石川電力が供給終了へ。契約者の対処方法まとめ

事業撤退する石川電力


 石川電力が2022年8月末をもって「供給終了」となり撤退することが発表されました。契約者が取るべき対処方法や、乗り換え先としておすすめの電力会社を紹介します。



石川電力とは


 ワンレクトホールディングス傘下の新電力会社で、北陸電力エリアで電力の販売を行っていた会社です。ワンレクトホールディングスは石川電力の他に福井電力という新電力も抱えています。


 ワンレクトホールディングスは2020年7月に東証JASDAQ上場の歯愛メディカルによって子会社化されましたが、2021年1月に売却に至っています。売却先はワンレクトホールディングスの経営陣です。


石川電力が撤退する理由・背景


 石川電力が撤退する背景にある事情を解説します。


電力取引価格の大幅な高騰が背景に


 日本では2021年秋頃から電力の取引価格が高騰しています。以下は卸電力取引所の電力取引価格の月平均価格です(東京電力エリア向けの取引価格 単位:円/kWh)


11月 12月 1月 2月 3月
19年度 9.03円 8.71円 8.17円 7.59円 7.48円
20年度 5.35円 14.35円 66.53円 8.29円 6.70円
21年度 17.59円 18.04円 23.95円 23.36円 30.76円

 通常、卸電力取引所の取引価格は平均で8〜9円程度と言われていますが、2021年秋から平均的な水準の2倍以上の価格で推移しています。


 取引価格高騰の原因はLNG(液化天然ガス)や石炭価格の大幅な高騰と、電力需給の逼迫が要因として挙げられます。2022年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻により一層取引価格が高くなったのも事実ですが、侵攻前から既に高騰が起きていました。


 2023年1・2月にも深刻な電力不足が想定されており、再び電力取引価格の大幅な高騰が起こることが懸念されています。


 石川電力は電力取引価格の高騰が起こる前から経営状況が盤石とは言えない状況にありました。歯愛メディカルが2020年7月に公表した資料に石川電力の経営状況が以下のように記載されています。


2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期
売上高 4百万円 129百万円 316百万円
当期純利益 -4百万円 -17百万円 22百万円

 売上を急激に拡大し、19年12月期には黒字化しているものの電力取引価格高騰を受け止めきれるほどの体力は無かったと言えます。


新電力の事業撤退が相次いでいる


 現在の取引価格の水準では、ほとんどの新電力が赤字になる水準です。また、2022年夏や2023年1・2月にも電力需給の深刻な逼迫が起きることが予測されており、再び大幅な電力取引価格高騰が起こる見通しです。


 それを受けて石川電力と同じように新電力事業から撤退する会社が相次いでいます。



 上記の新電力が2022年以降、事業の停止を発表しています。




契約者が取るべき対処方法は


 石川電力契約者は何をすべきか。対処方法を解説します。


出来るだけ早く他社への切り替えを


 石川電力は電気の供給契約を解除することを表明しています。石川電力を契約している人は、出来るだけ早くほかの電力会社に「乗り換える」手続きを行ってください。


 他社に対し申込みを行うと、石川電力に解約の手続きが自動で飛ぶので、石川電力に対し電気の解約手続きを行う必要はありません。他社に切り替える際に「供給地点特定番号」と呼ばれる22桁の数字と、石川電力の「お客様番号」が必要となるので確認してください。


 石川電力では2022年8月31日をもって石川電力からの電力供給を終了6月30日までに他社への切り替えを行うよう促しています。


手続きすれば停電の心配は無い


 期限までに他社に切り替える手続きをすれば、停電することなく電気の使用を継続出来ます。私自身、契約していた熊本電力が2022年3月をもって供給を停止するというトラブルに巻き込まれましたが、停電すること無く電気の使用を継続することが出来ています。安心してください。


 何もせずに放置しておくと停電しますが、しっかりと速やかに手続きをすれば停電する心配は無いので安心してください。


確実に確認しておくべき点(必読)


 この記事の他の内容は全て読み飛ばして構わないので、これだけは覚えた上でこの記事を閉じてください。


 2022年現在、ほとんどの新電力が厳しい経営を強いられており、様々な形で「値上げ」をするところが増えつつあります。


 利用者にしっかりと告知した上で料金単価を引き上げるのであればまだ「仕方ない」と言えますが、中には利用者に分かりづらい形で実質的にかなり大幅な値上げをするところも出てきています。


 「卸電力取引所」の「取引価格」を電気料金に反映する仕組みを取り入れている、あるいは今後取り入れる新電力にはくれぐれも注意してください。卸電力取引所の取引価格を反映する料金体系だと、電気代が大手電力の2倍以上になる恐れがあります。


高騰した2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

 まだこのような料金プランは少数ですが、少しずつ増えてきているので注意してください。当サイトではこのような料金体系のプランについて「料金高騰リスクあり」「料金変動リスクがある」と表記しています。契約後の約款の変更にも注意が必要です。


切り替え先としておすすめの電力会社は


期限まで時間が無い場合は大手電力


 新電力への切り替えは時間が掛かる場合があります。タイムリミットまで1ヶ月を切ってしまった場合は、北陸電力の「従量電灯B・C」に切り替えることをおすすめします。


 ネットでは短い期限での申込みを受付けていない場合もあるので、その場合は電話で手続きをしてください。




他社との料金比較


 主な新電力の料金を比較します(大手電力標準メニューとの世帯人数ごとの平均使用量での年間料金比較) 現時点で卸電力取引所の取引価格を反映しない料金プランのみを掲載しています。


 北陸電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
石川電力
おうち電気B
30A以上で契約可 -6.6%
-6285円
-8.0%
-8705円
-8.0%
-10046円
ENEOSでんき
北陸Bプラン
公式サイト
-2.1%
-946円
-3.6%
-3417円
-4.0%
-4396円
-4.3%
-5441円
ドコモでんき
Basic
公式サイト
-2.7%
-1215円
-2.7%
-2589円
-2.7%
-2998円
-2.7%
-3431円
出光興産
Sプラン
公式サイト
-0.9%
-398円
-2.1%
-2011円
-2.3%
-2547円
-2.5%
-3121円

 現在新規で申し込める新電力の中で、石川電力と同水準の料金プランを探すのは非常に難しい状況です。伊藤忠系のエネクスライフサービスが同単価で引き継いでくれるとのことなので、エネクスライフサービスに移行するのがお得だと思います。




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