オール電化で楽天でんきを契約するのは慎重に。
電気代が安いことで知られる楽天でんき。ですがオール電化住宅では、むしろ大手電力会社よりも「割高」となるケースが少なくありません。実際の数字を示しながら分かりやすく解説します。
目次

楽天でんきはオール電化プランを提供していない
前提として、楽天でんきでは「オール電化プラン」の提供は行っていません。公式サイトにも以下のように書かれています。
お申込みいただけます。
ただし、オール電化専用のプランは用意しておりません。
そのため、現在のご契約より電気料金が割高なってしまう可能性が高くなりますので、あらかじめご了承ください。引用元:オール電化でも申込みできますか?(楽天でんき)
申込みは出来るけど、高くなるかもしれないよ、と案内されています。割高になるとはどういうことか、詳しく解説します。

オール電化住宅が楽天でんきを契約した場合の試算
論より証拠、オール電化住宅の平均的な使用例をもとに解説します。
割安になるケースもあるにはある
東京電力エリア、10kVA契約で月に480kWh(昼300kWh/夜180kWh)の電力を使用する家庭を例に試算します(当サイトが想定するオール電化住宅モデルケース)
社名・プラン名 | 月額料金 |
---|---|
東京電力 スマートライフ |
13800円 |
楽天でんき | 13134円 |
東電の現行のオール電化プランと比較した場合、楽天でんきの方が安くなる結果となりました。楽天でんきのサイトにある注意と異なる結果と言えます。
ただし、条件が変わると楽天でんきの方が割高となるケースも多々ありますし、東電エリア以外では上記と同じ使用量・条件でも楽天でんきの方が割高となる場合もあるので、楽天でんきへの乗り換えは過去データに基づく細かな試算が必要と言えます。
基本的に、オール電化住宅では「オール電化プラン」の利用を推奨します。楽天でんきを含め多くの新電力がオール電化プランを提供していませんが、オール電化プランを提供する新電力が徐々に増えているので、以下の記事を参考に選んでください。

なぜ割高になる場合があるのか
では、なぜオール電化住宅が楽天でんきを契約すると、大手電力会社オール電化プランよりも割高となる場合があると言えるのでしょうか。
オール電化住宅といえばIHクッキングヒーターが真っ先に思い浮かびますが、最も重要なのはエコキュートや電気温水器などの給湯設備です。オール電化住宅の給湯器は深夜に大量のお湯をまとめて沸かし、タンクに溜めておく仕組みを取っています。深夜に消費する電力の量が多くなります。
オール電化プランはそうしたオール電化住宅の特性をふまえて、深夜の電気料金単価を大幅に安く設定しています(代わりに昼が高い) この「深夜の安い料金」が楽天でんきには無いため、オール電化住宅で楽天でんきを含め非オール電化プランを契約すると割高となるケースがあります。
ただし、オール電化住宅では電気の契約容量(アンペア)が大きくなる傾向があり、楽天でんきのように「基本料金0円」の料金プランでは基本料金分が無くなることで、電気代全体として安くなる場合も無いわけではありません。

太陽光発電併用の場合は更に注意が必要
太陽光発電を併用しているオール電化住宅の場合、楽天でんきと契約するリスクは更に高くなります。
オール電化・太陽光併用の場合の試算
東京電力エリア、10kVA契約で月450kWh(昼270kWh/夜180kWh)の電力を使用する太陽光・オール電化併用住宅を例に試算します。
社名・プラン名 | 月額料金 |
---|---|
東京電力 スマートライフ |
12697円 |
楽天でんき | 12313円 |
月100kWh程度を発電、その内3割の30kWhを自家消費すると想定しました。
記事前半の太陽光発電を設置していないケースと同様に楽天でんきの方が安い結果となりましたが、削減幅は太陽光発電併用のケースの方が小さくなっています。
太陽光発電を設置した場合、割高な昼間の買電量が減少し、安い深夜電力の購入量の比重が高まります。したがって、深夜割引の無い楽天でんきが更に不利に、深夜割引があるオール電化プランの方が有利です。
もちろん上記の試算のように楽天でんきの方が割安になる場合も少なく無いわけですが、オール電化住宅では他の新電力のオール電化プランを契約した方が「安全」です。

結論、楽天でんきはオール電化住宅では避けるべし
結論として、楽天でんきはオール電化住宅では契約すべきではないと言えます。
大手電力のオール電化プランと比較して大幅に割高となるリスクがあります。他の新電力では割安なオール電化プランを提供しているところもあるので、オール電化プランとして提供されている料金メニューを選ぶことを推奨します。
他社のオール電化プランを検討しましょう
楽天でんきにはオール電化プランがありませんが、一部の新電力がオール電化プランを提供しています。中には大手電力会社よりも割高になる料金プランもあるため注意が必要ですが、ちゃんと安くなるオール電化プランも登場しています。
関東ではCDエナジーがおすすめ
東京電力エリアのオール電化住宅では、CDエナジーのオール電化プラン「スマートでんき」がおすすめです。
基本料金単価、電力量料金単価ともに東電のオール電化プラン(スマートライフS・L)と同額で、ポイント還元の1%分、電気代が安くなります。燃料費調整も東電のスマートライフと同額の設定です。
初期費用や解約違約金もありません。CDエナジーは大阪ガスと中部電力が共同で設立した新電力会社です。

初期費用・解約金なし
関西ではeo電気が安い
関西ではeo電気のオール電化プランが安いのでおすすめです。電力量料金は関電と同額、基本料金が割安な料金体系です。eoのネットを契約している場合は月330円以上、ネットの契約が無い場合は月110円以上安くなります(電化割無しの場合、関電はぴeタイムRとの比較)
キャンペーンにより契約事務手数料・解約金を0円としていることが多いので、最新の情報は公式サイトで確認してください。
その他地域では出光興産がおすすめ
上記以外のエリアでは、出光興産のオール電化プランがおすすめです。
このプランは大手電力のオール電化プランと電力量料金が同一、基本料金が割安に設定された料金体系で、基本料金が安くなる分電気代が安くなります。例えば北海道電力と比べて年間1320円安くなります(10kVA契約の場合)
解約違約金や初期費用もありません。
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