テラエナジーの口コミ・評判

テラエナジーの概要


運営会社 テラエナジー 電力調達 みんな電力
供給エリア 東京、関西
中国・四国・九州電力管内
契約条件

テラエナジーの特徴


 2018年に浄土真宗の僧侶である竹本了悟氏らが設立した新電力会社です。社会貢献を理念として掲げており、支払われた電気料金の2.5%を自死防止などの活動に寄付するとしています。


 そんなテラエナジーを、社長の竹本了悟氏に直接問い合わせた内容を交えながら詳しく解説します。




料金プランとサービスの解説


市場連動型料金プランを採用


 テラエナジーは「市場連動型料金プラン」という特殊な料金プランを採用しています。


 大手電力会社や一般的な新電力の料金プランは、予め提示された固定の料金単価に基づいて電気料金が計算されます。それに対し市場連動型プランは30分ごとに変動する卸電力取引所での電力の取引価格に連動して、料金単価が変動します。


乱高下した2018年2月9日の取引価格

乱高下した2018年2月9日の取引価格

 卸電力取引所で30分ごとに変動する取引価格に、地域によって異なる託送料金と、テラエナジーの取り分である「手数料4.0円/kWh」を加えて電気代が計算されます。


 同じく市場連動型を採用している自然電力の「SEデビュー」や、ダイレクトパワーの「ダイレクトS」も同様に4.0円/kWhの手数料が発生しますが、競合2社はそれに加えて「送電ロス(『損失率』)」分での調整が入るため、その調整が入らないテラエナジーの方が理論上は電気料金が安くなります。


 なお、このような料金プランは株価や為替相場と同じように事前の想定が出来ないため、当サイトの料金シミュレーションには掲載していません。


料金が割高となるリスクもある


西本願寺

京都の西本願寺

 市場連動型料金プランのデメリットとして、電気代が割高となるリスクがある点を指摘せねばなりません。


 卸電力取引所は多くの新電力が電力の調達を頼っていますが、しばしば取引価格が高騰することがあり、新電力の経営に打撃を与えています。過去には瞬間的に1kWhあたり100円を超えたこともあります(2019年度の取引価格平均は9.15円/kWh)


 特に九州などでは、太陽光発電の急増を受けて取引価格が0.01円となることもあり、そのタイミングで電気を使用すれば電気代が非常に安くなりますが、高騰しているタイミングで電気を使用することで電気代が高額になるリスクがある点には注意が必要です。


 テラエナジーの公式サイト上では、こうした「リスク」に対する注意喚起が十分でない点が気になります。


「上級者向け」の料金プランと言える


 市場連動型プランはテラエナジーに限らず、上級者向けの料金プランと言えます。何も気にせず電気を使うと電気代が割高になる、もしくはそれほど安くならない反面、取引価格を毎日チェックし、価格の高い時間帯を避けて安い時間帯に電気の使用を「振り替える」ことで、電気代を大幅に削減することが出来ます。


解約時の違約金は?


 解約金は一切かからないとしています。


支払い方法は?


 クレジットカード払いと口座振替に対応しています。


再エネの活用を謳っているが中身はどうか


 「再エネ」の活用を公式サイトの随所で宣言しているテラエナジーですが、その中身には注意が必要です。


ルール上認められる再エネ比率は18.8%


 テラエナジーは公式サイト上で「再エネ77.2%」という電源構成を公表しています。この内訳について同社社長の竹本氏に問い合わせたところ以下の回答を得ることが出来ました。


>2.「再エネ比率」について
>公式サイト上に「再エネ77.2%」とありますが、
>FIT電気の部分についてはすべて非化石証書などが付いているのでしょうか。

→内訳は以下の通りです。サイト上では※で表記しております。

FIT電気(バイオマス25.8%、水力4.7%、太陽光4.5%、風力23.1%、その他0.3%)58.4%
再エネ(水力0.7%、風力17.7%、その他0.4%)18.8%

FIT電気の部分に非化石証書は付いていません。
弊社はみんな電力から電気を卸していただいております。

電力構成はみんな電力と同じです。

引用元:テラエナジー社長 竹本氏からのメール 2020年7月7日受信

 ここで挙げられた「FIT電気」とは、風力発電やバイオマス発電でつくられた再生可能エネルギーではあるのですが、日本のルール上は「再生可能エネルギーとして扱わない」ことが定められているものです。


 経産省の専門家委員会などでも「グリーン電力ではなくグレー電力」などと専門家から指摘されており、また電力を売る際のルールとしても「CO2排出量ゼロ」として扱わないことが求められています。


 したがって、「再生可能エネルギー」として認められるのは18.8%のみです。この本物の再エネが「18.8%」というのは、新電力としては悪くない値だと評価したいですが、公式サイト上で大きく紹介されているような「77.2%」ではない点には注意が必要です。


 なお、竹本氏は以下のように考えているそうです。


小売電気事業者として100%再エネと表記するために非化石証書を購入して販売する事は簡単なのですが、わたしとしては、お金で価値を売買する非化石証書の仕組みに疑問をもっております。むしろ、みんな電力のようにFIT電気であってもどこから購入しているのか、という事の方が再生可能エネルギーを普及していく上では重要なのではないかと考えております。

引用元:テラエナジー社長 竹本氏からのメール 2020年7月7日受信

CO2排出量も新電力としては平均的


 公式サイト上にはCO2排出係数(1kWhあたりのCO2排出量を示す指標)の記載が無かったため、竹本氏にお尋ねしたところ以下の回答を頂戴しました。


CO2排出係数の目標値や目安はございますか。
みんな電力のスタンダードプランと同等なのでしょうか。

→その通りです。

引用元:テラエナジー社長 竹本氏からのメール 2020年7月7日受信

 テラエナジーが卸供給を受けているみんな電力のスタンダードプランのCO2排出量は、1kWhあたり463g(2018年度実績)であることがみんな電力の公式サイト上、ならびに環境省のサイトで公表されています。


