おトクでんきの概要
運営会社 | おトクでんき(光通信系) | 電力調達 | 不明 |
---|---|---|---|
供給エリア | 沖縄・離島除く全国 | 契約条件 | 地域によっては30A以上 |
目次
おトクでんきの特徴
- 光通信系の新電力
- 契約事務手数料と解約手数料に注意
- 料金高騰リスクのある料金体系
「おトクでんき」はハルエネでんきやエフエネでんきと同様に光通信系の新電力会社です。以前は「いこま電力」という社名で、奈良県生駒市に本社を置いていましたが現在は光通信グループが集まる東京・池袋に本社を置いています。
電力の取引価格高騰時に電気料金が高騰するリスクがある点や、契約事務手数料・解約手数料に注意が必要な料金メニューを提供しています。以下、同社サービスの注意点を中心に解説します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較して安くなる(条件によっては高くなる場合も)料金設定ではありますが、新電力の料金プランとしては「割高」と言える料金水準です。
基本料金は各地域の大手電力と同額水準かやや安く、電力量料金が1・2段階目がやはり大手電力と同水準で、3段階目がやや安く設定されているのが特徴です。
例えば東京電力エリア、10kVA契約で月1000kWhの電力を使用する場合、東電と比較して年間7728円・2.1%の料金削減となります( 法人スマートプランプラスC) 当サイトで掲載している中で最安の料金プランは同じ条件で年間79345円・21.1%の削減となるため、大幅に割高と言えます。
当サイトの料金シミュレーションにもおトクでんきの料金プランを掲載しているので、詳しく知りたい方はこちらで計算してみてください。
契約事務手数料が発生する
冒頭でも紹介したように、おトクでんきは契約事務手数料が発生します。金額は3850円です。
このような契約事務手数料はハルエネなど光通信系の新電力ではよくみられるものですが、多くの新電力には無いものです。料金水準をふまえると、契約1〜2年目は大手電力よりも実質高くなる契約者が一定数出てしまいます。
解約時の違約金は?
おトクでんきは解約手数料(解約事務手数料・契約解除料)にも注意が必要です。
金額はプランによって異なり、3850〜19800円です。また、注意すべき点は、「更新月」以外の解約でこれらの手数料が発生する点です。他の新電力ではそもそも解約違約金などを設定していないところが多いですが、1年以上契約すればその後は解約違約金が発生しないというのが一般的な条件です。
おトクでんきの解約条件は新電力としては「厳しい」設定と言えます。プランによっては更新月が「36ヶ月ごと」となっており、期間が長い点も注意が必要です。
おトクでんきの評価
節約効果は新電力としては「薄い」
料金水準が新電力としては割高、また契約事務手数料が掛かる点と解約手数料が発生するリスクが大きい点をふまえると、新電力の料金プランとしては節約効果が「薄い」と言わざるを得ません。
利用条件によっては、大手電力会社と比較して節約効果を得られない場合もあります。
料金高騰リスクに注意
「大手電力より安くなる料金設定」と紹介しましたが、おトクでんきの料金体系には大いに留意すべき点があります。
おトクでんきには「電源調達調整費」という独自の料金算定項目があります。一般的な新電力、大手電力には無いものです(光通信系の新電力にはある) 以下の計算式で計算したものを、料金に加算、もしくは割引します。
(調達単価-追加請求基準値)× 使用電力量(kWh)× 50%
引用元:電源調達調整費について(おトクでんき)
この「調達単価」というのは卸電力取引所の取引価格を指しますが、2021年現在、電力取引価格が異常に高騰している状況にあります。
通常は7円程度の取引価格ですが、100円あるいは時間帯によっては200円を超える価格をつけることもあり、2021年1月3日〜1月10日の東京電力エリアの取引価格の平均は76.65円、その後11日は111.34円、12日は162.21円、13日は167.03円、14日は130.40円と高騰しています。
仮に調達単価を100円/kWhとした場合、電源調達調整費は42.5円/kWhとなり、例えば月300kWhの電力を使用する一般家庭では1ヶ月で12750円の負担増となります。電気料金よりも高い価格が請求される恐れがあります。
調達単価が安くなれば割引される仕組みではありますが、高騰時には負担が非常に大きくなる点に注意が必要です。他の一般的な新電力の料金プランでは、取引価格が高騰しても電気料金に反映される仕組みは無くこのような仕組みは「特殊」と言えます。
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環境面・エコ
環境省が2021年1月に公表したCO2排出係数のデータによると、おトクでんきのCO2排出量は1kWhあたり506g(2019年度実績)と、新電力としては「平均的」といえる排出量でした。