ENEOSでんきが電気代高騰へ。燃料費調整の上限撤廃の対処方法は?

ENEOSでんきは一部地域で大手電力よりも電気代が高くなる


 ENEOSでんきは燃料費調整の上限を廃止することで今後、一部地域で電気代が大手電力の従量電灯プランよりも割高になります。その原因と対策を解説します。



燃料費調整の上限を廃止するENEOSでんき


 ENEOSでんきは燃料費調整に上限を廃止するため、今後電気代が急上昇します。そもそも燃料費調整の上限とは何か、解説します。


燃料費調整の上限とは


LNGタンカー

LNGタンカー

 電気料金は「本体部分」にあたる基本料金と電力量料金に加え、再エネ賦課金と燃料費調整によって構成されています。


 燃料費調整は燃料(LNG、石炭、石油)の輸入価格の変動を毎月の電気料金に転嫁する仕組みで、ENEOSでんきを含めて多くの新電力会社は各地域の大手電力会社と同じ計算式を採用しています。


 ただし、大手電力会社の標準プランである従量電灯の燃料費調整には「上限」が設けられているのに対し、多くの新電力や大手電力の新しい料金プランには上限がありません。これまでENEOSでんきは新電力としては珍しく燃料費調整に上限を設けていましたが、燃料価格高騰が長期化することが予想されるため2022年11月1日から上限を廃止します。


燃料費調整単価
2022年10月分
電気代への影響
月300kWh
上限あり 上限無し
北海道電力エリア 3.66円/kWh 8.39円/kWh 4.73円/kWh 1419円
東北電力エリア 3.47円/kWh 9.46円/kWh 5.99円/kWh 1797円
東京電力エリア 5.13円/kWh 8.07円/kWh 2.94円/kWh 882円
中部電力エリア 5.36円/kWh 6.76円/kWh 1.40円/kWh 420円
北陸電力エリア 1.77円/kWh 8.28円/kWh 6.51円/kWh 1953円
関西電力エリア 2.24円/kWh 7.47円/kWh 5.23円/kWh 1569円
中国電力エリア 3.19円/kWh 11.56円/kWh 8.37円/kWh 2511円
四国電力エリア 2.55円/kWh 9.31円/kWh 6.76円/kWh 2028円
九州電力エリア 1.94円/kWh 5.87円/kWh 3.93円/kWh 1179円
沖縄電力エリア 3.98円/kWh 15.33円/kWh 11.35円/kWh 3405円

市場連動型プランとは異なる


 混同しやすいのが市場連動型プランと呼ばれるリスクの高い料金プランとの違いです。


 市場連動型プランと一般的な燃料費調整の違いは以下のとおりです。


燃料費調整 市場連動型プラン
参照する値 財務省貿易統計の
原油・LNG・石炭輸入価格
と為替レート
卸電力取引所の
電力取引価格など
変動幅 調達調整費より
小さい
かなり大きい
※会社によって異なる
採用している
電力会社
ほとんどの会社
大手電力・新電力
ごく少数の会社

 一般的な燃料費調整は財務省の貿易統計の数字を元に計算されます。一方、市場連動型プランは日本卸電力取引所での電気の取引価格を元に電気代が変動します。


 一部の新電力は燃料費調整という名目で実質的に市場連動型プランを採用している例もありますが、ENEOSでんきについては市場連動型的な要素は無いのでその点ではリスクは小さいと言えます。


「電気代5倍」は誤り


 まとめサイトなどで「ENEOSでんきの電気代が5倍になる」とする投稿が見受けられますが、今回の「値上げ」によって契約者が支払う電気料金が5倍になることはありません。事実誤認と言えます。


 1世帯の電気料金は平均で月1万円程度と言われていますが、それが5万円になるという話は直感的に「おかしい」と気づくはずです。エネルギー危機の影響を受けて電気代・ガス代が高止まりしている欧州では残念ながら既に5倍近い高騰が生じていますが、日本はまだそのような状況ではありません。




