>auでんきが2段階で値上げへ

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auでんきが2度の値上げを実施


 2022年秋に燃料費調整の上限を撤廃し、大幅に値上げしたauでんきが2023年春以降に再び値上げを実施します。この「2段階の値上げ」を詳しく解説し、契約者の方に対処方法を指南します。



燃料費調整の上限を撤廃したauでんき


 auでんきは燃料費調整に上限を廃止したため、燃料費調整額が上昇しています。そもそも燃料費調整の上限とは何か、解説します。


燃料費調整の上限とは


LNGタンカー

LNGタンカー

 電気料金は「本体部分」にあたる基本料金と電力量料金に加え、再エネ賦課金と燃料費調整によって構成されています。


 燃料費調整は燃料(LNG、石炭、石油)の輸入価格の変動を毎月の電気料金に転嫁する仕組みで、auでんきを含めて多くの新電力会社は各地域の大手電力会社と同じ計算式を採用しています。


 ただし、大手電力会社の標準プランである従量電灯の燃料費調整には「上限」が設けられているのに対し、多くの新電力や大手電力の新しい料金プランには上限がありません。


燃料費調整単価
2023年4月分
電気代の差
月300kWh
上限あり 上限無し
北海道電力エリア 3.66円/kWh 8.57円/kWh 4.91円/kWh 1473円
東北電力エリア 3.47円/kWh 11.80円/kWh 8.33円/kWh 2499円
東京電力エリア 5.13円/kWh 10.25円/kWh 5.12円/kWh 1536円
中部電力エリア 5.36円/kWh 9.93円/kWh 4.57円/kWh 1371円
北陸電力エリア 1.77円/kWh 9.34円/kWh 7.57円/kWh 2271円
関西電力エリア 2.24円/kWh 9.67円/kWh 7.43円/kWh 2229円
中国電力エリア 3.19円/kWh 13.77円/kWh 10.58円/kWh 3174円
四国電力エリア 2.55円/kWh 10.76円/kWh 8.21円/kWh 2463円
九州電力エリア 1.94円/kWh 7.56円/kWh 5.62円/kWh 1686円
沖縄電力エリア 3.98円/kWh 17.32円/kWh 13.34円/kWh 4002円

 多くの地域で燃料費調整の上限に達しているため、上限が無い料金プランは燃料費調整部分で電気代が大幅に割高になっています。


 これまでauでんきは大手電力従量電灯と同様に燃料費調整に上限を設けてきましたが、2022年11月分の電気料金から上限を撤廃しました。11月分の電気料金は急上昇することになります。


 なお、対象はauでんきだけでなくBIGLOBEでんきANAでんきUQでんきなども含みます。


市場連動型プランとは異なる


 混同しやすいのが市場連動型プランと呼ばれるリスクの高い料金プランとの違いです。


 市場連動型プランと一般的な燃料費調整の違いは以下のとおりです。


燃料費調整 市場連動型プラン
参照する値 財務省貿易統計の
原油・LNG・石炭輸入価格
と為替レート
卸電力取引所の
電力取引価格など
変動幅 調達調整費より
小さい
かなり大きい
※会社によって異なる
採用している
電力会社
ほとんどの会社
大手電力・新電力
ごく少数の会社

 一般的な燃料費調整は財務省の貿易統計の数字を元に計算されます。一方、市場連動型プランは日本卸電力取引所での電気の取引価格を元に電気代が変動します。


 一部の新電力は燃料費調整という名目で実質的に市場連動型プランを採用している例もありますが、auでんきについては市場連動型的な要素は無いのでその点ではリスクは小さいと言えます。


