Looopでんき「再エネどんどん割」とは

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本プランは2022年をもって終了しました
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Looopでんき「再エネどんどん割」は損か得か。


 新電力大手のLooopでんきが投入して注目を集める「再エネどんどん割」プラン。このプランをLooopの通常プラン(おうちプラン)と比較しながら分かりやすく解説します。デメリットも目立つというのが正直なところです。



再エネどんどん割とは?


 まずはプランの内容を分かりやすく解説します。


20年にわたり電気代が安くなり続ける


Looopでんきの再エネどんどん割の料金推移

料金が毎年安くなっていく

 Looopでんきの「再エネどんどん割」は、契約を継続すると20年にわたり、電気代(従量料金)の単価が毎年0.5円/kWhずつ安くなっていく料金プランです。20年後には9.5円/kWh安くなります。月300kWhの電力を使う一般家庭では、20年後に月2850円も下がる計算です。


 Looopでんきの通常のプラン(おうちプラン)と同様に基本料金0円です。


なぜ安くなり続けるのか


 なぜ、電気代を毎年安くし続けることが出来るのか。その理由はプランの名前にも入っている再生可能エネルギーにあります。


 太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、導入費用が下がり続けているため発電コストが大きく低下し続けており、海外では火力発電よりも「低コスト」の電源となっている地域もあります。


再生可能エネルギー


 

 また、日本では再生可能エネルギーを「固定価格買取制度」により一定期間にわたり高値で買い取る政策が導入されていますが、既に買取期間が終了した太陽光発電も増え始めています。固定価格買取が終了した発電所は既に初期費用の回収を終えており、低コストな電源として注目されています。


 Looopはそのような、今後間違いなく増加する「安い再生可能エネルギー」に着目してこのような特異な料金プランを投入したとみられます。


料金シミュレーション(1年目)


シュミレーション条件
お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
再エネどんどん割
+2.3%
+1383円
-3.9%
-5209円
-7.2%
-11092円
-9.7%
-17099円
北海道電力エリア
おうちプラン
試算不能 試算不能 試算不能 試算不能

 大手電力会社の標準的な料金プランである「従量電灯」との料金比較です。再エネどんどん割は1年目の料金です(燃料調整額、再エネ賦課金は2020年6月のもの)


 Looopは「基本料金0円」という料金プランなので、基本料金が高い場合にお得ですが、契約容量が小さい一人暮らし世帯などではかえって割高となる場合があるので注意が必要です。


再エネどんどん割のデメリット・注意点


 再エネどんどん割の注意点やデメリットを紹介します。


スタート時点の電気代が割高


 上の料金シミュレーションでも紹介したとおり、再エネどんどん割はスタート時点、初年度の料金はLooopでんきの通常プランよりも割高です。


 北海道エリアの場合、契約から3年目までの料金単価は通常プラン(おうちプラン)と比較して割高となる可能性があります。4年目以降は「どんどん割」の方が料金単価が割安に、また1〜3年目が割高である点をふまえると6年目になって初めて通常プランよりもお得になる計算です。
※いずれも北海道電力エリア2020年6月分の燃料調整額-1.50円/kWhと再エネ賦課金2.98円/kWhを補正値として計算


年数 どんどん割
料金単価(補正値)
通常プランとの
料金単価差額
累積額
初年度 30.52円/kWh +1.02円/kWh +1.02円/kWh
2年目 30.02円/kWh +0.52円/kWh +1.54円/kWh
3年目 29.52円/kWh +0.02円/kWh +1.56円/kWh
4年目 29.02円/kWh -0.48円/kWh +1.08円/kWh
5年目 28.52円/kWh -0.98円/kWh +0.10円/kWh
6年目 28.02円/kWh -1.48円/kWh -1.38円/kWh

 追記
 昨今、新型コロナの影響で燃料価格が下落しており、「再エネどんどん割」では適用されない燃料費調整額も大きく下落しています。上の試算では燃料費調整単価を2020年6月の-1.5円で計算していますが、同10月は-4.29円まで下落しているため、再エネどんどん割初年度は3.81円/kWh高い計算となります。通常プランの単価を逆転するのは8年後ということになり、現下の情勢で「再エネどんどん割」はかなり不利です。


燃料調整額と再エネ賦課金「込み」


 料金を計算する上で注意したいのが、再エネどんどん割では「燃料調整額」と「再エネ賦課金」が加算されません。


 通常プランでは電気代とは別途、燃料調整額と再エネ賦課金が加算されます。大手電力会社や他のほとんどの新電力でも、電気代とは別途これらの費用が加算されるのが一般的です。


 再エネ賦課金は2020年度は1kWhあたり2.98円ですが、燃料調整額は2020年6月適用分(北海道エリア)が-1.50円/kWhとなっています。料金シミュレーションを行う際には注意してください。 ※当サイトの試算では2020年6月分の値で補整しています。


将来の見通しを立てるのは困難


 20年後には大幅な「値引き」が見込める反面、期待通りにいく保証はどこにもありません。


 例えば再エネ賦課金は2030年頃まで値上がりが予想されているため、それを料金単価に最初から含んでいる「再エネどんどん割」の優位性は2030年までは増していくでしょう。しかしその後は値下がりが予想されているため、再エネどんどん割が「不利」になっていくでしょう。


 また、燃料調整額は国際情勢によって大きく乱高下する場合があります。2020年時点ではコロナウイルスによる経済停滞の影響で燃料調整額が「マイナス」に振れているため、燃料調整額が加算されない再エネどんどん割が不利です。


再エネどんどん割のメリット


 メリットもあります。


解約違約金が掛からない


 おうちプランと同様に解約違約金が発生しないため、例えば他に安い新電力が登場したり、あるいは燃料調整額や再エネ賦課金の推移によって再エネどんどん割のメリットが薄れてしまった場合でも、躊躇なく「乗り換え」が可能です。


長く使えばお得になる


 最初の2〜3年は通常プランよりも割高ですが、それ以降はどんどん割安になっていくのが最大のメリットです。冒頭でも紹介したように、20年後には毎月の電気代が2850円安くなる計算です(月300kWhの場合)


結論 6年利用する自信が無ければ「おうちプラン」


 デメリットの部分でも説明したように、6年目までは「おうちプラン」と比較して割高となる恐れがあります。6年も経てば更に割安な料金プランや、斬新なサービスを提示する新電力が登場する可能性も低くないことを考えると「おうちプラン」を契約した方がお得です。


 一方、10年あるいは15年と契約を継続すれば大幅に安くなる可能性もあります。長期間利用を継続出来る見込みがあれば、「再エネどんどん割」は選択肢として検討する価値はあるかもしれません。




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