格安電力の概要
運営会社 | 格安電力株式会社 | 電力調達 | 不明 |
供給エリア | 沖縄・離島除く全国 | 契約条件 | 特に無し |
目次
格安電力の特徴
・社名は「格安」だが料金は格安ではない
・電話セールスの会社が親会社
「格安電力株式会社」は大阪の心斎橋に本社を置く新電力です。元々はNTTの代理店や電話によるセールスを行うコンシューマーサポート株式会社(売上高13億円:2017年)の関連会社であったとみられますが、現在はプロパンガス大手サイサン(エネワンでんき)の傘下に入っています。
社名は「格安」ですが、実際の料金水準はというと「格安」とは言い難いです。料金プランの解説に加え、問題点も詳しく指摘していきます。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
北海道電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.8% -1114円 |
-1.2% -1816円 |
-1.5% -2567円 |
東北電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.3% -341円 |
-0.5% -646円 |
-0.7% -972円 |
東京電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.5% -524円 |
-0.8% -999円 |
-1.0% -1507円 |
中部電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.3% -328円 |
-0.5% -622円 |
-0.6% -937円 |
北陸電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.4% -403円 |
-0.7% -764円 |
-0.9% -1150円 |
関西電力エリア 格安プラン |
0% 0円 |
-0.3% -328円 |
-0.5% -622円 |
-0.7% -937円 |
中国電力エリア 格安プラン |
0% 0円 |
-0.8% -852円 |
-1.3% -1616円 |
-1.8% -2433円 |
四国電力エリア 格安プラン |
0% 0円 |
-0.8% -873円 |
-1.4% -1657円 |
-1.8% -2496円 |
九州電力エリア 格安プラン |
20A契約不可 | -0.1% -98円 |
-0.3% -346円 |
-0.5% -611円 |
冒頭でも紹介したように、いずれの地域においても「格安」とは言い難い料金水準です。大手電力会社の標準的なプランと比較して割高にはならない料金体系ではありますが、新電力会社の料金としては割高と言える水準です。
なお、この料金プランには燃料費調整の上限が設定されていません。上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます(市場連動型の調整単価は一部未反映)
解約時の違約金は?
契約から1年内の解約で3850円の解約事務手数料が発生します(重要事項説明書に記載)
条件は新電力としては平均的、違約金(解約事務手数料)の額は平均的〜やや高いと言える設定です(2〜3千円としている会社が多い)
支払い方法は?
口座振替とクレジットカードに対応しています。
格安電力の評価
社名と料金水準に大きな齟齬が
冒頭から何度も紹介したように、「格安電力」という社名ではありますが、料金水準は新電力としては全く「格安」とは言えないものです。
公式サイトに「地域最安値宣言」という文言がありました(現在は削除)が、いずれの地域でも最安値からは程遠い料金水準です。
電話営業に注意
関連会社とみられるコンシューマーサポート株式会社の求人情報を見ると、電力の電話営業を行う求人募集をしていました。
「かなり電気代のカットになりますよ!」といった提案を行うとの記述がありますが、上で紹介したように大手電力会社とほぼ変わらない料金水準なので注意してください。
環境面・エコ
電源構成は公表されていませんが、環境省を通じて公表されたCO2排出係数は1kWhあたり583g(2018年度)と、新電力としてはCO2排出量がやや多いと言える水準です。
2016・17年度の値は1kWhあたり700g以上と、新電力としてはワーストクラスの成績でしたが、2020年1月に公表された最新値では大幅に改善したと言えます。