市場連動型プランに移行するリミックスでんき
リミックスでんきが2023年春から市場連動型プランに移行することを発表しました。家庭や中小企業のビジネスユーザーに与える影響を解説します。
目次
市場連動型に移行するリミックスでんき
「新料金プラン」への移行で市場連動型となるリミックスでんき。その概要を解説します。
市場連動型に移行 市場連動型とは?
現在リミックスでんきの低圧契約(家庭など)を利用している契約者を、新たな料金プランに移行させる方針を表明しました。
新たに移行する料金プランでは、日本卸電力取引所での電力取引価格に連動した料金体系となります。いわゆる「市場連動型プラン」にあたります。
これまでの料金プランでは、財務省が発表する「貿易統計」をもとに燃料(原油、LNG、石炭)の輸入価格の変動を電気代に転嫁する燃料費調整制度を採用していました。主要な料金プランでは各地域の大手電力と同じ計算式を採用しています。
今後は従来のような燃料費調整制度ではなく、卸電力取引所での電力取引価格に連動した料金体系に移行します。30分単位で料金単価が変動する「完全市場連動型」になるのか、あるいは月間平均の取引価格などをもとに調整する「一部市場連動型」あるいは「電源調達調整費」方針を取るのかは現時点では不明です。詳細は2023年1月末に公表するとしています。
2023年4月から移行
新たな料金プランへの移行は2023年4月1日から行われます。各契約地点ごとに異なる検針日によって、実際に移行する日は異なります。
市場連動型プランのリスク
市場連動型プランにはリスクがあります。
電力取引価格によっては電気代が高騰する恐れ
市場連動型プランは電力取引価格の推移によっては電気代が高騰するリスクがあります。
リミックスでんきの新プランは現時点で詳細が明らかにされていないため影響度は不明ですが、既に市場連動型プランを採用している新電力の料金プランでは、大手電力従量電灯プランと比べて電気代が2倍前後に高騰しているものが多いです(2022年下半期現在の電力取引価格の水準)
現在、燃料価格の高騰と電力需給の逼迫の影響により、電力取引価格が高止まりを続けています。通常の取引価格は月間平均で8〜10円/kWhとされていますが、2021年末から高い水準での推移が続いており月間平均が20円以上で推移している地域が多いです。
市場連動型プランは電力取引価格が安いタイミングでは電気代が安くなるメリットが期待できますが、現在のように高止まりしているタイミングではデメリットの方が大きくなる可能性が小さくありません。
契約者が取るべき対応は?
リミックスでんき契約者が取るべき対応を解説します。
九州以外では解約を推奨
九州「以外」にお住まいの全国の方に対しては、市場連動型に移行する前にリミックスでんきを解約し、他社に転出することを推奨します。
理由はこの記事でこれまで解説してきた通りで、電力取引価格の高止まりにより電気代が高くなってしまうリスクが小さくないためです。
昨今、リミックスのように市場連動型に移行する新電力が徐々に増えています(Looopでんきや楽天でんきなど) 移行先は当然、市場連動型でない料金プランを選んでください。当サイトではこのような市場連動型プランについて、料金シミュレーション画面などで「料金高騰リスクあり」と記載しているので参考にしてください。
九州は条件次第(ただしリスクはある)
九州電力管内に関しては、市場連動型に移行することで「メリット」を得られる可能性があります。
九州エリアの電力取引価格は、他のエリアと比べて低く推移しています。例えば2022年11月の月間平均と比較すると東電管内は25.67円、関電19.61円という水準ですが九州は13.74円と、高いエリアと比べて半額程度の水準です。原子力発電所が稼働していることと、再生可能エネルギーの導入が進んでいることが影響しています。
九州エリアに関しては、他社の市場連動型プランでも料金が低く抑えられている場合があり、むしろ市場連動型プランを契約した方が九州電力の従量電灯より電気代を安く抑えられるケースがあります。
ただし、そんな九州エリアでも何らかの事情により電力取引価格が暴騰し、電気代が高騰するリスクはゼロではない点は注意してください。一般的な電気料金プランでは電力取引価格が高騰しても電気代への影響はありませんが、市場連動型プランでは直ちに影響を受けます。例えば原子力発電所がトラブルにより発電を停止したとか、異常な寒波による電力需給の逼迫などが引き金となる可能性があります。
新料金プランは基本料金ゼロ円とのことなので、契約容量が大きく他社では基本料金が高くなるケースでメリットが得られやすいと思います。
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