オール電化住宅はNURO電気に乗り換えると「損」
オール電化住宅では、NUROでんきに乗り換えることで電気代がかえって割高になります。なぜそうなるのか、その仕組を分かりやすく解説します。
目次
オール電化住宅でNUROでんきを契約したら
オール電化住宅が大手電力会社の「オール電化プラン」からNUROでんきに乗り換えると起こることを、数値を示しながら解説します。
年間1万円割高になる
東京電力エリア、60A契約で月に450kWh(昼270kWh/夜180kWh)の電力を使用する家庭を例に試算します。
社名・プラン名 | 月額料金 |
---|---|
東京電力 スマートライフ |
11882円 |
NUROでんき | 12729円 |
東京電力の現行のオール電化プランであるスマートライフと比較すると、NUROでんきの電気代はセット割引を含めても年間1万円割高になる計算です。
大手電力会社のオール電化プランからの切り替えの場合、NUROでんきは電気代がかえって割高となってしまうケースが多いです。
割高になる理由は「深夜料金」
オール電化プランからの乗り換えで、NUROでんきが「割高」となってしまう最大の原因は、オール電化プランの深夜料金の安さです。
例えば東電のオール電化プランである「スマートライフ」の場合、深夜(午前1〜6時の料金単価は昼間(朝6時〜翌午前1時)の3割以上安く設定されています。
オール電化住宅は、エコキュートや電気温水器などで深夜に大量のお湯を沸かすシステムです。そのため、住民が夜型でなくとも深夜の電力使用量が一般住宅と比較して多くなります。
オール電化プランは深夜の消費電力量が大きなオール電化住宅で「お得」に使えるように、深夜の料金単価を大幅に安く設定しているのが特徴です。NUROでんきはこの、安い深夜料金の設定が無いため、大手電力会社のオール電化プランよりも割高となってしまいます。
そもそも契約出来ないケースも
そもそもNUROでんきを契約できないオール電化住宅は少なくありません。
例えば東京電力・中部電力・九州電力エリア向けのNUROでんきの約款を確認すると、契約できるのは契約容量が10A〜60Aと記載されています。また、関西電力エリアについては「6kVA未満」とあります。
オール電化住宅は多くの電力を使用するため、契約容量が60A以上あるいは6kVA以上となっているケースが少なくありません。その場合は、NUROでんきを契約することが出来ないと言えます。
もっとも、契約容量を下げれば契約出来ますが、そうするとブレーカーが落ちてしまうなど支障が出るリスクがあります。
結論 オール電化ならNUROでんきはNG
オール電化住宅でNUROでんきを契約するメリットはありません。他社の電気を検討してください。
オール電化住宅におすすめの電力会社は
NUROでんきに乗り換えると割高になってしまいますが、オール電化住宅でも電気代を削減することは可能です。
関東ではCDエナジーがおすすめ
東京電力エリアのオール電化住宅では、CDエナジーのオール電化プラン「スマートでんき」がおすすめです。
基本料金単価、電力量料金単価ともに東電のオール電化プラン(スマートライフS・L)と同額で、ポイント還元の1%分、電気代が安くなります。燃料費調整も東電のスマートライフと同額の設定です。
初期費用や解約違約金もありません。CDエナジーは大阪ガスと中部電力が共同で設立した新電力会社です。
初期費用・解約金なし
その他の地域では出光でんきがおすすめ
上記以外のエリアでは、出光興産のオール電化プランがおすすめです。
このプランは大手電力のオール電化プランと電力量料金が同一、基本料金が割安に設定された料金体系で、基本料金が安くなる分電気代が安くなります。例えば北海道電力と比べて年間1320円安くなります(10kVA契約の場合)
解約違約金や初期費用もありません。