エレトス電気の契約者は何をすべきか

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エレトス電気契約者は何をすべき?


運営会社 エレトス合同会社 電力調達 非公表
供給エリア 離島、沖縄を除く全国 契約条件 特に無し

エレトス電気の特徴


・米国の新電力が日本で設立
・料金プランが分かりづらいので要注意
・営業代理店が逮捕、そして営業終了を発表


 米国の新電力、ビスタエナジーが日本で設立したエレトス合同会社が提供していたサービスです。


 2019年5月にはエレトス社の代理店の関係者らが逮捕され、間を置かずにエレトス社自身も「事業撤退」を5月末に表明しました。代理店の勧誘も悪質でしたが、エレトス社の撤退にあたっての対応も多くの契約者を困らせているようなもので、波紋を広げています。


 撤退の経緯や、契約者が取るべき対応を詳しく解説します。




事業撤退へ、契約者は何をすべきか。


 エレトス電力がサービスを終了するにあたって、既存の契約者は何をすべきか。電力自由化の専門家として多数のメディア取材を受けてきた私が端的に説明します。


撤退の経緯は?


 2019年5月にエレトス電気の代理店である大阪の会社の関係者らが特定商取引法違反で逮捕されるという事件がありました。
 この代理店は顧客に対し、自身が関西電力であると思い込ませてエレトス電気への契約変更を促したとされています。この悪質な代理店を通じて、7千件の契約切り替えがあったとのことです。


 また逮捕のニュースが流れた直後の5月末に、エレトス自体も営業を終了する旨がアナウンスされました。「諸事情により経営を継続していく事が難しい状況となり」との説明がされ、2019年6月14日までに手続きをするよう契約者に迫っています。


エレトス電気から他電力会社への切替えのお願い

「エレトス電気から他電力会社への切替えのお願い」という文章

契約者は何をすべきか


 手続きの期限は「6月14日」とされていますが、それまでに何をすべきかというとやるべきことは一つだけです。


 新しい電力会社に申し込む、必要なのはそれだけです。
 以前契約していた大手電力会社と契約するもよし、今度は料金プランをちゃんと比較して別の新電力と契約するもよしです。


 なお、電力自由化の制度上、新しい電力会社に申し込み手続きをすると自動的に現在契約している会社(エレトス)に解約手続きがいくので、申し込みをするだけでOKです。解約手続きは必要ありません。


 申し込みにあたって、「供給地点番号」やエレトスの「お客様番号」などの情報が必要となります。エレトスからの書面通知にそれらの情報が記載されているので、それをもとに申し込み手続きをしてください。書面が届いていない場合はエレトスに問い合わせて照会してください。供給地点番号とお客様番号があれば手続きできます



 なお、万が一エレトスが電気の供給を打ち切った場合、直ちに停電となる可能性もあり得るとの情報を経産省の電力・ガス取引監視等委員会より頂戴しました。送電が停止する場合、送配電網を管理する大手電力会社から事前通知がありますが、出来る限り早く手続きすることが必要です。


切り替え先としておすすめの電力会社は?


 もう新電力はコリゴリ、という人には大手電力会社従量電灯プランへの切り替えがおすすめです。最もベーシックなプランで、契約時の手数料や解約時の違約金などが掛からないプランです。エレトスの「レート定額」プランと比べて電気料金も安くなる場合が多いでしょう。


 料金をしっかり比較した上で、信頼できる新電力と契約するのもおすすめです。電気料金は大手電力会社よりも更に年間数千〜2万円程度安くなります。例えば東京ガス(関東のみ)は180万件、ENEOSでんき(関東・関西)も50万件以上が契約し、ちゃんと自社発電所も保有しています。


 当サイトでは452社の料金プランを比較できるので、こちらを参考にしてください。


 ただし、新電力への切り替えには時間が掛かる場合もあります。タイムリミットが迫っている場合は大手電力会社の「従量電灯」プランに戻すのが安全です。落ち着いたらまた当「新電力比較サイト」を見に来てくださるとうれしいです。


エレトス合同会社から見知らぬ請求書が届いたら


 エレトス合同会社と契約した覚えが無いのに、電気料金の請求書が届いている人もいます。


 これはエレトスの代理店が消費者に無断で勝手に電気の契約をエレトスに切り替える手続きを行ったためで、実際にエレトスと契約している状態になっていることを示します。


 訪問販売員などに電気の検針票などを見せてしまった記憶はありませんか?
 検針票にある供給地点番号とお客様番号、住所などが分かれば勝手に契約手続きを進めることが可能です。エレトスの悪質な代理店はそのような手口で契約を勝手に切り替えた可能性があります。


 請求書が届いたら必ず国民生活センターや、都道府県の消費生活センターに相談してください。「188」にダイヤルするとお近くの相談窓口に繋がります。


 無視して何もしないと今後停電するので注意してください。


請求金額がおかしい場合


 エレトス社から送られた請求書の内容が「おかしい」場合があるようです。請求金額の内訳と合計金額が「全く合っていない」ケースがあると、電気新聞などが報じています。


 このようなケースについても、国民生活センターや、都道府県の消費生活センターに相談することをおすすめします。適切な対処方法を指導してくれます。「188」にダイヤルしてください。


