中部電力Eライフプランが値上げ

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中部電力Eライフプランが値上げ。安い乗換先は?


 2022年4月から中部電力のオール電化プラン「Eライフプラン」が値上げされます。値上げの内容と、乗換先としておすすめの電気代が安い電力会社を紹介します。



大幅に値上げされる中部電力Eライフプラン


 2022年4月から値上げされる中部電力Eライフプラン。値上げの内容を解説します。


料金改定の内容は


 まずは料金改定の内容を解説します。


内訳 旧料金 新料金
電力量
料金
昼間 36.27円/kWh 33.97円/kWh
朝晩 25.91円/kWh 25.91円/kWh
深夜 13.70円/kWh 15.89円/kWh
割引 5時間通電機器 176.0円/kVA 割引無し
通電制御型夜間蓄熱式機器 154.0円/kVA 割引無し

 昼間は値下げとなる一方、深夜が大幅に値上げ。更に割引が縮小される点が大きく、全体としては値上げとなります。


 基本料金と全電化住宅割引(電気代の5%)、ホームタイム(朝晩)は据え置きです。


具体的な値上げ幅は


 中部電力では50A契約、月436kWhの使用で月641円の値上げとなると試算を紹介しています。当サイトのモデルケース(10kVA契約・月480kWh)での試算も紹介します。


旧料金 新料金
月平均 11606円 12578円

 通電機器割引を含めない試算で、月に972円の値上がりという結果になりました。年間で1万円以上の値上げ、更に通電機器割引を含めると差は更に大きくなります。


値上げされる理由


 中部電力に限らず、大手電力各社は過去の割安なオール電化プランの値上げを相次いで発表しています。ではなぜ一斉に値上げしているのか、その理由は以下の2点にあります。



 東京電力が起こした福島第一原発事故により、2011年以降日本中の原子力発電所が停止しています。中部電力でも、菅直人首相(当時)の「要請」により、2011年5月に浜岡原発を停止させました。


 原子力発電所は発電出力を一定に保って発電をするのが一般的です。一方、電力の需要は深夜に落ち込みます。原発が稼働していると深夜に電気が余りやすくなり、その対策として推進されていたのがオール電化です。しかし現在は多くの原発が停止しており、深夜に電力が余剰になりづらくなっています(一部の火力発電は需要に応じて発電量を調節できる)


 一方で、日本では2011年以降急激に太陽光発電の導入が進みました。九州や四国など一部地域では、晴れた昼間に需要の大部分をまかなえるほど太陽光発電が普及し、「発電し過ぎ」が問題となっています。現在は昼間に電力が余剰となる傾向があります。


 こうした現在の電力事情をふまえて「深夜に値上げ」「昼間に値下げ」という形で料金改定が行われるというわけです。


燃料価格高騰で更に値上がり


 2021年秋ごろから燃料価格の高騰が続き、毎月の電気料金に加算される燃料費調整額が高騰しています。


 燃料費調整額は「燃料費単価×電気の使用量」で計算されるため、同じ燃料費調整単価でも電気の使用量が大きいオール電化住宅において、とりわけ影響が大きくなっています。


中部電力Eライフプランより安いプランは


 年間1万円以上も値上がりするのは辛い、という人のために割安な料金プランを紹介します。


7kVA以上の契約ならLooopでんきを検討


 戸建て住宅で中部電力Eライフプランを利用している場合は、Looopでんきの「スマートタイム」に切り替えることで料金を削減できる可能性があります。10kVA・月480kWhのモデルケースでの試算を紹介します。


中部電力
Eライフプラン
(値上げ後・全電化割適用)
Looopでんき
スマートタイム
月平均 11949円 11430円

 Looopでんきには全電化住宅割引や通電機器割引がありませんが、値上げ後の中部電力Eライフプランに全電化住宅割を適用した場合よりも安くなる可能性があります。上の試算例では、年間6228円安くなる結果です。


 ただし、このプランは電気の使い方によっては値上げ後のEライフプランよりも高くなる場合もあります。注意したいのが、契約容量が6kVA以下の場合です。6kVA以下(60A以下)の場合は、かなり慎重に検討することをおすすめします。Looopでんきは基本料金0円という料金体系なので、基本料金が安い6kVA以下の契約ではメリットが薄いです。


 解約違約金や初期費用はありません。Looopでんきは中部電力が出資している新電力会社です。


 Looopでんきは電気代高騰リスクがある「市場連動型プラン」に移行しており、推奨できなくなりました。電気代が中部電力Eライフプランより安く使える場合もありますが、電力取引価格によっては大幅に高くなるリスクもあります。


公式サイト

中電Eライフより確実に安くなるプランは「無い」


 残念ながら、中部電力Eライフプランより確実に安くなるといえる料金プランは存在しません。


 上で紹介していたLooopでんきのスマートタイムは新規申込み受付け停止から大幅値上げに至っています。他の新電力でオール電化プランを提供している例がありますが、これらはいずれも「スマートライフ」相当のプランです。


オール電化住宅に出来る電気代削減策は?


 中部電力はEライフプランを値上げしたことに加え、昨今は燃料価格高騰により電気代に加算される燃料費調整額が高騰しています。オール電化住宅にとってダブルパンチという状況です。


 オール電化住宅で出来る電気代削減策は大きくわけて以下の2つです。



 どちらも中部電力から購入する電気を減らす、という点では共通しています。


 太陽光発電は燃料価格高騰以前から、日本の住宅向けでは「元が取れる」と言われているので、築15年以下の戸建てにお住まいの方はぜひ検討してください。燃料価格が高騰している今は、より採算が取りやすくなっています。とりわけオール電化住宅は昼間の電気料金単価が高いので、より経済性が増します。ちなみに、蓄電池は元が取れないので勧誘されても騙されないでください。


 太陽光発電は同じメーカーの製品でも購入する代理店によって「1.5倍程度の価格差が生じている」と経産省傘下の太陽光発電競争力強化研究会が2016年に公表しています。以下のような一括見積もりサイトを利用して価格をよく比較した上で検討してください。





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