再エネ系新電力として注目されている「みんな電力」
再エネ系新電力として注目を集める「みんな電力」 大手企業と続々と提携して独自色の強い取り組みを打ち出している異色の新電力です。同社の料金プランやサービスを、注意点を交えながら解説します。
目次
みんな電力とはどんな会社なのか
大石英司氏が凸版印刷などでの勤務を経て2011年に設立した新電力会社です。TBSやSBIホールディス、丸井や電通などから出資を受けています。
「顔の見える電力」という独自色の強いサービスや、大企業と提携した取り組みを次々と打ち出しており、小規模ながらも注目を集める新電力会社です。
料金プランとサービスの解説
料金プランとサービス内容を解説します。
料金プランの解説
料金比較は当サイトの電気料金一括比較シミュレーションで。プレミアム100プラン、アーティスト電力プランの電気料金を他社と比較できます。毎月変動する「みんなワリ」も含めた料金比較ができます(2024年10月分単価を反映済み)
主な料金プランと特徴は以下のとおり。
プラン名 | 特徴 |
---|---|
プレミアム100 | 再エネ100%の電気を供給 |
アーティスト電力 | 再エネ100%かつ アーティスト支援 |
例えばプレミアム100の場合、2024年6月分の燃料費調整単価(みんな電力は「みんなワリ」)を含めた試算では東北から九州までの全エリアで大手電力各社標準メニューよりも電気代が高いです(2人世帯標準使用条件:30A契約・348kWhの場合)
注意すべき点としては、電力取引価格に応じて変動する「みんなワリ」という制度を採用しており、市場連動型プランに該当する点です。市場連動型プランは電力取引価格が下がれば電気代が安くなる一方、電力取引価格が高くなると電気代もウンと高くなる場合があります。注意点は記事後半で詳しく解説します。
解約違約金は?
「プレミアム100」などでは初期費用や解約違約金の設定はありません。
支払い方法は?
クレジットカード払いのみ対応しています(公式サイトの一部には口座振替にも対応しているとの記述がありますが、同社から指摘を受け訂正します)
みんな電力の評価
顧客対応は?
2020年6月にメールで問い合わせたところ、昼休み時間帯にこちらから送信した質問に対して、当日夕方には的確な内容の返事がありました。また、2016年5月にメールで問い合わせた際にも、返信が2時間後に届きました。
新電力のメール対応としては速さは優秀、質も問題無しと評価します。メール対応の速さに関しては特筆すべきものがあります。
市場連動型プランに該当 電気代高騰リスクも
みんな電力は電気代が電力取引価格に連動する「市場連動型プラン」に該当します。毎月変動する「みんなワリ」の部分が市場連動となっています。
電力取引価格は、電力需給の逼迫や燃料価格高騰などの理由から暴騰することがあります。例えば2021年1月に全国で発電用の燃料が不足し電力が足りなくなったことで過去最高に暴騰、また2022年下半期から23年春にかけても燃料価格の高騰により高値圏で推移しました。
一般的な電気料金メニューでは、電力取引価格が電気代に直接影響することはありません。しかし市場連動型プランは影響を受けるため、電力取引価格が高騰すると電気代が高くなる場合があります。逆に電力取引価格が低く推移すれば、電気代は安くなりますが、高くなった時の影響の方が大きくなりがちです(平均的な価格水準からの下げ幅よりも、上げ幅の方が遥かに大きい)
みんな電力の市場連動は他社の市場連動型プランと比較すると、リスクが小さいです。以下、他社の市場連動型プランとの違いを比較します。
他社市場連動 | みんな電力 | |
---|---|---|
計算期間 | 1〜3ヶ月 | 6ヶ月 |
計算対象 | 100%市場調達 として計算 |
市場調達は 約50%程度 |
他社では1〜3ヶ月の期間の電力取引価格(日本卸電力取引所の取引価格平均値)で料金を計算するものが多いですが、それに対しみんな電力は調達コストの6ヶ月平均をもとに計算します。期間が長いことで、変動が緩やかになります。また、他社では電力取引所の取引価格をそのまま100%で計算するものが多いですが、みんな電力ではリスクヘッジをした固定価格での調達を約50%含めたコストを元に料金を計算します。
他社市場連動型プランと比較してリスクが低いとはいえ、電力取引価格高騰時に電気料金が高騰しないわけではなく、その点でリスクがあるのも事実です。
環境・エコ
プレミアム100、アーティスト電力プランなどは再生可能エネルギーと、非化石証書(再エネ指定)を利用することで再生可能エネルギー100%・CO2排出量ゼロの電気を供給します。
他社の電気では制度上「実質」再生可能エネルギーとして扱われる電力を供給する再エネプランが多いですが、みんな電力のプレミアム100では「実質」という表記が必要無い再エネ電力を供給します。