エルピオでんきが供給終了へ。電気代が安い乗り換え先の一覧

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エルピオでんきからの乗り換え先は?


 「サービス停止」を突如発表したエルピオでんき。契約者はこれからどうすればいいのか、乗り換え先としておすすめの電力会社を地域ごとに紹介します。



2022年4月30日で供給終了となるエルピオでんき


 まずはサービス停止のいきさつを解説します。


なぜ供給を終了するのか


 2021年下半期から国内の電力取引価格が高騰していました。新型コロナ禍からの急激な経済回復や、エネルギー産出国での生産トラブル・輸出規制によりエネルギー価格が高騰したことが原因です。2021年12月頃から、徐々に新規契約を「一時停止」する新電力や業務用電力の供給を縮小する新電力が増えている状況でした。


 それに加え、2022年2月にはロシアによるウクライナ侵攻によりエネルギー価格が暴騰。電力の取引価格も一段と高まり新電力の経営を圧迫しています。


契約者が取るべき行動は?


 現時点でエルピオでんきを契約している人は、速やかに他の電力会社に契約を切り替える必要があります。エルピオの話では4月30日をもってエルピオからの供給が停止するとされています(→5月末に延長へ)


 送配電事業者(東京電力パワーグリッド、中部電力送配電など)から「送電停止」の通知を受けるまでは停電せず引き続き電気の使用を継続出来ますが、送電停止日をもって直ちに停電する可能性も「ありうる」ため、送配電事業者から送電停止日について通知を受けた場合は、必ずそのタイムリミットまでに他社への切り替え手続きを完了させる必要があります。


 現時点(この記事の最終更新時点)において、既に期限まで日数がわずかしか残されていない場合もあります。その場合は東京電力や関西電力など大手電力の「従量電灯」への切り替え手続きを取ってください。他の新電力への切り替えでは期限に間に合わない危険があります。


乗り換え先を選ぶ際に知っておくべきこと


 現在の国内における電力の取引価格は、ほとんどの新電力が赤字になる水準です。また、来冬(2022年12月〜)にも電力不足が既に懸念されており、異常な価格高騰が起こるリスクが想定されます。


 「体力勝負」という状況なので、エルピオから乗り換えた先でも再び同じような事態が起こる危険性は小さくないことを念頭にいれて乗り換え先を選んでください。


 また、一定期間後にもらえるキャッシュバックを含めて乗り換え先を検討している人も多いようですが、契約した先がエルピオと同じように撤退、あるいは倒産してしまった場合キャッシュバックはもらえないのでその点もリスクとして想定しておくべきです。「電気代は大手電力よりも高いが、キャッシュバックがあるから」という理由で契約先を選ぶ人もいるようですが、今は絶対にそのような選び方をするべきではありません。


 新規契約受付けを停止する新電力も増加を続けている状況です(新規契約を停止している新電力の一覧:加速する新電力の撤退・縮小の動き-2022年3月27日)


エルピオでんきからの乗り換えにおすすめの新電力


 エルピオでんきからの切り替えにおすすめの新電力を紹介します。5月1日時点で新規契約可能な新電力の中で、エルピオと同等の料金水準のプランと、大手電力比較サイトが乗り換え先として推奨している新電力の料金を地域ごとに比較します。


 なお、当サイトの試算にはキャッシュバックは含めていません。


 現時点では切り替えのタイムリミットまで時間が無いため、新電力への切り替えは絶対に推奨しません。大手電力の従量電灯プランへの切り替えを直ちに行ってください。電話などで速やかに手続きしてください。


東北電力エリア


 東北電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
エルピオでんき
スタンダードS
調整中 調整中 調整中 調整中
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5009円
-4.5%
-5876円
-4.5%
-6791円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -1320円 -2880円 -4200円

東京電力エリア


 東京電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
エルピオでんき
スタンダードS
20A契約不可 +6124円 +1657円 -2873円
下町でんき
下町電灯B
20A契約不可 -5.0%
-5682円
-5.0%
-6638円
-5.0%
-7648円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2520円 -4320円 -7440円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5169円
-4.5%
-6043円
-4.5%
-6965円

中部電力エリア


 中部電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
エルピオでんき
スタンダードS
20A契約不可 +59191円 +62154円 +65573円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -4.5%
-5095円
-4.5%
-5918円
-4.5%
-6789円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -1440円 -1920円 -2160円

北陸電力エリア


 北陸電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
エルピオでんき
使った分だけS
調整中 調整中 調整中 調整中
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -2.7%
-2586円
-4.5%
-4993円
-4.5%
-5713円
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2280円 -2760円 -5400円

関西電力エリア


 関西電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
エルピオでんき
使った分だけS
調整中 調整中 調整中 調整中
コスモでんき
スタンダード
0円 -2640円 -5160円 -6120円
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-410円
-2.7%
-2775円
-4.5%
-5298円
-4.5%
-6018円

