ONEでんきの概要
運営会社 | ストエネ (旧)グランデータ) |
電力調達 | 不明 |
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供給エリア | 沖縄・離島除く全国 | 契約条件 | 特に無し |
目次

ONEでんきの特徴
- 光通信系のストエネ(旧グランデータ)が提供
- 「基本料金0円」の料金体系
- 料金高騰リスクがある料金体系
- 2023年6月に業務改善勧告
「ONEでんき」は光通信系の新電力であるストエネ(旧グランデータ)が提供しています。ストエネ(旧グランデータ)はこれまでは新電力としては割高な料金プランを、対面販売を中心に売ってきた会社ですがこの「ONEでんき」はこれまでの同社の料金プランとは大きく異なる性質を持つサービスとなっています。
他社の料金プランと比較しながら、メリット・デメリットを解説します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
使用量が少ない、契約容量が小さい場合はメリットが小さく、逆に使用量が多いか契約容量が大きい場合にメリットが大きくなる料金プランです。
ただし、2022年5月以降は電気料金が高騰するリスクがある市場連動型プランへと変更されています。市場連動型プランのリスクについては詳細は記事後半で詳しく解説します。
2022年から2023年前半にかけて、大手電力従量電灯プランと比較して大幅に割高に推移していましたが、2023年春頃から一転して一部地域では大幅に割安に推移しています。当サイトの電気料金一括シミュレーションでも安いと表示される場合がありますが、電力取引価格の推移によっては再び以前のように大幅に割高になる場合もあるためリスクが大きい料金プランです。当サイトでは基本的にこのような料金体系のプランは推奨しません。
最新の調整単価を含めた料金シミュレーションは当サイトの電気料金一括シミュレーションで確認できます(ONEでんき「フリープラン」の調整単価は毎月更新)
解約時の違約金は?
解約違約金などはありません。
支払い方法は?
クレジットカードと口座振替払いに対応しています。

ONEでんきの評価
業務改善勧告を受けた(2023年6月)
グランデータ社は2023年6月、経済産業省の電気ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受けています。
勧告を受けた理由としては、燃料費調整額の計算方法を変更した際に顧客への説明が不十分であった点や、グランデータ社が委託した会社がグランデータ以外の別の会社に酷似した名称の文言をウェブサイトで使用したことなどが問題点として指摘されています。
勧告を受け、グランデータ社は約款の変更などを行う際はSMSによる通知だけでなく、今後は書面でも通知することや委託先に対し、地域の大手電力会社と誤認させるような営業活動の禁止を徹底することなどを改善策として示しています。
環境面・エコ
環境省が公表したCO2排出係数のデータによると、ONEでんきのCO2排出量は1kWhあたり504g(2020年度実績)と、新電力としては平均的な成績でした。電源構成などは公表していません。
料金高騰リスクがある料金体系を採用
グランデータは「料金高騰リスクがある」料金体系を採用しています。詳細を解説します。
卸電力取引所の取引価格変動を反映する料金体系に
2022年3月31日に発表された電気供給約款の変更により、ONEでんきを含むグランデータの電気料金メニューは卸電力取引所の取引価格変動を反映できる料金体系となりました。
これまでの料金メニューでは、燃料の輸入価格を毎月の料金に反映する「燃料費調整制度」が適用されていました。これは大手電力や他の多くの新電力と同様です。
今回の約款の変更により、従来の燃料費調整制度に加えて、卸電力取引所の取引価格を反映する「市場価格調整額」が導入されています。
電気代が大手電力の1.8倍になったことも
2023年2月分の調整単価、東京電力管内の30A契約で300kWhを使用するケースで、グランデータの電気料金は東京電力エナジーパートナーの標準メニューである従量電灯Bと比較して電気代が1.8倍に高騰していました。現在は若干の修正が加えられており完全に同一の条件ではありませんが、グランデータの料金体系にはそれほどのリスクがあるということは認識しておく必要があります。
また、グランデータでは電力取引価格の月間平均を元に調整単価を計算しますが、取引価格平均価格に「調整単価係数1.2」を掛けるという根拠が不透明な謎の計算方法を採用しています。この調整単価係数が仮に引き上げられると、より電力取引価格の影響を受けやすくなるのでグランデータを契約する場合はこの辺りにも細心の注意を払ってください。

結論
話が長くなってしまったので、整理します。
- 卸電力取引所の取引価格を反映する料金体系に変わった(22年5月1日〜)
- 2022年に「料金高騰」が発生
- 2023年春以降は一転して割安に(永続する保障は無い)
このような料金体系に「変更」する新電力が特に2021年秋以降、増えています。とはいえまだ少数派なので、電源調達調整費のような仕組みの無い新電力・料金プランへの乗り換えを推奨します。
当サイトではこのような変更が加えられたことを確認した時点で料金シミュレーション画面に「料金変動リスクあり」とコメントを記載しています。電源調達調整費を導入する新電力が少しずつ増えてきており、新たに乗り換えた先でもグランデータと同じように後から追加されないか注意する必要があると言えます。
毎月状況を確認できるなら「アリ」
リスクがある料金体系であり実際に2022年から約1年にわたり電気代の高騰が発生したわけですが、電力取引価格の状況を毎月確認出来るのであれば、ONEでんきの「フリープラン」は検討の価値があります。
グランデータの市場連動は、電力取引価格を数ヶ月遅れで電気代に反映します。例えば7月分の電気料金に反映されるのは2〜4月の電力取引価格です。したがって、電力取引価格の高騰が発生した場合、他社に「逃げる」時間は確保されています。加えてONEでんきのフリープランでは解約違約金も無いため、その点でも躊躇なく他社への切り替えが可能です。
2023年6・7月分の燃料費調整単価では、ONEでんきフリープランは多くの地域で大手電力従量電灯より割安となっているため、このタイミングであれば利用してもメリットを得られる可能性もあります。他社の市場連動型プランも含め、リスクが大きいため基本的に推奨はしませんが、情報収集を欠かさない人にはお得な料金プランとなる場合もあります。
私は電力取引価格を週に数回チェックしているので、再び高騰が発生した場合はTwitterアカウント@powerhikakuでいち早く注意喚起するので、ONEでんきを契約する場合はフォローしてください。