一部地域では大手電力より割高になる


 ENEOSでんきは燃料費調整に上限を設けていません。そのため、燃料価格が高騰する局面では以下のような「影響」が生じます。


燃料費調整を含めた試算を要確認


 2022年9月分の燃料費調整単価を元に電気代を試算すると、ENEOSでんきは以下の地域では「ほぼ全ての」契約者(一般家庭の一般的な電気の使い方)が大手電力標準プラン(従量電灯)よりも電気代が高くなる恐れがあります。



 上記の地域では月300kWh(契約容量30A)で試算すると、ENEOSでんきが大手電力従量電灯よりも大幅に割高です。例えば関西電力エリアでは関西電力の従量電灯Aより月771円程度割高になります。


 燃料費調整を含めた料金試算は以下の料金一括シミュレーションで確認できます。


大手電力より高くなる場合の対処方法は


 料金が割高になる場合は、燃料費調整に上限を設けている料金プランへの切り替えを推奨します。燃料費調整に上限を設けているのは以下の料金プランです。



 関西・中国・四国エリアなどでは、燃料費調整に上限が無いほぼ全ての料金プランが、ほぼ全ての一般家庭で大手電力の従量電灯よりも割高となっている深刻な状況です(2022年9月分燃料費調整単価)


 なお、燃料費調整に上限を設けている新電力についても上限を「撤廃」する会社が相次いでいるので、新電力に切り替える場合は切り替え後の約款の変更に注意してください。


 また、大手電力の従量電灯プランについても、そう遠くない内に値上げが実施される可能性があります(中国電力は2022年9月に値上げ実施検討を発表)


燃料費調整に上限がある料金プランの一覧


 燃料費調整に上限を設けている新電力の料金プランを抜粋して紹介します。


北海道電力エリア


 北海道電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -4.3%
-5640円
-4.7%
-7200円
-5.1%
-9000円
北海道ガス
(給湯+暖房割)
公式サイト
-4.6%
-2784円
-4.7%
-6227円
-4.7%
-7180円
-4.6%
-8194円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-6028円
-4.5%
-7011円
-4.5%
-8050円

東北電力エリア


 東北電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5009円
-4.5%
-5876円
-4.5%
-6791円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -1.2%
-1320円
-2.2%
-2880円
-2.8%
-4200円

東京電力エリア


 東京電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2.2%
-2520円
-3.2%
-4320円
-4.9%
-7440円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5169円
-4.5%
-6043円
-4.5%
-6965円

中部電力エリア


 中部電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
東邦ガス
ギフトでんきプラン
公式サイト
+4.4%
+2314円
-6.0%
-6725円
-6.0%
-7812円
-6.0%
-8960円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5095円
-4.5%
-5918円
-4.5%
-6789円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -1.3%
-1440円
-1.5%
-1920円
-1.5%
-2160円

北陸電力エリア


 北陸電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -2.7%
-2586円
-4.5%
-4993円
-4.5%
-5713円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2.4%
-2280円
-2.5%
-2760円
-1.5%
-2160円

関西電力エリア


 関西電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
コスモでんき
スタンダード
0%
0円
-2.6%
-2640円
-4.4%
-5160円
-4.6%
-6120円
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-410円
-2.7%
-2775円
-4.5%
-5298円
-4.5%
-6018円

中国電力エリア


 中国電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-424円
-4.5%
-4841円
-4.5%
-5534円
-4.5%
-6276円
コスモでんき
スタンダード
0%
0円
-2.6%
-2760円
-4.1%
-5040円
-4.2%
-5760円

四国電力エリア


 四国電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-434円
-4.5%
-4884円
-4.5%
-5599円
-4.5%
-6364円
コスモでんき
スタンダード
0%
0円
-2.3%
-2520円
-4.1%
-5040円
-4.2%
-5880円

九州電力エリア


 九州電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2.5%
-4320円
-3.7%
-4320円
-5.0%
-6840円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -2.7%
-2745円
-4.5%
-5348円
-4.5%
-6164円




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