中国電力エリア


 中国電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
エルピオでんき
使った分だけS
調整中 調整中 調整中 調整中
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-424円
-4.5%
-4841円
-4.5%
-5534円
-4.5%
-6276円
コスモでんき
スタンダード
0%
0円
-2760円 -5040円 -5760円

四国電力エリア


 四国電力の標準メニュー(従量電灯A)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
月170kWh
2人
月348kWh
3人
月391kWh
4人
月437kWh
エルピオでんき
使った分だけS
調整中 調整中 調整中 調整中
コスモでんき
ポイントプラス
-0.9%
-434円
-4.5%
-4884円
-4.5%
-5599円
-4.5%
-6364円
コスモでんき
スタンダード
0%
0円
-2520円 -5040円 -5880円

九州電力エリア


 九州電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
コスモでんき
スタンダード
20A契約不可 -2520円 -4320円 -6840円
コスモでんき
ポイントプラス
20A契約不可 -2.7%
-2745円
-4.5%
-5348円
-4.5%
-6164円

新規受付停止中の新電力


 2022年4月8日現在、新規受付を停止している新電力が相次いでいます。エルピオからの乗り換え先を探す際の参考となると思うので一覧でまとめます(いずれも再開は未定)



 例えば「そらエネでんき」は多くの地域でエルピオよりも安い料金設定ですが、2022年3月現在申込みが出来ないため候補から外さざるを得ないです。


 あしたでんき、シン・エナジーはエルピオでんきと同等の料金設定なので乗り換え先としては適していますが、残念ながら申込みを打ち切っています(あしたでんきは3月25日で一時停止に)


 「新規受付停止」の流れは今後も続きます。まだ公表出来ませんが他にも新規受付を一時停止するとの連絡を受けている新電力もあります。目当ての新電力を見つけたらすぐに申し込んでください。


ONEでんきは推奨しない(4月1日追記)


 大手電力比較サイトなどでもエルピオからの乗り換え先として推奨されていたONEでんき(グランデータ社)ですが、3月31日に約款が改定されました。


 改定後の料金プランは、卸電力取引所の取引価格の変動を電気代に反映する仕組みを採用しています。卸電力取引所の取引価格は直近でも高騰していますし、2022年冬にも高騰が懸念されている(電力需給逼迫の見通しが既に出ている)ことから、今から契約するのは明らかにリスキーです。取引価格高騰が起きたタイミングで、支払う電気代が数千円あるいはそれ以上高くなる恐れがあります。


 当サイトではグランデータの約款改定前から、この動きを見越して解説記事内で注意喚起をしていました。3月末時点では「契約しても問題は無い」としていましたが、懸念されていた形で約款が改定されてしまったため、今後は契約を推奨できません。


もうゴタゴタに巻き込まれたくない貴方に


 契約していた電力会社が供給を打ち切る、というのは利用者にとっては大きな不安の種です。私もつい最近、利用していた熊本電力の契約が終了しストレスを感じました(「供給停止」の数日前に通知を受けた)


 上で紹介した電力会社の中にも、今後事業を継続できなくなる会社が出てくる可能性は低くありません。再びこのような事態に巻き込まれたくない場合は、自社グループで大規模な火力発電所を保有している都市ガス会社の電力がおすすめです。これらの会社は経営母体が大きく体力がある上、電力取引価格高騰の影響を受けづらいです。エルピオでんきと比べると電気代は高いものの、大手電力の標準メニューよりは安い料金設定です。


 具体的には以下の新電力が該当します。


サービス名 対応地域 公式サイト
東京ガス 関東 公式サイト
大阪ガス 関西 公式サイト
CDエナジー
中部電力・大阪ガスの子会社
関東 公式サイト

 通信系の新電力は会社の規模は大きいものの、自社火力発電所がありません。


エルピオが推奨するエネワンでんきとは


 エルピオは事業撤退を表明した翌日の3月26日よりエネワンでんき(サイサン)への切り替えを促しています。


 エネワンでんきは埼玉に本社を置くサイサンの新電力サービスです。サイサンはプロパンガスの中堅企業で、エルピオとは同業者にあたります。売上高は873億円と非上場ながらも規模が大きな会社です。


 エネワンでんきの料金については上でも紹介したとおり、多くの地域・条件でエルピオよりも割高、新電力としては「平均的」な水準です。中部電力エリア・2人世帯の平均使用量ではエルピオよりも安く、新電力の中でも最安水準と言えますがそれ以外の地域では最安水準ではありません。


 注意点としては1年未満の解約で3300円の解約金が発生する点です。エルピオにはこのような解約違約金はありませんでした。


エルピオのお客様番号・供給地点番号が分からない場合


 エルピオでんきのサーバーが3月26日14時現在、繋がりづらい状態となっています。他の電力会社に切り替えるにあたって必要な「お客様番号」「供給地点番号」の確認が難しい状況です。


 以下の記事に、エルピオのマイページ以外からエルピオのお客様番号・供給地点特定番号を確認する方法をまとめたのでお困りの方はこちらを参照してください。


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