カブアンドでんきの口コミ・評判

広告

カブアンドでんきの概要


運営会社 カブアンドピース 電力供給 関東:CDエナジー
ほか:大阪ガス
供給エリア 沖縄・離島除く全国 契約条件 特に無し

カブアンドでんきの特徴


 ZOZO創業者で実業家の前澤友作氏のカブ&ピース社が2024年11月に提供を開始した新しい電力サービスです。新株式発行届出目論見書によると、同社の株主構成は2024年9月時点では前澤友作氏が70%、残り30%も同氏の関連会社となっています。


 そんなカブアンドにはこれまでの電力サービスには無かったメリットと、そしてデメリットや注意すべき点があります。電気料金の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が、そんなカブアンドでんきを分かりやすく解説します。




料金プランとサービスの解説


乗り換えでいくらお得になる?


 乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのか。
 総務省統計から算出した世帯人数別の平均的な電気使用量をもとに、各地域の大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較します(2024年12月分燃料費調整額を含んだ試算)


シュミレーション条件
お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
一般家庭向け
-26円 -460円 -718円 -994円
東北電力エリア
一般家庭向け
-26円 -345円 -603円 -879円
東京電力エリア
一般家庭向け
-26円 -345円 -603円 -879円
中部電力エリア
一般家庭向け
-26円 -345円 -603円 -879円
北陸電力エリア
一般家庭向け
-26円 -345円 -603円 -879円
関西電力エリア
一般家庭向け
+3627円 +7131円 +7796円 +8508円
中国電力エリア
一般家庭向け
-24円 -343円 -601円 -877円
四国電力エリア
一般家庭向け
-25円 -344円 -602円 -878円
九州電力エリア
一般家庭向け
+810円 +1366円 +1320円 +1270円

 いずれも付与される未公開株の価値は試算に含めていません。価値の算定が困難であるため試算から除外し、電気代のみを計算しています。


 関西・九州以外のエリアでは大手電力よりも「やや割安」に設定されており、電気代がわずかに安くなります。一方で関西・九州では大手電力よりも電気代が高くなります。燃料費調整額の上限が無いことで、燃料費調整額が関電・九電よりも高くなっていることが原因です。


 電気代高騰リスクがある市場連動型プランには該当しません。


解約時の違約金は?


 解約違約金などはありません。


支払い方法は?


 クレジットカードと口座振替に対応しています。


環境・エコ


 カブアンドでんきは関東ではCDエナジー(中部電力と大阪ガスの子会社)が、関東以外のエリアでは大阪ガスが電気を供給します。各社のCO2排出量を示す排出係数は以下のとおりです。


CO2排出量(1kWhあたり)
CDエナジー 319g
大阪ガス 421g

カブアンドでんきのメリット


利用に応じて未公開株が付与される


株価チャート


 カブアンドのサービスは、利用に応じてカブ&ピース社の未公開株と交換できる「株引換券」が付与されます。株引換券は同社の未公開株(種類株式)と交換が可能とされています。


条件 付与率
通常会員 1%
プラス会員(月額500円) 2%

 未公開株とは、東証などの証券取引所に上場していない企業の株式です。未公開株は公開株と同様に、その企業の価値が向上することで株式の価値が向上します。近年はプライベート・エクイティといって、富裕層の間でも投資先として一部で注目を集めています。


 付与された未公開株が「値上がり」することで、付与された価値以上の経済的メリットを得られる可能性がある点が、カブアンドでんきの最大のメリットと言えるでしょう。


 電気料金に応じてポイント付与を行う新電力会社・大手電力が多いですが、未公開株の付与を謳った電力会社は2014年からこのサイトを運営し、450社以上の電力会社をチェックし、日経トレンディや産経新聞などメディア取材を受けてきた私も初見です。


 類似のサービスとしては暗号通貨取引所のコインチェックが運営するコインチェックでんきがあります。コインチェックでんきは電気料金の額や契約容量に応じて、毎月1〜7%分のビットコインが付与されます。付与されたビットコインが例えば2倍に値上がりすることがあれば、元々の付与率が3%だとすれば6%分の経済的メリットを得られたことになります。


電気代は大手電力と同額水準(関西・九州は除く)


 カブアンドでんきの電気代は、東京電力や北海道電力など大手電力各社の標準メニュー(従量電灯)とほぼ同額水準に設定されています。大手電力から切り替えた場合、電気代は「若干」安くなります(ただし関西・九州は除く 詳細は後述)


市場連動型プランではない


電力取引価格


 カブアンドでんきは市場連動型プランではありません。


 市場連動型プランとは、電気代が「電力取引価格」に連動して変動する料金メニューです。昨今、提供する新電力が増えていますが、市場連動型プランは電気代が高騰するリスクがあるため危険です。過去には通常の料金プランの数倍に跳ね上がったこともあり、当サイトでは原則として推奨していません。




カブアンドでんきのデメリット


未公開株には値下がりリスクがある


 未公開株は値上がり期待がある一方、通常の公開株式と同等かそれ以上に値下がりリスクがあります。未公開株の株式価値が下落することで、期待していたリターンを得られなくなる可能性があります。電気料金が割安な電力会社を利用する場合と比較して「確実性」という部分で劣ります。毎月がんばって株式を獲得しても、会社が倒産することで「紙切れ」になる可能性があります。


