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高騰しているグランデータ社の電気代
グランデータ社の電気代が高騰しています。なぜ高騰しているのか、対処法とあわせて電力自由化の専門家としてこれまでに多数のメディア取材(産経新聞、週刊女性自身、週刊ポストほか)を受けてきた私が分かりやすく解説します。
目次
グランデータとは?
まずはグランデータ社について簡単に紹介します。
グランデータ社は東証プライムに上場している「光通信」の子会社です。2023年2月時点で募集されている求人情報によれば「連結子会社」となっています。2018年の設立当時は「ひまわりでんき」という社名でしたが2021年に現在のグランデータに商号を変更しています。
ONEでんきをはじめ、エコ得でんき、ライフでんき、ライトでんき、どうぶつでんき、ABEMAでんき、レオパレスでんきなど様々なブランド名で電力サービスを展開しています。
ONEでんきは電気料金比較サイトなどネットでの集客もみられましたが、不動産仲介・管理業者を中心とした代理店営業により契約件数を拡大。20年3月期売上17.69億円から22年3月期には180.82億円と急拡大している会社です。
グランデータの電気代が高い原因
そんなグランデータ社ですが、「電気代が高い」という声がSNS上で上がっています。その原因を分かりやすく解説します。
燃料費調整額の「特殊な計算方法」が原因
グランデータ社の電気代が高くなっている最大の要因が、燃料費調整額(市場価格調整額、電源調達調整費とも)の特殊な計算方法にあります。
東京電力や北海道電力といった大手電力各社、そしてauでんきやENEOSでんきといった主要な新電力各社でも「燃料費調整制度」が導入されていますが、グランデータのそれとは仕組みが異なります。違いを整理します。
一般的な 燃料費調整 |
グランデータの 燃料費調整 | |
---|---|---|
参照する値 | 財務省貿易統計の 原油・LNG・石炭輸入価格 と為替レート |
卸電力取引所の 電力取引価格など |
採用している 電力会社 |
多くの会社 大手電力・新電力 |
グランデータなど 少数の会社 |
一般的な燃料費調整制度は財務省の貿易統計にある「燃料の輸入価格」によって変動します。一方、グランデータの燃料費調整額は電力取引所での「電力取引価格」によって変動します(※時期によっては燃料価格連動の燃料費調整と併用されている場合がある)
こうした違いが、電気代の高騰の原因となっています。
いくら高くなっているの?
東京電力管内を例に解説します。まずは燃料費調整単価(「追加調整」を含む、政府補助金控除前)をグランデータと東京電力エナジーパートナー従量電灯で比較します。記事執筆時点で最新の2023年2月分までの1年分をグラフにまとめました。
2022年10月から燃料費調整の「追加調整」の加算が始まったことで、単価が跳ね上がっています。なお、東京電力の従量電灯の燃料費調整は上限が設けられており上昇が食い止められています。
グランデータは電気代本体部分(基本料金+電力量料金)は大手電力より割安に設定されている場合がありますが、それを含めても電気代トータルで一般家庭で月8000円程度割高と言えます(東電管内 30A契約 月300kWhを想定 2023年2月分 東京電力EP従量電灯Bと比較)
大手電力従量電灯の1.8倍くらいにはなってしまっているという状況です ※グランデータ社提供のプランでも状況が異なる場合があります(グランデータ社以外の新電力が電気を供給するプランなど)
なお、「市場価格調整制度」に移行する約款の発表が2023年2月25日に発表されました。この変更により、調整額が引き下がるようですがそれでも大手電力従量電灯と比べて割高な状況が当面続く恐れがあります。
念のため使用量も確認を
念のため、請求書に記載されている電気の使用量(単位はkWh)も確認してください。稀にこの数値にミスがあり誤請求が生じることがどの電力会社でも起こりえます。
前年同月や、前月までの使用量と比べて使用量が著しく変化している場合は、使用量の数値に誤りがある可能性があります。念のためグランデータに確認を依頼することをおすすめします。なお、使用量は請求の対象となる日数によっても変動するのでその点にも注意してください。
電気代が高い時の対処方法
グランデータ契約者が取るべき対処方法を解説します。
電気代が高騰していない他社に切り替える
他社に切り替えることで電気代が安くなります。切り替え先の電力会社に申込みをするだけで、グランデータ社への解約手続きは必要なく切り替えが可能です。なお、グランデータとの契約によっては解約違約金が発生する場合もあるのでその点は要確認です。
切り替え先としては東京電力や関西電力といった大手電力各社の「従量電灯A〜C」がおすすめです。これらのプランは燃料費調整に上限があり、燃料価格が高騰している昨今は電気代が割安になっています。auでんきやENEOSでんきといった多くの新電力の燃料費調整調整には上限が無いため電気代が大手電力従量電灯よりも高くなっています(グランデータと比べると安くなることが多い)
一部の電気料金比較サイトやSNS等で「安い」と紹介されているオクトパスエナジーやテラセルでんき、出光でんきなどはいずれも燃料費調整に上限が無いため、大手電力従量電灯よりも電気代が高くなっているのでおすすめしません(グランデータと比べると安くなることが多い)
大手電力各社でも「従量電灯」以外のプランは燃料費調整に上限が無いので注意してください。2023年春以降、従量電灯も値上げが予定されていますが現行料金から1.3倍前後の値上げ幅なのでグランデータの方が引き続き高い状況が維持されると考えています。
国民生活センターに相談する
お困りの事がある場合は、国民生活センターあるいはお住まいの地域の消費生活センターに相談することをおすすめします。「188」にダイヤルすると消費者ホットラインにつながります(通話料が掛かります)
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