大手電力従量電灯より割高になっている


 auでんきは燃料費調整の上限を撤廃したことによる影響と、契約者が取るべき対処方法をまとめます。


燃料費調整を含めた試算を要確認


 2023年1・2月分の燃料費調整単価を元に電気代を試算すると、auでんきは大手電力標準プラン(従量電灯)よりも電気代が高くなっています。


 2023年春以降に一部地域では値上げが予定されていますが、それ以前に既に値上がりして割高になっています。


高くなっている場合の対処方法は


 料金が割高になっている場合は、燃料費調整に上限を設けている料金プランへの切り替えを推奨します。燃料費調整に上限を設けているのは以下の料金プランです。



 2023年2月現在、燃料費調整に上限が無い全ての料金プランが、大多数の一般家庭で大手電力の従量電灯よりも割高となっている深刻な状況です。


 なお、燃料費調整に上限を設けている新電力についても上限を「撤廃」する会社が相次いでいるので、新電力に切り替える場合は切り替え後の約款の変更に注意してください。




2023年春以降の値上げについて(2023年2月追記)


 auでんきは2023年春以降、大手電力従量電灯(規制料金)の値上げにあわせて値上げを実施することを、2023年2月に発表しました。この値上げについて解説します。


値上げの概要


 2023年春以降に実施される値上げの要点は以下の2つです。



 全てのユーザーに関係するのは、ポイント付与率の変更です。現在は毎月の電気料金に応じて1〜5%のポイントが付与されていますが、値上げ後はポイント付与率が0.5〜1%に変更されます。


電気料金 付与率
現行 改定後
5千円未満 1% 0.5%
8千円未満 3%
8千円以上 5% 1%

 それに加えて、 北海道電力エリア、東北電力エリア、東京電力エリア、北陸電力エリア、中国電力エリア、四国電力エリア、沖縄電力エリアの7エリアについては、電気料金も改定されます。これらの地域では大手電力が規制料金(従量電灯)の値上げを行うため、auでんきもそれに合わせて値上げをします。


 なお、中部・関西・九州電力の3エリアについては大手電力の値上げが現時点では予定されていないため、auでんきも料金改定を見送ります。


値上げの影響は?


 東京電力管内で30A契約、月300kWhの電力を使用するケースで値上げの影響を解説します(ポイント還元と 2023年2月分燃料費調整単価含む、再エネ賦課金、政府電気代補助金を含まない)


電気代(月・概算)
auでんき値上げ前 11519円
auでんき値上げ後 12632円
東電従量電灯現行料金 9549円
東電従量電灯値上げ申請料金 12759円

 実際には消費税相当分は含まない部分にポイント還元をするなど細かな規定があるため精密な計算結果ではないことをご容赦ください(規定に沿って燃料費調整分にはポイント還元を掛けずに計算しています)


 モデルケースでは現行の料金と比べて約10%の値上がりとなる一方、東京電力の値上げ後の料金と比べると安くなるという結果です。料金単価の値上げが予定されている他の地域においても同様の結果です。


契約者の対処方法は


 契約者が取るべき対処方法を解説します。



 中部・関西・九州エリアでは、現時点でauでんきの電気代が大手電力従量電灯よりも大幅に高くなっており、また今後も当面の間その状況が続くため大手電力従量電灯への切り替えを速やかに行ってください。迷う必要はありません。燃料費調整に上限が無いことで、auでんきの電気代が大手電力の従量電灯より高くなっています。


 北海道・東京・北陸エリアでは契約によっては市場連動型プランに移行し電気代が高くなるリスクが生じます。市場連動型でないauでんきのプランへの切り替えを直ちに行ってください。その上で、auでんきよりも割安なプランがある場合は他社への切り替え検討をおすすめします。


 その他の地域ではauでんきのままでもかまいませんが、auでんきより安い他社プランへの切り替え検討もこの機会におすすめです。


一部地域で市場連動型プランに(2023年6月から)


 auでんきは一部地域で2023年6月分以降から、燃料費調整額を変更し電源調達等調整額を導入します。この変更により電気代が更に一段と上昇します。この変更については以下の記事で詳しく解説します。




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