auでんきの電気料金プランやセット割を詳しく解説

auでんきの概要


運営会社 KDDI 電力調達 KDDI系
供給エリア 離島除く全国 契約条件 au、UQモバイル利用者


特徴


・電気料金は地域の大手電力会社と「同額」
・毎月の料金の1〜5%をPontaポイントで還元
・auの通信回線(スマホ、ネット等)の契約者向け
・燃料費調整の上限撤廃 大幅に値上がり(2022年秋)
・2023年春に料金改定 再値上げ


auショップ


 「鬼ちゃん」のCMでおなじみ、KDDIの新電力です。auの携帯電話・スマホや、auひかりの契約者に向けたサービスを展開しています。


 通信会社が電気を売ると言われると意外な感じがしますが、KDDIは2014年に電力子会社を設立し、大型マンションなどに電気を供給してきました。稼ぎ頭である携帯電話事業が頭打ちの中、契約者に様々なサービスを提供する「auライフデザイン」という戦略の一環として、電力事業に力を入れています。


 auでんきは大手電力会社や他の新電力と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説します。


auでんき公式サイト

料金プランとサービスの解説


乗り換えでいくらお得になるの?


 auでんきへの乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしました(下記の試算には燃料費調整を含んでいません)


シュミレーション条件
お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
でんきMプラン
-2.8%
-1679円
-4.6%
-6067円
-4.6%
-7055円
-4.6%
-8098円
東北電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-487円
-4.6%
-5061円
-4.6%
-5933円
-4.6%
-6853円
東京電力エリア
でんきMプラン
-0.9%
-485円
-4.6%
-5204円
-4.6%
-6082円
-4.6%
-7010円
中部電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-497円
-4.6%
-5134円
-4.6%
-5962円
-4.6%
-6837円
北陸電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-425円
-2.8%
-2626円
-4.6%
-5036円
-4.6%
-5762円
関西電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-428円
-4.6%
-4662円
-4.6%
-5340円
-4.6%
-6066円
中国電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-448円
-4.6%
-4884円
-4.6%
-5582円
-4.6%
-6329円
四国電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-452円
-4.6%
-4920円
-4.6%
-5640円
-4.6%
-6411円
九州電力エリア
でんきMプラン
-1.0%
-443円
-4.6%
-4625円
-4.6%
-5408円
-4.6%
-6235円
沖縄電力エリア
でんきMプラン
-0.9%
-374円
-2.7%
-2395円
-4.6%
-4520円
-4.6%
-6682円

 燃料費調整を含んでいない上記の試算では大手電力より割安になる結果となりましたが、現在燃料費調整が高騰しているため、燃料費調整の上限を撤廃したauでんきは基本的に大手電力の従量電灯プランよりも割高になっています。上の試算には燃料費調整を含めていません。


auでんきセット割


 上でも説明したとおり、毎月の料金に応じてPontaポイントが還元されます。
 ポイントバックの還元率は以下の通りです。


電気料金 付与率
現行 改定後
5千円未満 1% 0.5%
8千円未満 3%
8千円以上 5% 1%

 平均的な電気使用量だと、一人暮らし世帯では8000円を下回る月が多いはずです。2人〜3人世帯では、あまり使わない月は0.5%、夏冬でエアコンをよく使う時期は1%になるでしょう。4人以上の世帯では、年間を通じて1%が適用される月が多くなると思います。


ガスとのセット割も


 auでんきと都市ガスのセット割引プランを一部地域で提供しています(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、大津市ガスのエリア)  詳しくは以下の記事で。


auでんき公式サイト

解約時の違約金は?


 解約違約金は発生しません


 2020年以前は、契約から1年以内に解約すると2200円の違約金が発生していましたが、削除されました。現在は公式サイト上にも、「auでんきを解約しても違約金はかかりません」との案内が記載されています。


auでんきの評価


 auでんきのメリット・デメリットを紹介します。


燃料費調整上限撤廃で大幅値上げ


 燃料価格の変動を電気料金に転嫁する燃料費調整という料金項目があります。これまでauでんきは大手電力の従量電灯プランと同様に燃料費調整に「上限」を設けていましたが、2022年11月分から上限を撤廃します。


 2022年現在、燃料価格の異常な高騰が続いており2022年10月分では全国すべての地域が燃料費調整の上限に達しています。上限が無くなることでauでんきの電気代が一気に高騰しています。


 燃料費調整の上限撤廃については以下の記事で詳しく解説しています。


2020年5月から使い勝手が向上


 以前のauでんきでは、au WALLETポイントが付与されていました。au WALLETポイントはau PAY(au WALLET)の残高としてチャージするなど、使いみちが限られておりau WALLETを使っていない人にとってauでんきは使い勝手の悪いサービスと言わざるを得ない状況がありました。


au walletプリペイドカード


 しかし2020年5月からは、前述のとおりPontaポイントによる還元に変更されました。Pontaポイントはローソンや昭和シェルのガソリンスタンド、ケンタッキーフライドチキン、高島屋など様々な店舗で支払いに利用出来ます。使い勝手はau WALLETポイントと比較して大幅に高くなっています。


auでんき公式サイト

環境・エコは?


内訳 構成比
卸電力取引所 58.5%
LNG火力 12.6%
石炭火力 11.0%
再エネ(FIT電気) 5.7%
水力 2.0%

 2018年度の電源構成は上記の通りです。電源構成を一切公表しない新電力も多い中、詳細に開示している点は評価に値します。


 環境省が公表したCO2排出係数のデータによると、auでんき(KDDI)のCO2排出量は1kWhあたり560g(2019年度実績)と、新電力としては排出量が「やや多い」と言える値でした。年々少しずつ良くなっているものの、環境負荷はやや大きいと評価します。


 なお、東京・中部・関西・中国の4エリアではKDDIではなく各地域の大手電力会社が電気を供給します。


「おトク」が分かりやすい


 何度も説明してきたように、auでんきの電気料金は大手電力会社と一緒。そして値引き分はau WALLETにチャージされます。


 こうした仕組みは、他の一般的な新電力(電気料金が安い)と比べると、チャージ金額が積み上がるという形で「おトク」が見えるので、節約を実感しやすいというメリットがあります。


 また、毎月還元されるPontaポイントを自分のヘソクリにしてもバレにくいかもしれませんね。




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