エフビットでんきが高圧電力から一部撤退へ。契約者の対処方法は

高圧・特別高圧から一部撤退するエフビット 対処方法は?


 一部地域の高圧電力・特別高圧電力の販売から撤退するエフビット。なぜ撤退に追い込まれたのか、また契約者の対処方法をまとめます。



エフビットが撤退に追い込まれた背景


 エフビットが高圧電力の販売から撤退する背景を解説します。


エフビットの「撤退」の概要


 エフビットでんきを運営するエフビットコミュニケーションズは2022年6月、一部地域の高圧電力・特別高圧電力の販売から撤退し、電力事業を停止することを発表しました。撤退するエリアは以下のとおり。



 家庭向けや中小規模の店舗や事務所向けに提供されている低圧電力については継続します。


エフビットが撤退に追い込まれた背景


 エフビットだけでなく、新電力各社は高圧電力・特別高圧の電気代の大幅な値上げや、解約あるいは新電力事業からの「撤退」の動きを加速させています。


 こうした動きの背景にあるのが、2021年秋から続く電力取引価格の大幅な高騰です。以下の表は、電力取引価格の指標となる卸電力取引所の東京エリアプライス(東京電力管内向けの電力の取引価格)の月間平均値です(単位:円/kWh)


11月 12月 1月 2月 3月
19年度 9.03円 8.71円 8.17円 7.59円 7.48円
20年度 5.35円 14.35円 66.53円 8.29円 6.70円
21年度 17.59円 18.04円 23.95円 23.36円 30.76円

 卸電力取引所における電力取引価格は平均で8〜9円程度と言われています。ですが2021年秋から平均的な水準の2倍以上という水準での取引が続いています。


 電力取引価格高騰の原因としては2021年下半期から続く燃料輸入価格の高騰、電力需給の逼迫などが指摘されています。


 新電力は通常、9円程度で仕入れた電力を2円程度の託送料金(高圧の場合)を送配電事業者に支払い、電力を顧客に届けます。現在の電力取引価格の水準は、販売価格を大幅に上回る水準です。多くの新電力が値上げあるいは事業からの撤退を進めています。


 新電力は自社で発電所を保有しておらず、発電所を持つ会社と契約したり、卸電力取引所から電力を調達していることが多く、電力調達高騰の影響を受けやすいです。エフビットの場合、新電力大手だったF-Power系から買収した火力発電所を千葉県内に保有しており、多くの新電力と比較して電力調達価格高騰の影響を受けづらいものの、これまでの販売電力量を全て賄えるほどの発電量は確保出来ていなかったものとみられます。東京電力エリアからの撤退が発表されなかったのは、千葉県内に保有する発電所の存在が大きいとみられます。


新規契約受付を中止している例も


 電力取引価格高騰を受けて、新規契約の受付けを停止している電力会社も増えています。この動きは新電力だけでなく、東京電力エナジーパートナーや中部電力ミライズ、関西電力や北陸電力といった大手電力本体(の小売部門)にも波及しています。


 新電力が新規受注を絞る、あるいは既存の契約について解約を申し出たことで大手電力への申込みが急増。確保していた電力量を上回り、また新規での追加調達も電力取引価格高騰のため難しく、結果として大手電力の小売部門でさえも新規受注を絞らざるをえない状況が生じています。


エフビット契約者の対処方法


 契約者は何をすべきか。対処方法をまとめます。


まずは他社への切り替えを検討


 まず第一に行うべきことは、他社への契約切り替えの検討です。以下のような高圧・特別高圧向けの一括見積もりサイトを利用して切り替え先を検討してください。


サイト名 対応種別 対応地域
エネチェンジ 高圧・特別高圧 全国

 見積もりには費用などは掛かりません。


切り替え先が見つからない場合


 現在、多くの新電力・大手電力が高圧電力の新規受付を停止している状況です。見積もりサイトを利用しても切り替え先が見つからない場合は、まず電力を利用する地域の大手電力小売部門に新規契約は可能か、可能である場合は見積もりを依頼してください。


 万が一それさえも断られた場合は、各地域の送配電事業者が提供している「最終保障供給約款」への申込みを検討してください。最終保障供給は、どの小売電気事業者とも契約交渉が成立しない場合に、最終手段として提供されているものです。料金は割高となる場合がありますが、電気を使えなくなる事態は免れることが出来ます。


市場連動型プランには要注意


 現在、一部の新電力が市場連動型プランを提供することで新規受注を再開しています。ですが市場連動型プランは電力取引価格の推移によっては電気代が高額になる恐れがあるため、注意が必要です。


 特に2023年1・2月には深刻な電力需給の逼迫が予想されており、電力取引価格が長期にわたり高騰する恐れがあります。このようなタイミングで市場連動型プランを契約してしまうことは非常にリスクの高い選択と言えます。最終保障供給約款の方が最終的には安く済む可能性が高いです。




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