パルシステムでんきの概要
運営会社 | パルシステム電力 | 電力調達 | 主にFIT電気 |
---|---|---|---|
供給エリア | 東北・東京・中部 電力管内 |
契約条件 | 組合員 |
目次
パルシステムでんきの特徴
- FIT電気を利用したプラン
- 2022年7月に大幅に値上げ
パルシステムの組合員向けに提供されている電力サービスです。「火力や原子力に頼らずに発電した電気」をコンセプトに、価格の安さではなく電気の「中身」で差別化を図ったサービスを提供しています。
2022年7月に実施する「値上げ」の内容を中心に、サービスのメリット・デメリット、問題点を指摘します。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量で大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東北電力エリア 発電産地応援プランA |
+18.0% +8972円 |
+16.7% +18372円 |
+16.0% +20642円 |
+15.4% +23071円 |
東京電力エリア 発電産地応援プランA |
+17.5% +8978円 |
+16.2% +18379円 |
+15.5% +20650円 |
+15.1% +23078円 |
中部電力エリア 発電産地応援プランA |
+17.1% +8976円 |
+16.4% +18374円 |
+15.9% +20644円 |
+15.5% +23073円 |
2022年7月の値上げ後の料金です。
値上げ前の料金は大手電力の標準メニュー(従量電灯)と同額の料金単価が設定されていましたが、現在の料金は大手電力よりも割高な料金設定です。
それに加え、卸電力取引所の電力取引価格の変動を転嫁する電力調達調整額が加算されるため、上の試算よりも大幅に割高になる恐れがあります。
環境面・エコ
FIT電気が約86%、インバランス(大手電力からの調達)が12%、卸電力取引所からの調達が2%と公表しています(2021年度計画値)
パルシステムでんきのCO2排出量は1kWhあたり486g(2020年度実績)と、東京電力エナジーパートナー(441g)や中部電力ミライズ(424g)と比較してCO2排出量が大きな電力を供給しています(同521gの東北電力と比較すると少ない)
FIT電気はルール上、「CO2を排出する電気」また、それ単体では「再エネと扱わない」と定められています。
2022年7月実施の値上げについて
2022年7月に実施の値上げについて、詳しく解説します。
値上げ幅に至った理由
2021年下半期から、国内の電力取引価格が高騰しています。下表は東京電力管内向けの電力取引価格の月平均です。
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
---|---|---|---|---|---|
19年度 | 9.03円 | 8.71円 | 8.17円 | 7.59円 | 7.48円 |
20年度 | 5.35円 | 14.35円 | 66.53円 | 8.29円 | 6.70円 |
21年度 | 17.59円 | 18.04円 | 23.95円 | 23.36円 | 30.76円 |
2021年1月にも大幅な高騰が発生しましたが、2021年度の11月以降も高止まりが長期化している状況です。
原因としては、天然ガスや石炭などのエネルギーの輸入価格の高騰と、電力需給の逼迫が挙げられます。エネルギー価格は足元でも下がる気配が無く、また電力需給についても2023年1・2月に停電が懸念されるほど逼迫する見通しが出ている状況で、電力取引価格が安定する見通しが立たない状況となっています。
特にパルシステムでんきはFIT電気の調達比率が全体の8割以上を占めていますが、FIT電気を新電力(小売電気事業者)が調達する際の価格は卸電力取引所の取引価格に連動します。パルシステムでんきは新電力の中でも電力取引価格高騰の影響を非常に受けやすい電源構成です。
パルシステムでんき契約者の対処方法は?
東電標準メニューより電気代が大幅に高くなるものの、もともと電気代の安さを売りにしていたサービスではないため、パルシステムでんきの理念に共感する人は利用を継続するというのも一つの選択肢です。
また、他社に契約を切り替えるというのも一つの選択肢です。例えば東京ガスのさすてな電気は値上げ後のパルシステムでんきより大幅に割安な料金設定で、実質CO2排出量ゼロの電気を供給します。

地域別料金比較
2022年7月現在で新規申込みが可能な主な新電力の料金を比較します(大手電力標準メニューとの世帯人数ごとの平均使用量での年間料金比較) 現時点で卸電力取引所の取引価格を反映しない料金プランのみを掲載しています。
東京電力エリア
東京電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
パルシステムでんき 発電産地応援プランA |
+17.5% +8978円 |
+16.2% +18379円 |
+15.5% +20650円 |
+15.1% +23078円 |
下町でんき 下町電灯B |
20A契約不可 | -5.0% -5682円 |
-5.0% -6638円 |
-5.0% -7648円 |
コスモでんき スタンダード |
20A契約不可 | -2.2% -2520円 |
-3.2% -4320円 |
-4.9% -7440円 |
コスモでんき ポイントプラス |
20A契約不可 | -4.5% -5169円 |
-4.5% -6043円 |
-4.5% -6965円 |
東北電力エリア
東北電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
パルシステムでんき 発電産地応援プランA |
+18.0% +8972円 |
+16.7% +18372円 |
+16.0% +20642円 |
+15.4% +23071円 |
コスモでんき ポイントプラス |
20A契約不可 | -4.5% -5009円 |
-4.5% -5876円 |
-4.5% -6791円 |
コスモでんき スタンダード |
20A契約不可 | -1.2% -1320円 |
-2.2% -2880円 |
-2.8% -4200円 |
中部電力エリア
中部電力の標準メニュー(従量電灯B)との料金比較です。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
パルシステムでんき 発電産地応援プランA |
+17.1% +8976円 |
+16.4% +18374円 |
+15.9% +20644円 |
+15.5% +23073円 |
コスモでんき ポイントプラス |
20A契約不可 | -4.5% -5095円 |
-4.5% -5918円 |
-4.5% -6789円 |
コスモでんき スタンダード |
20A契約不可 | -1.3% -1440円 |
-1.5% -1920円 |
-1.5% -2160円 |