円程度と言われていますが、2021年秋から平均的な水準の2倍以上の価格で推移しています。


 取引価格高騰の原因はLNG(液化天然ガス)や石炭価格の大幅な高騰と、電力需給の逼迫が要因として挙げられます。2022年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻により一層取引価格が高くなったのも事実ですが、侵攻前から既に高騰が起きていました。


 2023年1・2月にも深刻な電力不足が想定されており、再び電力取引価格の大幅な高騰が起こることが懸念されています。


新電力の事業撤退が相次いでいる


 現在の取引価格の水準では、ほとんどの新電力が赤字になる水準です。また、2022年冬(2023年1・2月)にも電力需給の深刻な逼迫が起きることが予測されており、「次の冬」にも大幅な電力取引価格高騰が起こる見通しです。


 それを受けてあしたでんきと同じように新電力事業から撤退する会社が相次いでいます。



 上記の新電力が2022年以降、事業の停止を発表しています。


契約者が取るべき対処方法は


 あしたでんきの契約者は何をすべきか。対処方法を解説します。


出来るだけ早く他社への切り替えを


 あしたでんきでは2022年6月30日をもって、電気の供給契約を解除することを表明しています。あしたでんきを契約している人は、出来るだけ早くほかの電力会社に「乗り換える」手続きを行ってください。


 他社に対し申込みを行うと、あしたでんきに解約の手続きが自動で飛ぶので、あしたでんきに対し電気の解約手続きを行う必要はありません。他社に切り替える際に「供給地点特定番号」と呼ばれる22桁の数字と、あしたでんきの「お客様番号」が必要となるので確認してください。


あしたでんきのお客様番号と供給地点特定番号の確認方法

お客様番号と供給地点特定番号の確認方法

 「お客様番号」と「供給地点特定番号」はマイページの左側メニューの「ご契約情報」を開くと上記のように確認することが出来ます。


手続きすれば停電の心配は無い


 期限までに他社に切り替える手続きをすれば、停電することなく電気の使用を継続出来ます。私自身、契約していた熊本電力が2022年3月をもって供給を停止するというトラブルに巻き込まれましたが、停電すること無く電気の使用を継続することが出来ています。安心してください。


 何もせずに放置しておくと停電しますが、しっかりと速やかに手続きをすれば停電する心配は無いので安心してください。


確実に確認しておくべき点(必読)


 この記事の他の内容は全て読み飛ばして構わないので、これだけは覚えた上でこの記事を閉じてください。


 2022年現在、ほとんどの新電力が厳しい経営を強いられており、様々な形で「値上げ」をするところが増えつつあります。


 利用者にしっかりと告知した上で料金単価を引き上げるのであればまだ「仕方ない」と言えますが、中には利用者に分かりづらい形で実質的にかなり大幅な値上げをするところも出てきています。


 「卸電力取引所」の「取引価格」を電気料金に反映する仕組みを取り入れている、あるいは今後取り入れる新電力にはくれぐれも注意してください。卸電力取引所の取引価格を反映する料金体系だと、電気代が大手電力の2倍以上になる恐れがあります。


高騰した2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

 まだこのような料金プランは少数ですが、少しずつ増えてきているので注意してください。当サイトではこのような料金体系のプランについて「料金高騰リスクあり」「料金変動リスクがある」と表記しています。契約後の約款の変更にも注意が必要です。


切り替え先としておすすめの電力会社は


 


新電力の選び方の注意点


 契約していた電力会社が供給を打ち切る、というのは利用者にとっては煩わしいですし大きな不安の種です。私もつい最近、利用していた熊本電力の契約が終了し多大なストレスを感じました(「供給停止」の数日前に通知を受けた)


 昨今の電力取引価格高騰により、事業停止あるいは新規申込みを停止する新電力が相次いでいます。例えばシン・エナジーLooopでんき親指でんきリミックスでんきなどが2022年4月上旬時点で新規申込み一時停止に。エルピオでんきNatureでんきは事業停止、楽天でんきは大幅な値上げに追い込まれています。


 今後もあしたでんきと同じように事業を継続できなくなる会社が出てくる可能性は低くありません。再びこのような事態に巻き込まれたくない場合は、自社グループで大規模な火力発電所を保有している都市ガス会社の電力がおすすめです。これらの会社は経営母体が大きく体力がある上、電力取引価格高騰の影響を受けづらいです。


