楽天でんきの電気はどこから来るのか
ネットで人気が高い「楽天でんき」 その電気はどこから調達しているのか、直接問い合わせて得た情報を交えながら詳しく解説します。
目次
電気の調達方法を直接問い合わせてみたが・・
電源構成などは公表していないもよう
楽天でんきの公式サイトには、電源構成などの情報が一切見当たりません。そこで楽天でんきのユーザーサポートにメールで問い合わせてみました(2019年11月回答)
その回答としては、やはり電源構成や調達方法などは開示できないようで、情報を得ることは出来ませんでした。
では、どうやって電気を調達しているのか
ここで諦めるわけにはいかないので、更に詳しく調べてみました。
自社発電所の保有は無し
日本で発電を行うには経産省に「発電事業者」として登録を行う必要があります。登録された各社の発電量は、電力調査統計というデータで各社ごとに毎月確認することが出来ます。
そもそも楽天でんき(運営元は楽天モバイル)は発電事業者として登録をしていないため、発電実績もありませんでした。
楽天グループとしては金融事業を手掛ける楽天信託が太陽光発電と風力発電で電気をつくっていますが、これは土地所有者などから預かった発電所の管理を代行して行っているものなので、必ずしも楽天でんきの事業とは関係は無いでしょう。
日経XTECHの記事に答えを発見
更に更に詳しく調べると、答えが分かりました。日経XTECHの記事にこのような記述がありました。
急速に契約数を伸ばしている楽天でんきだが、需給管理は他社が提供するバランシンググループ(BG)を利用している。新電力での事業運営経験者を徐々に増やしてはいるものの、まだまだ人材面では不足した状況が続いているためだ。BGの親事業者については明らかにしていない。
引用元:楽天が電力本格参入に6年の歳月を要した理由(日経XTECH)
2018年末の記事ですが、この時点(楽天でんきのサービス開始直後)ではバランシンググループ(BG)から電気を調達しているとのことです。
バランシンググループとは、複数の新電力が集まって共同で電気を調達する仕組みです。バランシンググループ自体は発電所と直接契約したり、あるいは卸電力取引所という市場から電気を調達するなどして電気を確保しています。
楽天でんきは現在急激に販売量を伸ばしており、2019年7月の統計から推測すると7万世帯程度の契約を獲得しているとみられます(統計を世帯あたり280kWhで割って計算した) 今後も順調に契約数が伸びていけば、自社での調達に切り替える可能性も出てくるでしょう。
なお、これは楽天でんきに限った話ではありませんが、新電力が電気を充分に電気を調達出来なかった場合は、各地域の送電網を管理している会社が不足分を補って調整する仕組みとなっています。日常的にそうした調整は行われており、特定の電力会社を契約している世帯だけ停電するといったことは起こりません。
電気が届くルートはどの電力会社でも同じ。
電気の調達については上で説明した通りです。
電気を各家庭まで届ける電線については、各地域ごとに送電網を独占している会社のルートを使用します。電線を使うにあたっては、適正な使用料金(電気代の3〜4割程度)が電力会社から送電会社に支払われているので、災害時の復旧などで差別されることもありません。
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