カブアンドでんきはオール電化だと損になるリスクが。利用はできる

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カブアンドでんきはオール電化だと「リスク大」


 未公開株がもらえるカブアンドでんき。一般住宅では概ねリスクの無いサービス設計となっていますが、オール電化住宅ではリスクが大きいです。オール電化住宅でカブアンドでんきを利用する際の注意点を、数字を示しながら解説します。



オール電化プランを提供していないカブアンド


オール電化住宅のエコキュート

オール電化住宅のエコキュート

 まず前提として、カブアンドでんきは「オール電化プラン」の提供を行っていません。


 カブアンドでんきでは東京電力や関西電力など大手電力各社の標準メニューである「従量電灯」に準じた料金メニューのみを提供しており、オール電化プランのような時間帯により料金単価が変動するプランは提供していません。


 ちなみに、カブアンドでんきは大阪ガスが電気を供給(関東はCDエナジー)しますが、大阪ガスはガス会社であるためか「大阪ガス」ブランドでもオール電化プランの提供を行っていません。関東エリアでカブアンドでんきの電力供給を担うCDエナジーについては自社ブランドではオール電化プランを提供しています。


オール電化でも利用は出来るがリスク大


 オール電化住宅でカブアンドでんきを利用するとどうなるのか、数字を交えて解説します。


オール電化でも利用はできるもよう


 まず前提となるのがオール電化住宅でもカブアンドでんきを利用できるのか、という点です。この点に関して公式サイトのQ&Aなどには記載が見当たらず、困っている消費者も少なくないようです。


 関東エリアの約款を隅々まで確認しましたが、オール電化での利用を禁止する条項は見当たらなかったため、オール電化住宅でもカブアンドでんきを利用することは「可能」とみられます。


 各社が「オール電化プラン」として提供している料金メニューでは「夜間蓄熱式機器またはオフピーク蓄熱式電気温水器」を利用していることを契約条件として設けていることが多く、非オール電化住宅が利用できないことも珍しくありません。しかしその逆、オール電化住宅が一般住宅向けプランを利用することに対しては制限が無いことが多く、カブアンドでんきについても同様に約款上は制限は見当たりませんでした。


 なお、私は2014年からこのサイトを運営し、電力小売完全自由化が本格的に動き始めた2015年末頃から膨大な数におよぶ電力会社の約款・重要事項説明書を読み込んでいます。


オール電化で利用すると電気代が大幅高に


 ではオール電化住宅でカブアンドでんきを利用するとどうなるのか。電気料金をモデルケースを元に試算しました(10kVA契約・480kWh使用、同額の再エネ賦課金は含まない、2024年11月分燃料費調整額含む試算)


条件 電気代(月)
東京電力エナジーパートナー
スマートライフL(オール電化プラン)
15898円
東京電力エナジーパートナー
従量電灯C(通常プラン)
17572円
カブアンドでんき
KABU&でんき 6kVA 以上
17477円

 東京電力のオール電化プランと比較して、カブアンドでんきは月1579円も高い結果となりました。


 一般住宅(非オール電化)では東京電力より若干安くなるカブアンドでんきですが、オール電化住宅では大幅に電気代が割高となる恐れが大きいです。


未公開株が9倍にならないと「損」


 では利用に応じて付与される未公開株を含めて試算するとどうなるのか。概算値は以下のとおりです。


電気代の割増
東電オール電化プラン比
月1579円
付与される未公開株 月175円分(通常)
月350円分(有料会員)

 通常会員の場合で試算すると、1579/175=9.02となり、付与された未公開株が9倍に値上がりすればカブアンドでんきは東電オール電化プランを利用した場合と経済的メリットが「トントン」になる結果となりました。


 9倍に値上がりしても「トントン」になるだけで、東電オール電化プランを利用していた場合と比較して「儲かる」わけではありません。カブアンドピースの株価が9倍以上に値上がりする保証は無く、その点でリスクは大きいと言わざるを得ません。


 一般住宅(非オール電化)では東電と同額水準(若干安い)ので、その点でカブアンドでんきにリスクは「無い」と言ってもよいでしょう。しかしオール電化住宅においては「リスクが大きい」と言えます。


オール電化には割安なオール電化プランを推奨


 地域によっては大手電力のオール電化プランよりも電気代が割安なオール電化プランが存在します。細かな割引の適用状況までふまえて、地域ごとにおトクなオール電化プランを以下の記事で紹介しているので参考にしてください。




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