エバーグリーンリテイリングの料金改定は値上げです【2024年4月】

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2024年4月に「値上げ」するエバーグリーン


 2024年4月に「料金改定」することを発表したエバーグリーン・リテイリング。料金改定の発表には「値上げ」の文言は見当たりませんが、実質的に大幅な値上げが行われます。この値上げについて分かりやすく解説します。



2024年4月に料金改定するエバーグリーン


 エバーグリーン・リテイリングは2024年4月に「料金改定」を実施します。


 2月1日に公式サイト上で発表された『【低圧のお客さま向け】2050年カーボンニュートラル実現に向けた低圧全プランの「CO?フリー」への変更および電気料金計算方法の改定のお知らせ』には『「電源調達調整額」の算定式の一部も併せて変更させていただきます。上記に伴い、「電気供給約款」を変更することを下記の通りお知らせいたします。毎月の電気料金に影響が出る場合がございます』とあるだけで料金改定が電気代の値上げになることが分かりづらくなっていますが、実態は値上げと言うほかありません。


 この値上げの詳細と注意点を解説します。


料金改定は「値上げ」


 料金改定の中身を精査します。


電源調達調整額が値上がりする


 エバーグリーンは2024年4月から電源調達調整額の計算方法を変更します。電源調達調整額は、電力取引価格の変動を毎月の電気料金に転嫁する料金項目です。


 計算式などは従来と変化ありませんが、計算に使用する「基準単価」を北海道から九州までの全エリアで引き下げます。この引き下げにより、電源調達調整額が値上がりします。


 例えば東京電力管内では基準単価が従来の10.78円から8.05円に引き下がります。この変更により、東京電力管内では電気代の単価が1kWhあたり3円値上がりします。


 1月に300kWhを使う一般家庭では、毎月の電気代が900円値上がりすることになります。


電力取引価格高騰時のリスクも上昇


 電気代が値上がりするだけでなく、電力取引価格高騰時のリスクも上昇します。


 エバーグリーンは卸電力取引所での電力取引価格に応じて電気代が変動する電源調達調整額という仕組みを採用しています。これまでエバーグリーンは「算定月の3ヶ月前」の「1ヶ月平均」をもとに電源調達調整額を計算していました。例えば4月の電気料金に掛かる電源調達調整額は、1月の電力取引価格によって計算していました。


 これを2024年4月以降は「算定月の1.5ヶ月前〜0.5ヶ月前」の「1ヶ月平均」に改めます。例えば4月の電気料金は2月〜3月の電力取引価格によって計算されることになります。


算定期間
改定前 3ヶ月前
改定後 1.5ヶ月前〜
0.5ヶ月前

 この変更は利用者にとって、リスクが高まる変更となります。


 従来の計算方法であれば、電力取引価格の高騰が発生したことを確認してから他社に避難することが容易でした。3ヶ月のタイムラグがあれば、実際に電源調達調整額が高騰するまでの間に他社(電力取引価格を電気代に反映しないもの)に切り替えることは難なく可能です。


 しかし新たな計算期間では、タイムラグが大幅に短縮されており電力取引価格の高騰を確認してから他社に切り替え手続きを行っても切り替えが間に合わないリスクがより高まります。


算定期間変更が電気代を押し上げる可能性も


 算定期間の変更により、電気代も値上がりする可能性があります。電力取引価格は電力需給に応じて夏・冬に高く、春・秋に安くなる傾向があります。これまでの計算期間では、電力取引価格が安い春の取引価格によって計算された調整額が、電気を多く使う夏に適用されていました(例えば5月の取引価格が8月の電気代に反映)


 ですが今後は8月の電気代は6・7月の取引価格によって計算されるため、従来の計算期間よりもやや電源調達調整額が高くなる可能性があります。


 この要素による値上がりは、「基準単価」変更ほど大きくはないものの、一般家庭の平均的な使用条件で年間で数百円以上、電気代を押し上げる可能性があります。


利用者が取るべき対処方法


 利用者が取るべき対処方法をまとめます。


料金改定までに切り替えを推奨


 料金がこれまでと比較して明らかに値上がりするため、他社への切り替えを推奨します。


 そもそも料金改定前の2024年2月分の調整単価を含んだ試算で、エバーグリーンの従量電灯Bは東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと比較して約1600円も割高です(30A/月300kWh) そこに更に900円値上がりするという話です。


 エバーグリーンの電気代は市場連動型となっており、タイミングによっては大手電力各社より大幅に安く推移することもありますが、電力取引価格が高騰すれば電気代が高額になる恐れがあります(2024年2月分は高騰しているわけでもない) このような市場連動型プランはリスクが大きいため、当サイトでは基本的に利用を推奨しません。切り替える場合は市場連動型でない料金プランを選んでください。