 加えて、付与された未公開株はカブ&ピースが上場するまで売却は原則できません。


関西・九州では電気代が割高


 関西電力・九州電力管内では2024年冬現在、カブアンドでんきの電気代は関西電力・九州電力の標準メニュー(従量電灯)よりも高くなります。


 料金単価自体は同額水準に設定されていますが、燃料価格の変動を電気代に転嫁する燃料費調整額が大手電力と異なるためです。関西・九州ではカブアンドでんきの燃料費調整額が高くなっています。料金比較をする際に注意してください。


 2024年冬現在の燃料費調整額の水準で評価すると、九州では未公開株が数倍に、関西では5倍以上に値上がりすれば「トントン」になるイメージです。


 なお、これはカブアンドでんきに限った話ではなく他のほとんどの新電力会社も同様です。関西・九州にお住まいの方は基本的に大手電力を利用することをおすすめします。


オール電化住宅では電気代がかなり割高


エコキュート


 カブアンドでんきはオール電化プランを提供していません。仮にオール電化住宅でカブアンドでんきを契約した場合、大手電力のオール電化プランと比較して電気代が「かなり」高くなる恐れがあります。


 一般的なオール電化プランは、深夜の料金単価を大幅に割安に設定しています。オール電化住宅は深夜に大量の電気を使い給湯するため、深夜帯の割安な料金設定が重要です。例えばオール電化住宅の標準的な世帯でオール電化プランと非オール電化プランを同じように利用した場合、料金は以下のようになります(10kVA契約・480kWh使用、同額の再エネ賦課金は含まない、2024年11月分燃料費調整額含む)


条件 電気代(月)
東京電力エナジーパートナー
スマートライフL(オール電化プラン)
15898円
東京電力エナジーパートナー
従量電灯C(通常プラン)
17572円
カブアンドでんき
KABU&でんき 6kVA 以上
17477円

 東京電力のオール電化プランとカブアンドでんきの差額は月1579円です(使用条件により前後します) 毎月174円分の未公開株が付与されるとした場合、株価が9倍以上に値上がりすればカブアンドでんきの方がおトクになる計算です。


 基本的にカブアンドでんきはオール電化住宅には推奨しません。オール電化住宅での利用に関する更に詳しい解説は以下の記事で。


 オール電化プランで割安な料金プランは以下の記事で解説しています。


株価の大幅上昇が無ければ他新電力より「割高」


 カブアンドでんきは電気代が割安な新電力と比較した場合、株価の大幅な上昇が無ければ「割高」です。東京電力エリアで30A契約、300kWhを使う一般家庭を例に概算します(2024年11月分燃料費調整)


電力会社 電気代
東京電力エナジーパートナー
従量電灯B
9212円
TERASELでんき
超TERASEL東京B
8774円
カブアンドでんき 9207円

 当サイトで掲載している中で「最安水準」の新電力と比較した場合、カブアンドでんきは月433円高いです。毎月92円分の未公開株が付与されたとした場合、株価が5倍に値上がりすれば「最安水準」の新電力よりもカブアンドでんきの方が「おトク」になります。


 逆を言えば株価が5倍に値上がりしなければ、カブアンドでんきの方が「ソン」ということです。


 割安な新電力は当サイトの電気料金一括シミュレーションで確認できます。カブアンドの電気代とも比較できます。


こんな「裏ワザ」も


 カブアンドに興味がある方は株式投資にも関心があると思うので、最後に「裏ワザ」を紹介します。一般家庭の電気代は年間で平均1世帯10万円と言われています。この10万円分を「捻出」する方法です。


 電力会社の株を約250万円分(2024年12月7日現在)購入すると、配当金が年間約10万円得られます。電力会社の株を買うことで電気代が実質チャラというと語弊がありますが、相当額を捻出することができます。


 具体的な社名を挙げるのは控えますが、記事執筆時点で配当利回りが高い3社が4.06%、3.81%、3.47%となっているので、この3社に分散して投資するのがおすすめです。1社集中だとどうしても発電所の故障や災害などで株価が急落することもあるため、分散させましょう。


 ただし、2025年は原油価格が24年と比較して下落することが予想されます。実際に原油価格が下落した場合、電力会社は売上・利益とも一時的に減少します(燃料費調整制度があるため) 既に24年末から電力株は軟調ですが、25年上半期も引き続き低迷が続くと私は予想しています。投資は自己責任でお願いします。




関連記事


・2社比較
カブアンドでんきとauでんきの比較
カブアンドでんきと東京ガスの比較
カブアンドでんきとCDエナジーの比較
カブアンドでんきとソフトバンクでんきの比較
カブアンドでんきとドコモでんきの比較
カブアンドでんきとENEOSでんきの比較
カブアンドでんきとオクトパスエナジーの比較
カブアンドでんきとTERASELでんきの比較
カブアンドでんきと楽天でんきの比較
カブアンドでんきとLooopでんきの比較
カブアンドでんきと東京電力の比較


地域別 電気料金比較表

電気料金比較シュミレーション

電力自由化Q&A

項目別おすすめ

人気の電力会社