東京ガスのオール電化プランのメリット・デメリット
実はこっそりオール電化向けの電気料金プランを提供している東京ガス。そのメリット・デメリットを解説します。プラン選びを間違えると年間1万円も割高になるので注意!
目次
東京ガスの通常プランを契約すると大幅に割高に
まずは東京ガスのベーシックな電気料金プランである「基本プラン」を、オール電化住宅で利用するとどうなるのか解説します。
電気代が東電よりも高くなる
東京電力エリア、10kVA契約で月に480kWh(昼300kWh/夜180kWh)の電力を使用する家庭を例に試算します(当サイトが想定するオール電化住宅モデルケース、再エネ賦課金・燃料費調整額はいずれも同額のため計算に含まない、2023年の値上げ後の料金)
社名・プラン名 | 月額料金 |
---|---|
東京電力 スマートライフ |
18791円 |
東京ガス 基本プラン(電気だけの契約) |
19661円 |
東京電力のオール電化プランと比較すると、月870円・年間では約1万円割高となります。
条件が変われば東電よりも安くなるケースも無いわけではありませんが、オール電化住宅で契約するメリットがあるとは言い難いです。
料金が高くなってしまう理由は?
オール電化住宅で東京ガスの電気を契約すると「高くなってしまう」原因は2つあります。
まず1つ目は、オール電化プランは深夜の料金単価が大幅に安く設定されている点です。
昼間の料金単価は東京ガスの方がむしろ安い一方、深夜の料金単価は「オール電化プラン」が大幅に安いです。オール電化住宅では電気温水器やエコキュートで深夜にお湯を沸かしてタンクに貯めるため深夜の電力使用量が大きくなります。
オール電化プランはそうしたオール電化住宅の電気の使い方の特性に合うよう、深夜の料金単価を大幅に安く設定しています。深夜の割安な料金設定が無いプランを契約することで、電気代が高くなってしまいます。
2つ目の理由がセット割引です。
東京ガスの電気は、東京ガスのガスとセット契約にすることで月275円(ずっとも電気1、2など)のセット割引が適用されます。このセット割引が適用されることで、東京ガスの電気は関東の新電力の中でも「上位」のお得な料金プランとなります。
オール電化住宅ではガスの利用が無いため、セット割引が適用されません。セット割引が適用されないことで、料金メリットが小さくなってしまいます。
東京ガスにもオール電化プランが登場(<時間帯別プラン>)
通常プラン(「基本プラン」)では東電のオール電化プランよりも割高になってしまう東京ガスですが、東電のスマートライフに対抗した「<時間帯別プラン>」の提供を開始しました。
東京ガスの「時間帯別プラン」とは
東京電力のオール電化プラン、「スマートライフ」に準じた料金体系をとっている料金プランです。基本料金、電力量料金単価ともに東電のスマートライフと比べて約1%、割安に設定されています。深夜/昼間の時間帯設定も東電スマートライフと同じです。モデルケースで料金を比較します。
社名・プラン名 | 月額料金 |
---|---|
東京電力 スマートライフ |
18791円 |
東京ガス 時間帯別プラン |
18601円 |
電気料金全体で見ても、約1%割安です。東京ガスの「基本プラン」では東電のスマートライフより大幅に割高になってしまいますが、この「時間帯別プラン」ではしっかりとお得になります。オール電化住宅にお住まいで東京ガスの電気を使う場合は、必ずこの「時間帯別プラン」を契約してください。
他社のオール電化プランもおすすめ
東京ガス以外の新電力でも、大手電力よりお得になるオール電化プランを提供しています。
関東ではCDエナジーがおすすめ
東京電力エリアのオール電化住宅では、CDエナジーのオール電化プラン「スマートでんき」がおすすめです。
基本料金単価、電力量料金単価ともに東電のオール電化プラン(スマートライフS・L)と同額で、ポイント還元の1%分、電気代が安くなります。燃料費調整も東電のスマートライフと同額の設定です。
初期費用や解約違約金もありません。CDエナジーは大阪ガスと中部電力が共同で設立した新電力会社です。
初期費用・解約金なし
その他の地域では出光でんきがおすすめ
上記以外のエリアでは、出光興産のオール電化プランがおすすめです。
このプランは大手電力のオール電化プランと電力量料金が同一、基本料金が割安に設定された料金体系で、基本料金が安くなる分電気代が安くなります。例えば北海道電力と比べて年間1320円安くなります(10kVA契約の場合)
解約違約金や初期費用もありません。