日産でんきの概要
運営会社 | 日産トレーディング | 電力調達 | 大阪ガス |
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供給エリア | 東京電力管内 | 契約条件 | 特になし |
目次
日産でんきの特徴
- 日産自動車系の電気
- 実質再エネ100%の電気を供給
- 日産車オーナーでなくとも利用可能
日産自動車が大阪ガスと提携し、子会社の日産トレーディングを通じて提供しているのが日産でんきです。2024年にサービスが開始した、後発のサービスです。
実質再生可能エネルギー100%の電気を供給するなどの特色を持っています。そんな日産でんきのメリット・デメリットを、電気料金の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が解説します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのか。
総務省統計から算出した世帯人数別の平均的な電気使用量をもとに、各地域の大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較します(2025年3月分燃料費調整額を含んだ試算)
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東京電力エリア 再エネ・スイッチ B 全員割 |
-972円 | -1458円 | -1945円 | -2431円 |
特に条件無く適用される「全員割」を適用した料金シミュレーションです。電気自動車保有世帯に適用される「EV割」を含めた試算は当サイトの電気料金一括シミュレーションで確認できます。
電気料金は東京電力の標準メニューと同額水準に設定されており、全員割で基本料金部分が13%安くなることで料金メリットが生まれる料金体系です。料金水準は新電力としては「平均的」と言える水準です。
セット割引は?
セット割対象サービス | 割引額 |
電気自動車 | 基本料金13%引き |
電気自動車を保有し、車検証の写しを提出すると「EV割」が適用され基本料金が安くなります。電気自動車は日産車以外でも可、年式などは問わずなのでトヨタ車やホンダ車でもOKです。ただし車検証に記載された使用者の住所と、電気需給契約の名義が同一であることが必要です。
解約時の違約金は?
供給約款や重要事項説明書、料金メニュー表には解約違約金などの記載は見当たらなかったので解約違約金などは無いようです。
支払い方法は?
口座振替とクレジットカードに対応しています。
日産でんきの評価
申し込みはディーラー限定 WEB不可
日産でんきの申し込みはWEBから行うことが出来ません。公式サイトには申し込みフォームが無く、「日産神奈川販売にお越しください」と記載があります。
ウェブから申し込みを受け付けるシステムの提供が出来ない事情があったのか、あるいはディーラーへのビジネス面での配慮がこのような不便な状況を作り出したのかは定かではありませんが、日産の今の苦境を端的に表していると感じてしまいます。「そういうところだぞ」と思います。
横浜駅の改札前で広告を掲出しQRコードも掲載していますが、QRコードを読み込んでも申し込みが出来ないというのはユーザーの利便性を考えていない証左と言えます。
新電力としては平均的な料金水準
実質再エネ100%という付加価値がある電気を供給していますが、電気料金も東京電力の標準メニューと比較して割安に設定されており、他の新電力と比較しても「平均的」と言える料金水準を実現しています(全員割適用の場合) 実質再エネ100%で非市場連動型の料金プランの中では競争力のある料金水準です。
EV割を適用した場合、1人暮らし世帯の平均使用条件では最安水準です。EV割を適用した場合でも2人以上世帯の使用条件では「平均的」な料金水準です。
オール電化プランは無し
日産でんきはオール電化プランは提供しておらず、オール電化住宅で利用すると電気代が東京電力のオール電化プランより割高となるケースが多いです。オール電化の方には他社のオール電化プランを推奨します。
環境面・エコ
LNG火力50%、石炭火力20%等でつくられた電力に非化石証書(再エネ指定)という証明書を添付することで、実質的に再生可能エネルギー100%と扱われる電力を供給します。実質的にCO2排出量ゼロの電気が供給されます。
なお、電気は大阪ガスから調達することがサービス発表当初のプレスリリースで明らかにされています。