 この1kWhあたり463gという値は、新電力としては排出量が「やや少ない」と言える水準です。例えば新電力としてシェアが大きい東京ガスは398g、大阪ガスは403gなので、テラエナジーのCO2排出量が特別少ないというわけではありません。


 とはいえ535gを排出する四国電力や、636gの中国電力と比較するとCO2排出量は少なく、新電力としては悪くはない値と言えます。


「原発フリー」を掲げるも、実態は・・


 設立当初から「原発フリー」を掲げているテラエナジーですが、実は原発フリーとは言い難いと言える事実があります。


設立当初から原発フリーを掲げている


 テラエナジーは設立当初から原発の電力を使わない方針を掲げています。公式サイト上で以下のように宣言しています。


テラエナジーが掲げる原発フリーという理念

テラエナジー公式サイト参照(2020年7月12日)

 しかし、電源構成を見ると本当に原発フリーと言えるのか、という疑問を拭えなかったため、社長の竹本氏に詳細をお尋ねしました。


実際には原発フリーとは言い難い


 竹本氏からは2度にわたり、詳細な返答をいただくことが出来ました。ご対応いただきありがとうございます。頂いた回答は以下のとおりです。


>4.「原発フリー」について
>電源構成としてその他(卸電力取引所など)19.1%との記載がありますが、
>この部分については原子力発電由来の電力は含まれないとのご認識でしょうか。
>西日本では原子力発電所が再稼働しており、卸電力取引所から調達した場合は
>原発の電力が含まれるものと考えております。

現在、弊社は卸電力取引所からは電源調達をしておりません。
再エネ(FIT電源含む)以外はインバランスによる電力です。

ちなみに、弊社が電力供給を始めた当初は中国エリアのみでしたので、例え卸電力取引所からの電力が含まれたとしても「原発フリー」と表現しておりました。

しかし、2019年より関西・九州エリアへ供給をスタートし、状況が変わっておりますので、今回の石井さまのご指摘を機に、改めて適切な表現を社内で検討することにいたします。わたしは、基本的に先のメールの様な考えをしているのですが、関係者からの指摘を受け、インバランスの電力構成をコントロールすることができない以上、再考せねばならないかと考えております。

引用元:テラエナジー社長 竹本氏からのメール 2020年7月8日受信

 公式サイト上に掲載されていた電源構成に「その他(卸電力取引所など)19.1%」とあり、関西や九州など原子力発電所が再稼働している地域では卸電力取引所から電力を調達した場合、原子力発電の電力が含まれる可能性があると考えました。


 それに対する回答としては、現在は卸電力取引所からは調達しておらず、電源構成にある「その他」はインバランスだというものでした。


 インバランスとは、新電力が供給を計画した電力の量が、実際の需要と比べて不足していた場合に、その不足分を一般送配電事業者(大手電力会社の「電気を届ける」部分を担っている会社)が補充するものです。


 インバランスで補充される電力の電源構成は竹本氏が指摘するように、新電力側でコントロールすることが出来ず、また九州や関西のように原発が稼働しているエリアでは原発でつくられた電力が含まれると考えられ、「原発フリー」ではないことが分かります。


一連の対応に不安も


 竹本氏は私からの問い合わせに対し、真摯に対応してくださる姿勢を見せてくださいました。都合の悪い問い合わせに対し、返信をくださらない、あるいは(おそらく、あえて)的を外した回答を出す新電力もあるので、この点は好感が持てました。


 ですが私が竹本氏とやり取りをする中で感じたのは、同社が「自社の商品を理解していないのではないか」という不安です。「原発フリー」に関する質問に対して、同氏は当初以下のような回答を行いました。


>4.「原発フリー」について
>電源構成としてその他(卸電力取引所など)19.1%との記載がありますが、
>この部分については原子力発電由来の電力は含まれないとのご認識でしょうか。
>西日本では原子力発電所が再稼働しており、卸電力取引所から調達した場合は
>原発の電力が含まれるものと考えております。

→この点について〇〇○○の上席研究員の○○さんに確認いたしました。
弊社としては、以下の理由から原子力発電由来の電力は含まれていないと考えております。

現状、10%未満しかない原子力発電の電力は、ベースロード電源として位置付けられています。そしてそのベースロード電源は、優先的に常時バックアップとして小売電気事業者へ販売されるため、市場で売買されている電源に原子力発電の電力は含まれていないと考えられます。
また、弊社は、ベースロード電源を購入するために必要な常時バックアップの契約をどの大手電力とも締結していません。そのため、ベースロード電源が供給電力に入る余地もございません。

引用元:テラエナジー社長 竹本氏からのメール 2020年7月7日受信

 (注 伏せ字部分のみ私の方で加工 所属団体は環境NPOとのこと


 卸電力取引所から調達しているとの前提に立った回答だと理解しましたが、翌日(約22時間後)には「実際には原発フリーとは言い難い」の項目で紹介した「現在、弊社は卸電力取引所からは電源調達をしておりません。」という回答で否定されており、卸電力取引所からの調達の有無を把握出来ていなかったことが窺えます。


 テラエナジーは再エネの活用や、「原発フリー」を宣言している以上、それを信じて契約する消費者の期待に応えるためにも、電源構成や電源の調達に対して他の新電力以上に厳格な姿勢を持つことが求められていると思います。


 原発フリーに関しては「適正な表現を検討する」とのことでしたので、今後の改善に期待したいです。




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