 具体的には以下の新電力が該当します。


サービス名 対応地域 公式サイト
東京ガス 関東 公式サイト
大阪ガス 関西 公式サイト
CDエナジー
中部電力・大阪ガスの子会社
関東 公式サイト

 通信系の新電力は会社の規模は大きいものの、自社火力発電所がありません。


期限まで時間が無い場合は大手電力


 新電力への切り替えは時間が掛かる場合があります。タイムリミットまで1ヶ月を切ってしまった場合は、大手電力の「従量電灯」に切り替えることをおすすめします。


 ネットでは短い期限での申込みを受付けていない場合もあるので、その場合は電話で手続きをしてください。


地域別料金比較


 2022年4月現在で新規申込みが可能な主な新電力の料金を比較します(大手電力標準メニューとの世帯人数ごとの平均使用量での年間料金比較) 現時点で卸電力取引所の取引価格を反映しない料金プランのみを掲載しています。


東北電力エリア


 東北電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
あしたでんき
標準プラン
+6.4%
+3166円
-1.5%
-1637円
-5.6%
-7289円
-8.7%
-13060円
ENEOSでんき
東北Bプラン
公式サイト
-2.2%
-1073円
-3.6%
-3946円
-4.0%
-5094円
-4.2%
-6321円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1361円
-2.7%
-3008円
-2.7%
-3529円
-2.7%
-4078円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯B
公式サイト
-3.5%
-1764円
-2.1%
-2342円
-1.9%
-2497円
-1.8%
-2662円

東京電力エリア


 東京電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
あしたでんき
標準プラン
+3.2%
+1660円
-4.5%
-5152円
-8.2%
-10942円
-11.0%
-16897円
CDエナジー
ファミリーでんき
公式サイト
20A契約不可 -5.2%
-5920円
-6.7%
-8936円
-7.9%
-12144円
CDエナジー
ベーシックでんき
公式サイト
-3.3%
-1692円
-5.7%
-6483円
-6.8%
-9033円
-7.7%
-11744円
東京ガス
基本プラン/ガスセット
公式サイト
-3.5%
-1812円
-5.8%
-6626円
-6.5%
-8614円
-7.0%
-10736円
東京ガス
基本プラン/電気単独
公式サイト
-3.1%
-1565円
-5.4%
-6091円
-6.0%
-7993円
-6.5%
-10025円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1402円
-2.7%
-3104円
-2.7%
-3629円
-2.7%
-4183円
東京ガス
さすてな電気
公式サイト
0%
0円
0%
0円
0%
0円
0%
0円

中部電力エリア


 中部電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
あしたでんき
標準プラン
+1.1%
+572円
-3.1%
-3512円
-6.3%
-8213円
-8.7%
-13003円
東邦ガス
ギフトでんきプラン
公式サイト
+4.4%
+2314円
-6.0%
-6725円
-6.0%
-7812円
-6.0%
-8960円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1432円
-2.7%
-3060円
-2.7%
-3554円
-2.7%
-4077円
中部電力ミライズ
ポイントプラン
おトクプラン

公式サイト

-0.5%
-262円
-0.5%
-560円
-1.9%
-2487円
-1.7%
-2582円

関西電力エリア


 関西電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
あしたでんき
標準プラン
-0.5%
-228円
-9.7%
-9875円
-11.4%
-13332円
-12.9%
-17031円
奈良電力
ならでん電灯A

公式サイト

+0.6%
+248円
-7.0%
-7144円
-8.0%
-9368円
-8.9%
-11747円
大阪ガス
スタイルプランd

公式サイト

-1.0%
-428円
-4.6%
-4663円
-4.6%
-5341円
-4.6%
-6066円
大阪ガス
ガスとのセット割

公式サイト

-2.6%
-1158円
-4.5%
-4610円
-4.4%
-5122円
-4.2%
-5602円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1231円
-2.7%
-2777円
-2.7%
-3182円
-2.7%
-3614円

中国電力エリア


 中国電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
あしたでんき
標準プラン
+4.8%
+2234円
-6.0%
-6398円
-7.6%
-9283円
-9.0%
-12369円
ENEOSでんき
中国Aプラン
公式サイト
-2.3%
-1075円
-3.8%
-4073円
-4.3%
-5217円
-4.7%
-6441円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1274円
-2.7%
-2907円
-2.7%
-3323円
-2.7%
-3769円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯A
公式サイト
-3.8%
-1752円
-2.2%
-2362円
-2.1%
-2517円
-1.9%
-2682円

九州電力エリア


 九州電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
あしたでんき
標準プラン
+1.8%
+813円
-4.6%
-4606円
-8.3%
-9749円
-11.1%
-15002円
ENEOSでんき
九州Aプラン
公式サイト
-2.1%
-972円
-3.7%
-3699円
-4.1%
-4857円
-4.5%
-6095円
auでんき
公式サイト
-1.0%
-443円
-4.6%
-4625円
-4.6%
-5408円
-4.6%
-6235円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1258円
-2.7%
-2747円
-2.7%
-3212円
-2.7%
-3702円



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