ピタでん(F-Power)の概要
運営会社 | F-Power 新電力大手 |
電力調達 | 自社発電所や提携発電所など |
供給エリア | 離島、沖縄を除く全国 | 契約条件 | 特に無し |
目次
ピタでん(F-Power)の特徴
・新電力大手のF-Power(エフパワー)が提供
・使用量が多い世帯で「最安水準」の低料金
・2021年3月に会社更生法申請
新電力大手のF-Powerが提供している「ピタでん」を紹介します。
F-Powerは省エネコンサルタント事業を行っているファーストエスコ(現エフオン:マザーズ上場)の新電力部門として、2009年にスタートしました。他社には無い特徴的な発電所(詳細は記事後半で)を運営するなど、業界をリードしています。
そんなF-Powerが家庭向けに始めたのが「ピタでん」という電力サービスです。全国各地で他社の追随を許さない「最安値水準」の料金が最大の特徴です。以下、詳しく解説します。

料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
北海道電力エリア 使った分だけ |
-3.6% -2186円 |
-9.4% -12517円 |
-12.5% -19303円 |
-14.9% -26276円 |
東北電力エリア 使った分だけ |
+5.2% +2575円 |
-2.6% -2848円 |
-6.7% -8650円 |
-9.8% -14581円 |
東京電力エリア 使った分だけ |
+2.1% +1069円 |
-5.6% -6363円 |
-9.3% -12303円 |
-12.0% -18417円 |
中部電力エリア 使った分だけ |
-0.2% -80円 |
-4.3% -4848円 |
-7.5% -9714円 |
-9.8% -14681円 |
北陸電力エリア 使った分だけ |
-3.3% -1450円 |
-7.0% -6642円 |
-9.8% -10743円 |
-11.9% -14928円 |
関西電力エリア 使った分だけ |
-2.5% -1131円 |
-11.9% -12134円 |
-13.7% -16107円 |
-15.2% -20358円 |
中国電力エリア 使った分だけ |
+2.9% +1356円 |
-7.8% -8194円 |
-9.3% -11300円 |
-10.6% -14623円 |
四国電力エリア 使った分だけ |
+2.2% +1042円 |
-7.0% -7515円 |
-8.9% -10905円 |
-10.4% -14532円 |
九州電力エリア 使った分だけ |
+0.3% +120円 |
-6.0% -6026円 |
-9.6% -11344円 |
-12.4% -16785円 |
いずれの地域でも、使用量が一定以上ある世帯では他社の追随を許さない最安値水準を実現しています。大手電力会社と比べて電気料金が大幅に安くなります。
基本料金が0円で、1kWhあたりの従量料金が課金される料金体系となっています(Looopでんきなどと同じ)

使いたい放題プラン
電気代が毎月2万円を越えるような世帯でお得になる「使いたい放題」というプランもあります。毎月500kWhまで定額で、それ以上の使用量を使うと1kWhあたりの従量料金が課金されます。
このプランでは、再エネ賦課金と燃料調整費を料金単価に含んでいる(他社では含んでいない)ため、自分で計算して比較する際は注意してください。再エネ賦課金込の料金単価なので、使用量が多いと非常に安いです。
解約時の違約金は?
1年以内の解約で2200円の違約金が発生します。
違約金に不安を感じる人には、違約金が無い料金プランをおすすめします。例えばあしたでんきは違約金無しでピタ電と同じような料金プランで、いつ解約しても違約金の発生がありません(料金はピタでんの方が年数千円安い、北海道など一部地域には非対応)
支払い方法は?
クレジットカード払いに対応しています。
以前は口座振替にも対応していると公式サイトにありましたが、現在はクレジットカードのみとなっています。

ピタでん(F-Power)の評価
国産ガスを使った火力発電所
2018年7月から新潟県で稼働している長岡火力発電所は、国内でも珍しい「国産天然ガス」を燃料とする火力発電所です。新潟や秋田では今も天然ガスが産出されていますが、そうした国産の天然ガスを燃料として活用する取り組みとして注目を集めるプロジェクトです。
長岡火力発電所は大和証券系のファンドの持ち物ですが、F-Powerがこの発電所で発電された電気を全量買い取ることが発表されています。
小規模な発電所であるため、F-Power全体の供給量の数%にも満たない発電量ではありますが、エネルギー自給率の観点からこうした取り組みは応援したいです。
環境面・エコ
電源構成は公表していません。
環境省が2021年1月に公表したF-PowerのCO2排出係数は1kWhあたり527g(2019年度実績)です。新電力会社としては平均的な水準です。

顧客対応は?
2020年3月の平日12時にメールで問い合わせたところ、翌々日の16時に返事が届きました。新電力にとって最も忙しい時期である点は少し割り引いてあげる必要がありますが、2日掛かったのは「遅い」と言えます。
返信の内容は的確で丁寧でした。
2021年3月に倒産
経営が不安定な状況が続いていた
2018年6月期決算で1600億円の売上に対し120億円もの赤字を出しました。更に、2019年6月期の決算でも184億円の赤字と、2期連続で巨額の赤字を出したことが報道されていましたが、2021年3月に会社更生法申請を行い倒産しました。
今後、スポンサー企業を選定し、新たな体制で再出発を目指しているようです。
これまでの経営不安の詳しい経緯などは以下の記事で解説しています。
契約者はどう対処すべきか
新電力が倒産などで事業を停止した場合、各地域の送配電会社が代わって電力の供給を継続する仕組みが整えられています。そのため、F-Powerが電力を供給できない状態になったとしても、停電することはありません。郵送などで通知が行われるので、期限内に他社に切り替え手続きをすることで電気の使用を継続することが出来ます。
また、会社更生法手続き申請を公表した3月24日時点では「会社の事業をこれまでのとおり継続」また「今後の電力供給にはまったく支障はございません」としており、F-Powerからの供給が継続しています。
現時点では、直ちに他社への切り替えを行う必要はありません。「ピタでん」は契約から1年以内に解約した場合、2200円の違約金が発生するのでその点にも注意してください。また、ピタでんの電気料金は非常に割安のため、大手電力に切り替えるを電気代が大幅に高くなります。
