東邦ガスの電気の概要
運営会社 | 東邦ガス | 電力調達 | 提携先(中部電力など) |
供給エリア | 愛知・岐阜・三重 | 契約条件 | 特に無し 電気のみでも可 |
目次
特徴
・料金水準では大きく見劣り
・CO2排出量が多い
東京ガス・大阪ガス・西部ガス(九州)と共に日本4大都市ガス会社と数えられる東邦ガス。これまでは中部地方で都市ガスやLPガスの販売を行っていましたが、電力自由化にあわせて電気の販売にも乗り出しました。
四日市に小規模なガス火力発電所を持っていますが、足りない分は競合する中部電力などから調達しています。更に原発再稼働で余力が生まれた関電からも調達するなど、相手を選ばない戦略で電気の調達を進めています。
料金プランの解説
乗り換えでいくらお得になる?
中部電力からの乗り換えで、電気料金が年間で「いくら」安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
ファミリープラン |
+4.8% +2537円 |
-2.3% -2574円 |
-3.5% -4539円 |
-3.4% -5096円 |
シンプルプラン |
+13.0% +6809円 |
+1.9% +2174円 |
-1.6% -2043円 |
-1.7% -2600円 |
ファミリープランは、東邦ガスグループのガスとの「セット契約」のプランです。シンプルプランよりも基本料金が毎月200円ほど安く設定されています。
電気料金のお得率としては、中部エリアの新電力の中ではワーストクラスです。乗り換えるなら他の新電力の方が断然お得です。
セット割
ガスとのセット契約以外にも、ガス関連設備の有無によって更なる割引を受けられます
セット割対象サービス | 詳細 | 割引額 |
暖房割引 | ガス暖房がある家庭向け | 基本料金が5%引き (50A契約で年間720円) |
床暖割引 | ガス式の床暖房がある家庭向け | 基本料金が8%引き (50A契約で年間1152円) |
家庭用燃料電池割引 | エネファームを設置している家庭向け | 基本料金が10%引き (50A契約で年間1440円) |
4人暮らし、50A契約でシュミレーションすると床暖割引を使うと中部電力と比べてトータル3.9%引き、家庭用燃料電池割引では4.4%引きとなります。これらのセット割引を適用しても、他の新電力に見劣りします。
解約時の違約金は?
契約上は1年契約ですが、途中で解約しても違約金などは発生しません。
支払い方法は?
口座振替とクレジットカード払いに対応しています。
東邦ガスのガスの契約がある場合は、ガス代とまとめての支払いになるので手続きがラクです。
中部電力との比較 セット契約はどうか
中部電力と東邦ガス。セット契約でまとめるなら、トータルでどちらがお得なのでしょうか。平均的な使用量での試算を紹介します。
内容 | ガス料金 | 電気料金 | 月合計 | 月の差額 |
---|---|---|---|---|
東邦ガスのガスと 中電の電気 |
6705円 | 9181円 | 15886円 | - |
電気・ガスともに東邦ガス | 6620円 | 8972円 | 15592円 | -294円 |
電気・ガスともに中電 | 6217円 | 9135円 | 15352円 | -534円 |
中電ガスと エネワンでんき |
6344円 | 8687円 | 15031円 | -855円 |
東邦ガスのセット契約よりも、中部電力のセット契約の方が年額で2880円お得という結果になりました。セット契約で考えている人は、中電にまとめるのが「正解」です。

更にお得なのが電気・ガスともに乗り換えるという選択肢です。中電に全部まとめるよりも、更に年間で3960円もお得という計算になりました。検針票があれば電気・ガスともに乗り換えても10分掛からず手続きが完了するので、検討してみてください。
東邦ガスの電気の評価
環境・エコは?
公式サイト上で公表されている電源構成は以下のとおりです(主なものを抜粋、2017年実績)
電源 | 構成 |
---|---|
ガス火力発電 | 44.7% |
卸電力取引所 | 36.6% |
石炭火力発電 | 15.7% |
四日市に小規模なガス火力発電所を保有していますが、それだけでは足りないため住友商事系のサミットエナジーや中部電力、関西電力などからも調達しているとの報道がありました。
なお、環境省が2021年1月に公表したデータによれば、東邦ガスのCO2排出量は1kWhあたり620g(2019年度実績)と、新電力としては排出量が多いと言わざるを得ません。著しく悪い数値だった18年度からは改善がみられるものの、依然としてCO2排出量が多く、環境負荷が大きいです。
なお、中部電力と比較しても排出量が37.2%多いです。