LooopでんきスマートタイムONEのメリット・デメリット

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スマートタイムONEのメリット・デメリット


 Looopでんきが2022年9月に発表、12月から既存契約者にも適用する新しい料金プラン「スマートタイムONE」のメリット・デメリット、注意すべきポイントをまとめます。



LooopでんきスマートタイムONEとは


 このプランの特徴をまとめます。


市場連動型料金プラン


 スマートタイムONEは市場連動型の料金プランです。


 通常の電気料金プランでは予め決まった単価の基本料金と電力量料金と、毎月変動する燃料費調整によって構成されます。一方、市場連動型プランでは予め決まった単価が無く、卸電力取引所での電力取引価格に応じて電気料金の単価が変動します。


 Looopでんきは既に2022年10月分料金から燃料費調整の計算方法を市場連動型へ移行させていましたが、スマートタイムONEでは料金が丸ごと市場連動型になります。決まった料金単価というものが無くなります。


既存契約者は自動移行


 現在Looopでんきを契約しているユーザーの多くが、2022年12月以降にスマートタイムONEへ自動で移行します。おうちプラン、ビジネスプランや動力プラン、オール電化プラン(スマートタイム)、再エネどんどん割など幅広いプランが対象です。


 再エネどんどん割は長期契約が前提の料金設定であったため、今回このような形で提供を打ち切るというのは問題があるのではないかと思います。


スマートタイムONEのメリット


 スマートタイムONEのメリットを整理します。


一部契約者は割安に使える可能性


 スマートタイムONEは、一部の契約者は大手電力従量電灯プランよりも電気代が安く抑えられる可能性がある料金プランです。安くなる可能性がある条件は以下のとおり。



 スマートタイムONEは基本料金0円なので、基本料金が高い(契約容量が大きい)契約でメリットが出やすいです。使用頻度が少ない別荘のように、電気料金に占める基本料金の比重が大きくなりがちな使用ケースでは大手電力従量電灯より安くなる可能性があります。


 また、九州エリアでは電力取引価格が他の地域と比べて低く推移しています。九州エリアで、契約容量が大きいファミリー世帯では九州電力従量電灯よりも安く使える可能性があります。


スマートタイムONEのデメリット・注意点


 デメリットを指摘します。


2022年の情勢では電気代が割高になりやすい


 2021年秋ごろから電力取引価格の高騰が続いています。


単位:円/kWh 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
2022年 23.95円 23.36円 30.76円 21.65円 19.50円 25.27円 30.25円 31.35円
2021年 66.53円 8.29円 6.70円 7.05円 6.98円 7.02円 7.98円 9.06円
2020年 8.17円 7.59円 7.48円 6.85円 5.75円 5.57円 4.83円 7.53円

 上表は東京電力エリアの電力取引価格の月間平均値です(税抜き) 通常は8円前後という取引価格ですが、2022年は3倍前後の価格で高止まりしていることが分かります。なお、2021年1月にも約1ヶ月にわたり電力取引価格の暴騰が起こりました(LNG不足による電力不足のため)


 例えば2022年5月の19.50円で計算すると、スマートタイムONEの料金単価は概算で38.15円になります(固定従量料金単価を含む) 30A契約・月300kWhで試算すると電気料金は以下のようなイメージになります。


Looopでんき
スマートタイムONE
東京電力EP
従量料金B
2022年5月分 11445円 8832円
2022年8月分 15699円 9540円
2021年1月分
※参考
28116円 6555円

 ただし、上記の試算は電力取引価格の「月間平均」をもとに試算していますが、実際のスマートタイムONEでは料金単価が30分単位で変動します。電力取引価格は電力の需要が多い時間帯に高くなる傾向があるため、「ふつうの」暮らしをして「ふつうに」電気を使用している住宅では加重平均が単純平均よりも高くなる可能性があり、その場合は上記の試算より電気代が更に割高になります。


事前に料金の想定ができない→急騰リスクも


 電力取引価格は災害による発電所の停止、急な寒波など様々な要因で高騰することがあります。例えば2021年1月は新型コロナの感染拡大により、LNG(液化天然ガス)の輸入が滞り燃料不足が起きたことで1ヶ月にわたり電力需給がひっ迫し、取引価格が高騰しました。


 電力取引価格は主に燃料価格の高騰と、電力需給のひっ迫により高騰します。足元では燃料高が続いていますし、また2022年冬シーズンには全国的に深刻な電力不足の発生が懸念されており、2022年12月以降に更に異常な電力取引価格高騰が起こる可能性は低くないと言えます(ロシアからのLNG輸入が途絶えるリスクも考えられる) だからこそ、Looopはこのタイミングで市場連動型プランへの移行に踏み切るのではないでしょうか。


市場連動型プランはリスクが大きい


 異常な電力取引価格の高騰が発生した場合、LooopでんきスマートタイムONEのような市場連動型プランの電気代が高騰します。2021年1月ケースでは市場連動型プランが軒並み、大手電力従量電灯の2倍を超える電気料金となり大きな混乱が発生しました。


 市場連動型プランはLooopでんきに限らずリスクが大きいため、当サイトでは推奨していません。少なくとも2022年現在において契約すべき料金プランとは言えません。


切り替え先は燃料費調整に上限があるプランを。


 Looopでんきから他の電力会社に切り替える場合、必ず燃料費調整に上限設定がある料金プランを選んでください。


 2022年下半期現在、燃料価格の高騰が続いています。燃料費調整に上限が設けられていない料金プランは、上限がある大手電力の従量電灯と比べてほとんどが割高になっている状況です。地域によっては月に数千円前後割高になっている場合もあります。


 ほとんどの新電力、そして大手電力の新しい料金プランには燃料費調整の上限が無いので注意してください。


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