東京ガス「基本プラン」のメリット・デメリット
東京ガスの「基本プラン」のメリット・デメリットを、新電力446社・5277プランと比較しながら分かりやすく解説します。
目次

家庭向けのベーシックなプラン
まずは東京ガスの「基本プラン」の概要を簡単に紹介します。
「基本プラン」は、2016年から提供されてきた「ずっとも電気」に代わる新たな電気料金メニューとして、2021年5月から提供が開始された新たなプランです。
電気だけでも契約出来るほか、東京ガスのガスとセット契約にすることで電気代が0.5%引きになるセット割引が提供されています。
東電など他社のプランや、従来プランとも比較しながら解説していきます。

「基本プラン」のメリット
まずは東京ガス「基本プラン」のメリットを紹介します。
電気料金が東電より安い
東京ガスの「基本プラン」は、東京電力の標準的な料金プランである「スタンダードS・L」よりも割安な料金単価に設定されています。
電気料金で比較した場合、東京電力よりも割安になる料金体系をとっており、東電のスタンダードSから切り替えることで電気代が安くなるメリットがあります。世帯人数ごとに平均使用量での試算はこちら(東電「従量電灯B」との料金比較)
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
基本プラン ガスとセット契約 |
-3.5% -1812円 |
-5.8% -6626円 |
-6.5% -8614円 |
-7.0% -10736円 |
ただし、上記の試算には燃料費調整を含めていません。燃料費調整を含めた試算では東京電力従量電灯Bよりも高くなっており、現在契約を推奨できる状況にありません。

2人以上の世帯なら東電セット契約より安い
東京ガス、東京電力とも電気・ガスのセット契約に力を入れています。セット契約で見た場合、2人以上の世帯の平均使用量では東電より東京ガスの方が「安い」と言えます。平均使用量での試算は以下のとおり。
内容 | ガス料金 | 電気料金 | 月合計 | 月の差額 |
---|---|---|---|---|
電気・ガスともに東電 | 4947円 | 9329円 | 14276円 | -301円 |
電気・ガスともに東京ガス | 5100円 | 8925円 | 14025円 | -552円 |
2人世帯の平均使用量です
2人世帯の平均使用量で比較すると、東京電力エナジーパートナーより東京ガスのセット契約の方が年間3千円程度安くなります。セット契約にするなら東電ではなく東京ガスをおすすめします。
世帯人数が増えて使用量が増えたケースでも、同様に東電より東京ガスの方が安いです。
解約違約金が無い
電気・ガスとも解約時の解約金などがありません。私も数ヶ月だけ試しに契約して解約した経験がありますが、もちろん何も取られていません。

「基本プラン」のデメリット
デメリットも指摘できます。
一人暮らしでは東電セット契約より高い
「2人以上」の世帯の平均使用量では東電より安いといえる東京ガスのセット契約ですが、一人暮らしの平均使用量では東電よりも「割高」と言えます。平均使用量での試算を紹介します。
内容 | ガス料金 | 電気料金 | 月合計 | 月の差額 |
---|---|---|---|---|
電気・ガスともに東京ガス | 3229円 | 4131円 | 7360円 | -151円 |
電気・ガスともに東電 | 3132円 | 4159円 | 7291円 | -220円 |
電気・ガスともにCDエナジー | 3113円 | 4119円 | 7232円 | -279円 |
東電は「スタンダードS」、東ガスは「基本プラン」
電気代・ガス代合計で東電と比べて月69円、年間828円とわずかではありますが「割高」です。一人暮らしの場合は、東京ガスではなく東電のセット契約をおすすめします。
また、東電のセット契約よりも更にCDエナジーのセット契約の方が安く、最安水準なのでこちらもおすすめです。CDエナジーは中部電力と大阪ガスが共同で設立した会社で、解約金などもありません。
過去のプランより高くなっている
2021年5月以前のプランと比べて、一部をのぞき「割高」となっています。世帯人数別の平均使用量で、東京電力の標準プラン(従量電灯B)と料金を比較します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
基本プラン ガスとセット契約 |
-3.5% -1812円 |
-5.8% -6626円 |
-6.5% -8614円 |
-7.0% -10736円 |
ずっとも電気1 ガスとセット |
20A契約不可 | -7.8% -8896円 |
-8.5% -11331円 |
-9.1% -13880円 |
ずっとも電気1S ガスとセット |
-3.3% -1682円 |
-5.6% -6340円 |
-6.2% -8269円 |
-6.7% -10328円 |
一人暮らしの平均使用量では過去のプランよりわずかに安くなっていますが、2人以上の世帯の平均使用量での試算ではいずれも「ずっとも電気」より高くなっていることが分かります。
「ずっとも電気1・1S」を現在契約している場合、今後も継続して利用出来ます。一人暮らしの場合を除き、ずっとも電気を使い続けた方がお得なので、注意してください。
東電従量電灯より割高
燃料費調整に上限を設けていません。2022年10月分以降の燃料費調整単価の水準では、平均的な電気の使い方をする一般家庭で東京電力の従量電灯B・Cと比較して電気代が割高になっています。
最新月の燃料費調整単価を含めた料金試算は当サイトの電気料金一括シミュレーションで確認できます。今は電気は東電の従量電灯Bをおすすめします。