経産省が情報を公表(2019年7月)


 2019年7月11日、経産省がエレトス社に関してある情報を公表しました。


 日本で電気を使うと、使用量に応じて「再エネ賦課金」を負担する必要があります。この賦課金は利用者が電気代と一緒に電力会社に支払い、それを電力会社がまとめて「費用負担調整機関」というところに納付します。


 経産省の発表によれば、エレトス社はこの賦課金の納付を期限までに行っていません。7月1日期限の代金の納付が無く、更に7月10日までに支払うよう督促したそうですが、10日までに納付が無かったようです。


 過去にも同様の滞納を起こした新電力が数社ありますが、同じく経産省から社名を公表された福島電力や日本ロジテック協同組合はその後倒産しました。また、電気新聞の報道によればエレトス社の代表者は既に米国に出国済みとの情報もあります。


 電気料金の過大請求が疑われる事例もあるようですが、万が一エレトス社が倒産した場合、過大に支払った分は全額返金される可能性が低いです。請求額に不安がある場合は、支払う前に必ず国民生活センターなどと相談してください。同社と直接話し合うべき問題ですが、電話が繋がりにくい状況があります。


公式サイトが消滅


 2019年8月上旬から公式サイトが閲覧出来ない状態が続いています。




(過去情報)料金プランとサービスの解説


 以下、エレトス電気のサービス内容の解説です。過去情報としてご覧ください。


乗り換えでいくらお得になる?


 乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
 世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。


シュミレーション条件
お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
レート定額
+22.2%
+13288円
+14.8%
+19300円
+10.9%
+16541円
+8.0%
+13871円
東北電力エリア
レート定額
+28.9%
+14134円
+19.4%
+20955円
+14.3%
+18192円
+10.6%
+15507円
東京電力エリア
レート定額
+17.7%
+8916円
+8.8%
+9852円
+4.6%
+6008円
+1.4%
+2131円
中部電力エリア
レート定額
+24.3%
+12530円
+19.1%
+21038円
+15.2%
+19449円
+12.3%
+17984円
北陸電力エリア
レート定額
+29.6%
+12901円
+24.5%
+22811円
+20.8%
+22406円
+18.0%
+22171円
関西電力エリア
レート定額
+23.9%
+10605円
+12.0%
+12068円
+9.7%
+11129円
+7.7%
+10124円
中国電力エリア
レート定額
+25.7%
+11756円
+12.7%
+13292円
+10.8%
+12879円
+9.2%
+12437円
四国電力エリア
レート定額
+30.4%
+14252円
+18.7%
+19698円
+16.3%
+19714円
+14.4%
+19730円
九州電力エリア
レート定額
+30.4%
+13733円
+22.2%
+21954円
+17.5%
+20178円
+13.9%
+18523円

 上記で紹介した「レート定額プラン」の他に、「ここまで定額」や「市場連動型」プランもありますがここでは割愛します。


 いずれの地域でも、大手電力会社の従量電灯プランより大幅に高い料金水準となっています。


 なお、約款に掲載されている料金単価は税抜き、また燃料調整費が掛からない点にも注意が必要です。燃料調整費は大手電力会社(と多くの新電力)では現在「マイナス」(料金が安くなる)になっているため、それが無い分エレトスは割高になります(2018年7月適用分の単価で補整して試算しています)


比較サイトで安いと表示される理由と注意点


 大手電力比較では、エレトス電気が「最安値」と表示されるケースが見られます。最安値でないにしても、大手電力会社より高いと出てくることはないでしょう。


 大手比較サイト経由で契約すると、「入会特典」として数千円の割引(確認した時点では5000円)と、更に初年度だけ適用される1kWh5円(執筆時点で確認)という大幅な割引があるため、安く見えるようです。


 1年だけ使うのであれば、大手比較サイト経由で申し込むことでお得に使えるエレトス電気ですが、2年目以降は上で紹介したように大手電力会社と比べても料金が大幅に高いので注意してください。


 また、「レート定額」プランで契約しても、2年目からは「市場連動型」プランに自動で移行する点にも注意が必要です。


 かなり分かりづらいです。


解約時の違約金は?


 契約上は1年契約の自動更新ですが、特に違約金などは発生しないとしています。


支払い方法は?


 「よくある質問」にはクレジットカード払い、口座振替、コンビニ払いに対応していると掲載されていますが、申込画面上では「現在は口座振替のみ対応」となっています。


エレトス電気の評価


顧客対応は?


 2018年6月中旬頃の土曜日の昼にメールで問い合わせを行ったところ、翌月曜日の朝10時に返信がありました。またそれに対して追加で質問を行ったところ、25分後には正確な回答を得られました。


 顧客対応については特に問題は無いでしょう。


環境面・エコ


 電源構成などの情報は公表されていません。




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