リクルートが電力自由化に参入か?
就職情報サイトやグルメサイトなどを運営する大手メディア企業、リクルートが電力自由化に参入する動きを見せています。公開情報をもとに今後の動向を考察します。
目次
電力自由化に参入する兆候を見せたリクルート
まずはリクルートが電力自由化に参入する「兆候」を紹介します。
経産省に登録を完了
電力自由化に新電力として参入するには、経産省に「小売電気事業者」として登録を行う必要があります。
リクルートは小売電気事業者として2020年1月に登録を完了し、制度上はいつでも電力自由化に参入し、新電力として顧客に電力の販売が出来る状況が整っています。
プレスリリースは無し
小売電気事業者としての登録を完了したリクルートですが、現在のところ電力自由化への参入について正式な発表を一切行っていません。
プレスリリースなどの発信も行っておらず、経済産業省が公表した情報のみが手がかりとなります。
今後の展開は?
「リクルートでんき」が実現した場合、どのような展開が予想されるのか。考察してみました。
SUUMOやゼクシィとの相乗効果
リクルートは就職や結婚、住宅購入といった人生の中で何度と無い「ライフイベント」の入口を抑えることで成長を続けてきました。リクナビを筆頭にSUUMOやゼクシィといったメディアが知られています。
実は住宅購入・賃貸契約や結婚といったリクルートグループが強みとしているライフイベントは、電力の契約を獲得しやすいタイミングでもあります。家庭向けに電力事業を開始した場合は、そうした既存事業との相乗効果が期待できます。
「SUUMOでんき」「ゼクシィでんき」といったサブブランドを立ち上げる可能性もあるのではないでしょうか。
法人向けサービスとしての展開
リクルートはリクナビなどのサービスを通じて企業との繋がりも持っています。また、ホットペッパーや「じゃらん」、カーセンサーなどのサービスを通じて、中小規模の事業者とも深いつながりを持っています。
そうした法人・業務用ユーザーに向けたサービス展開をすることでも、相乗効果が期待できます。既に接点を持つ営業先とのやり取りなので、営業の効率としても高いでしょう。
新技術の開発
現在、電力業界は技術革新の荒波に揉まれています。蓄電池や電気自動車、再生可能エネルギーやVPP(仮想発電所)やP2P取引といったキーワードが注目されています。
日本国内だけでも、電力市場は年間20兆円近い規模があります。莫大な富が動く電力業界において、革新的な技術革新を行うことで覇権を握り、その莫大な富を得る大きなチャンスが今まさに存在しています。
リクルートについても、強みとする高いIT技術力を駆使した新技術の開発も将来的な戦略として可能性があると言えます。