切り替えにおすすめの電力会社


 市場連動型でない料金プランで切り替えにおすすめの電力会社を、各地域の大手電力標準メニューと世帯人数別の平均使用量での試算とともに紹介します。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
-270円 -6976円 -8844円 -10842円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-744円 -5179円 -6949円 -8842円
エネワンでんき
エネワンLL公式サイト
+3927円 -1127円 -3149円 -5302円
エネワンでんき
エネワンL公式サイト
+97円 -3105円 -3956円 -4856円
auでんき公式サイト -376円 -1566円 -1810円 -2067円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯B公式サイト
-1320円 -1320円 -1320円 -1320円
エネワンでんき
エネワンスタンダード公式サイト
-288円 -432円 -576円 -720円

お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
+1657円 -3062円 -4342円 -5711円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-408円 -2851円 -4089円 -5414円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-228円 -1719円 -2524円 -3385円

 世帯人数ごとの「平均使用量」で試算した、東京電力エナジーパートナーの標準メニュー(スタンダードS)と比較した年間でお得になる金額の目安です(2024年10月分の燃料費調整額・料金、ポイント還元原則含む、同額の再エネ賦課金・政府電気代補助金は含まない)


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
CDエナジー
ベーシックでんきB
公式サイト
-1888円 -6667円 -9366円 -12221円
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
+1076円 -6732円 -9157円 -11751円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-984円 -5495円 -7244円 -9115円
東京ガス
ガスセット契約公式サイト
-1203円 -5081円 -6947円 -8927円
東京ガス
電気のみ公式サイト
-846円 -4322円 -6073円 -7933円
レモンガスでんき
ガスとセット公式サイト
+14832円 -1982円 -3736円 -5613円
エルピオでんき
ここまで定額S公式サイト
20A契約不可 +2858円 -3575円 -5372円
東京電力
プレミアムS
+10419円 +21313円 +420円 -4392円
CDエナジー
シングルでんき
公式サイト
20A契約不可 -2522円 -2862円 -3210円
エルピオでんき
使った分だけSプラン公式サイト
20A契約不可 +6124円 +1657円 -2873円
Pontaでんき公式サイト -1800円 -1800円 -1800円 -1800円
auでんき公式サイト -309円 -1302円 -1510円 -1731円

お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
+1700円 -3013円 -4288円 -5651円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-348円 -2502円 -3622円 -4820円
東邦ガス
シンプルプラン
-538円 -2218円 -3892円 -4449円
TOKAIでんき
でんきS/セット公式サイト
-44円 -2660円 -3145円 -3664円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-216円 -1664円 -2459円 -3309円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯B公式サイト
-1792円 -2365円 -2515円 -2675円
中部電力
ポイント/おとくプラン
-266円 -568円 -2496円 -2593円
Pontaでんき公式サイト -1800円 -1800円 -1800円 -1800円
auでんき公式サイト -304円 -1243円 -1436円 -1640円
TOKAIでんき
でんきS/電気のみ公式サイト
+2355円 -260円 -745円 -1264円

お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
出光でんき
Sプラン公式サイト
-498円 -2979円 -4042円 -5179円
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
+652円 -2661円 -3729円 -4871円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-204円 -1483円 -2154円 -2871円
Pontaでんき公式サイト -1800円 -1800円 -1800円 -1800円
auでんき公式サイト -339円 -1329円 -1527円 -1737円

お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
奈良電力
ならでん電灯A
+249円 -7143円 -9367円 -11747円
コスモでんき
スタンダード
0円 -2640円 -5160円 -6120円
燃料費調整の関係で、多くの新電力が関電従量電灯Aより割高です

お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
ミツウロコでんき
従量電灯A公式サイト
-210円 -6584円 -8297円 -10129円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-1884円 -4531円 -5589円 -6720円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-1305円 -2836円 -3677円 -4577円
Pontaでんき公式サイト -1800円 -1800円 -1800円 -1800円
auでんき公式サイト -353円 -1402円 -1592円 -1796円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯A公式サイト
-1320円 -1320円 -1320円 -1320円

お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
出光でんき
Sプラン公式サイト
-648円 -3830円 -5172円 -6607円
ミツウロコでんき
従量電灯A公式サイト
+2353円 -2017円 -3766円 -5638円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-120円 -1128円 -1753円 -2421円
ソフトバンクでんき
おうちでんき従量電灯A公式サイト
-1320円 -1320円 -1320円 -1320円

 九州では新電力の利用を推奨しません。九州電力の従量電灯B・Cを推奨します。




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