エルピオでんきの概要
運営会社 | エルピオ(LPガス) | 電力調達 | 卸電力取引所など |
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供給エリア | 関東・中部・関西 | 契約条件 | 地域によっては 30A以上 |
目次
特徴
・運営会社は千葉県市川市のLPガス屋
・2022年にサービス終了
・2023年5月に「再開」 以前より割高に
千葉県市川市に本社を置く、エルピオの電気です。エルピオは1965年に設立され、千葉や茨城、栃木などでプロパンガス事業を展開する会社です。新電力の運営母体としては中規模の会社です。
電気代が安い新電力会社として電気料金比較サイトなどで人気を集め、10万件以上の契約を抱えていましたが2022年春にエネルギー価格高騰を受けて突如、サービスを終了。自社供給での電力販売からは完全に「撤退」しましたが2023年4月に突如サービスの再開を発表、5月から申込み受付けを開始しました。
再開後の料金プランやサービス内容について、電力自由化の専門家として多数のメディア取材を受けてきた私が詳しく解説します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのか。
総務省統計から算出した世帯人数別の平均的な電気使用量をもとに、各地域の大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較します(2024年9月分燃料費調整額を含んだ試算)
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東京電力エリア 使った分だけSプラン |
20A契約不可 | +6124円 | +1657円 | -2873円 |
東京電力エリア ここまで定額S |
20A契約不可 | +2858円 | -3575円 | -5372円 |
中部電力エリア 中部フリープランS |
20A契約不可 | +59191円 | +62154円 | +65573円 |
関西エリアについては電気料金一括シミュレーションに掲載しています。関電より大幅に割高です。
以前は「最安水準」の新電力として人気を集めていましたが、一般家庭の平均的な使用条件で東京電力や中部電力といった大手電力の標準メニューと比べて割高になる料金プランもあり、以前とは状況が全く異なります。
注意点としては、スタンダードプランなどでは料金メニューに記載された料金単価以外に、需給管理費という名目で別途5.5円/kWhが加算される料金プランがある点です。料金を試算する際にこの項目も含めて計算することを忘れないでください。当サイトの試算にはしっかり含めて試算しています。
このほか、市場連動型プランも提供しています。市場連動型プランは電力取引価格によって電気代が高額になるおそれがあるため、一切推奨しません。
エルピオ都市ガスは現在もおすすめできる内容、地域によっては「最安水準」のガス料金ですが、再開したエルピオでんきについてはおすすめできる内容にはない、という評価になります。
支払い方法は?
クレジットカード払いに対応しています。
解約時の違約金は?
かかりません。
エルピオでんきの評価
顧客対応は?
2016年春に電話で問い合わせた時には、すぐに繋がりました。少々不慣れな感じがある対応でしたが、適切な回答が得られました。また、2019年5月の平日夜にメールで問い合わせをしたところ、翌々日の15時に返信がありました。対応はやや遅いと感じます。2021年夏に電話で問い合わせた際はすぐに繋がりましたが、対応にやや不安がありましたが、依頼にはちゃんと対処してくれました。
欠点を挙げるとすれば、問い合わせの電話が平日のみの対応である点です。大手の新電力では土日祝日も対応しているところが多いです。また、固定電話からはフリーダイヤルで通話できますが、携帯電話からは通話料が有料です。
環境・エコは?
環境省が2022年1月に公表したデータによると、エルピオでんきのCO2排出量は1kWhあたり433g(2020年度実績)と、全国の大手電力・新電力各社と比較して排出量が平均的〜やや少ないと言える水準でした。過去には排出量が多いと言わざるを得ない値を残したこともありますが、最新の成績は悪くない内容です。
電源構成は火力40%、常時バックアップ電源(東電などからの調達)40%、その他が20%と公表しています。
「見える化」のグラフが使いやすい
他の多くの新電力と同様に、エルピオでんきもウェブで自宅の電気使用量を確認できる「見える化」を提供しています。
他社では1日1回まとめてデータが反映されるところが多いですが、エルピオでんきは「数時間遅れ」でデータが順次更新されていくので、利便性が高いと感じました。
2022年春にサービス終了
2022年春に突如サービス終了となりました。
3月18日をもって新規申込み受付けを「一時停止」することを発表、その後3月25日付けで「4月30日」をもって全地域・全プランでサービス終了することを発表し、混乱が広がりました。
その後もENEOSでんきの販売代理店として細々と活動していましたが、電力販売統計上の2022年末時点でのエルピオ社の電力販売量は「ゼロ」と、自社供給での電力販売からは完全に撤退しましたが、2023年に突如「再開」しました。
以前のエルピオでんきは新電力の中でも最安水準の料金プランで人気を集めていましたが、2023年の再開後の料金は大手電力標準メニューと比較しても大幅に割高であり、かつてのような格安な料金ではないどころか大幅に割高なので一切推奨できません。