中部電力が銀行サービスを開始! その実力は?
中部電力ミライズが銀行サービスを開始しました。その名も「カテエネBANK」 このメリット・デメリットを他社の銀行サービスとも比較しながら解説します。
目次
カテエネBANKとは
中部電力の電力販売子会社、中部電力ミライズがネット銀行大手の住信SBIネット銀行と提携してサービス提供を開始したネットバンキングサービスです。
住信SBIネット銀行は様々な業種と提携して銀行サービスの提供を拡大させており、これまでにも家電量販店のヤマダデンキや日本航空、第一生命などとも提携し新たな銀行サービスを提供しています。サービスのベースは住信SBIネット銀行が担っていますが、それぞれ全く異なる特典を提供することで差別化を図っています。
なお、既に住信SBIネット銀行本体の口座や他の「NEOBANK」の口座を持っている方でも、基本的には中部電力のカテエネBANKの口座開設も可能です。
カテエネBANKのメリット
他社と比較したカテエネBANKのメリットを整理して解説します。
電気ガス料金の口座振替で最大5%ポイント還元
カテエネBANKを利用して中部電力ミライズの電気料金・ガス料金を口座振替で支払うと、電気・ガス料金の最大5%分がポイント還元されます。ポイント還元の料率は条件を満たすごとに加算されていく仕組みです。
条件 | ポイント付与率 |
---|---|
中部電力ミライズの 電気・ガス料金の口座振替 |
+1% |
2件目の口座振替設定 電気・ガス料金以外も可 |
+1% |
3件目の口座振替設定 電気・ガス料金以外も可 |
+1% |
月末の円預金残高が100万円以上 | +1% |
月間のデビットカードの利用金額が合計3万円以上 | +1% |
ベースは1%還元で、それに加算されていく形です。例えば口座の残高100万円で電気代を口座振替で支払う場合は2%還元となります。
ATM・振込手数料が月5回無料
カテエネBANKではATM手数料が毎月5回無料、また振込手数料も毎月5回無料となっています。
住信SBIネット銀行本体の通常の支店だとATM手数料は月2回以上、他行振込手数料は月1回以上無料なので通常の支店よりも無料回数が多いです(通常の支店は条件を満たすと最大月20回無料になる)
カテエネBANKのデメリット
続いてカテエネBANKのデメリットを解説します。
利用できるATMが限定されている
カテエネBANKは多くのコンビニATMに対応していますが、生活圏内にコンビニが無い場合は不便です。対応しているATMは以下のとおり。
備考 | |
---|---|
セブン銀行ATM | セブンイレブン |
ローソン銀行ATM | ローソン |
イーネットATM | ファミマなど |
イオン銀行ATM | ミニストップ、イオンなど |
ゆうちょ銀行ATM | 郵便局 |
ビューアルッテ | JR東日本 |
主要コンビニは網羅していますが、メガバンクや地方銀行、信用金庫やJAバンクなどには対応していません。生活圏内にコンビニがあれば問題無いですが、コンビニが無い場合は要注意です。
クレジットカード払いと比較すると損になるケースも
カテエネBANKは口座振替での電気・ガス代の支払いで1〜5%のポイントが付与されます。ですが場合によっては損になったり、メリットが無い場合もあります。
例えばリクルートカードのポイント還元率は通常1.2%です(ポイントはPontaやdポイントに交換可能) リクルートカードで支払っていた電気代をカテエネBANKの口座振替に切り替えた場合、還元率が1%に減少します。
デビットカード利用のポイント還元が無い
カテエネBANKはデビットカードを発行しています。多くの銀行ではデビットカードの利用金額に応じてポイント還元を行っています。例えば楽天銀行のJCBデビットカードでは1%還元、住信SBIネット銀行のデビットカード(Mastercard)は0.8%還元です。
カテエネBANKのデビットカードではこのようなポイント還元がありません。
月間3万円以上デビットカードを利用すると電気・ガス料金の口座振替へのポイント還元率が1%アップしますが、ポイント還元率1%のデビットカードで3万円使うと約300円分のポイントが付与されます。一方、カテエネBANKのデビットカードを3万円利用し、毎月1万円(一般家庭の平均的な水準)の電気代を支払った場合に付与されるポイントは+100円分です。差し引き200円分の損となります。
中部電力の電気代が「安くない」
中部電力の電気代の支払いにポイント還元を受けられるのがカテエネBANKの最大のメリットですが、そもそもの中部電力の電気代が他社と比較して高いという事実があります。条件にもよりますが、概ね2人以上世帯であればカテエネBANKで最大5%のポイント還元を受けるよりも、電気を他社に乗り換えた方がおトクです。2人世帯の平均使用量で中部電力の標準メニュー(従量電灯B)と比較して年間4000円前後安い電力会社もあります。
1人暮らし世帯で3%以上の還元率を目指せるのであれば、中部電力の電気とカテエネBANKの組み合わせは悪くない選択肢と言えます。
電気代が安い電力会社は以下の比較表から簡単に探すことが出来るので参考にしてください。