東京ガスのCO2排出量を排出係数をもとに解説します

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東京ガスの電気の「CO2排出量」を解説します


 電力自由化によって参入した新電力は、会社によってCO2排出量に大きな差があります。では東京ガスはどうなのか、他社と比較しながら分かりやすく解説します。



東京ガスの電気の公式サイト

東京ガスのCO2排出係数


 まずは東京ガスのCO2排出量のデータを紹介します。


過去4年分データの一覧(東京電力と比較)


 CO2排出量のデータです。販売した電力1kWhあたりのCO2排出量を表します。参考までに、東京電力のデータと比較します。


東京ガス 東京電力
2019年度 364g 455g
2018年度 398g 455g
2017年度 371g 462g
2016年度 382g 474g

 いずれの年度においても、東京ガスの方がCO2排出量が大幅に少ないと言えます。


新電力としては排出量が「少ない」と言える


 東京電力と比較してCO2排出量が少ない東京ガスですが、新電力の中でも排出量が少ないと言えます。概ね1kWhあたり500g程度が「平均」なので、400gを下回る東京ガスはCO2排出量が少ないです。


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東京ガスのCO2排出量が少ない理由


 東京ガスはなぜCO2排出量が少ないのか、その背景を解説します。


LNG火力発電の比率が高い


東京ガスが出資する扇島パワー

出光興産と共同出資している扇島パワー(横浜市)

 東京ガスは自社が関連するLNG火力発電所から主に電力を調達しています。2018年度実績では69%がLNG火力発電からの調達でした。


 LNG火力発電は火力発電なのでCO2を排出するものの、石炭火力発電や石油火力発電と比較すると排出量は半分以下で済みます。火力発電としては排出量が「少ない」発電方法であるため、その比率が高い東京ガスの電気はCO2排出量が少なくなっています。


 また、排出量が大きい石炭火力発電の比率が低いことも良い方向に影響していると言えます。


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今後の展望は?


 東京ガスの「CO2排出量」の今後の展望を、同社が公表している計画をもとに解説します。


2019・20年に新たな発電所が稼働


 東京ガスは2019年・2020年に運転を開始した神戸製鋼所の真岡発電所でつくられた電力を15年にわたり、全量購入します。


 真岡発電所は東京ガスが供給する都市ガスを燃料としている火力発電所です。最新鋭の、国内トップクラスの高効率な発電設備を導入しており、CO2排出量が少ない電力を発電します。


 真岡火力発電所は2019年に1号機、20年に2号機が稼働を開始しており、それが反映される2020年度実績のCO2排出係数のデータに注目したいです。


LNGタンカー

東京ガスのLNGタンカー(ガスは発電にも使える)

石炭火力発電所計画を凍結した


 CO2排出量が大きい発電方法として、先進国を中心に「撤廃」の動きが強まっているのが石炭火力発電です。日本でも効率が悪い石炭火力発電を廃止する方針が示されています。


 東京ガスは九州電力や出光興産とともに、千葉県袖ケ浦市で大規模な石炭火力発電所の建設を計画していました。しかし、世界的な石炭火力発電への風当たりが強まり事業性が見通せなくなったことから、2019年にこの計画を「断念」したと発表しています。


石炭

石炭(東京ガスの科学館「がすてなーに」で撮影)

 もし石炭火力発電が稼働してしまうと東京ガスのCO2排出量が大幅に増えてしまう恐れがありましたが、計画が中止されたためその懸念が無くなりました。正しい選択であったと評価したいです。


 なお、計画を予定していた袖ケ浦市では、九州電力とともにLNG火力発電所の建設を検討していくことがあわせて公表されています。2028年の運転開始を目指しているとしています。


再エネを10倍に拡大する方針も


 東京ガスは2019年に公表した「2030年まで」の経営ビジョンの中で、国内外で扱う再生可能エネルギーの規模を現在の10倍となる500万kWまで拡大させるう方針を示しました。達成できれば、国内でも最大級の再エネ事業者となります。


 再生可能エネルギーは言うまでもなくCO2を排出しないため、排出量削減に大きく貢献します。


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実質再エネ100%、CO2排出ゼロのプランも登場


 東京ガスでは実質再エネ100%、CO2排出量ゼロの電力を供給する「さすてな電気」という料金メニューも提供しています。通常プランで供給される電力も比較的CO2排出量が少ない東京ガスですが、このプランで供給される電力はCO2排出量ゼロです。


 料金が通常の料金メニューより割高などのデメリットもあります。詳しくは以下の記事で。


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