東京ガス「さすてな電気」のメリット・デメリット
東京ガスが提供している実質再エネ100%の料金メニュー「さすてな電気」を、東京ガスの他のプランや他社の再エネプランと比較しながらメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
目次
さすてな電気とは
まずはさすてな電気の概要や特徴を解説します。
実質再エネ100%・CO2排出ゼロの料金メニュー
「さすてな電気」は非化石証書(再エネ指定)という仕組みを利用することで、供給する電力を実質再エネ100%、実質CO2排出ゼロとする料金メニューです※再エネ指定の非化石証書の使用により、CO2排出量が実質ゼロになることを意味します。非化石証書市場の状況によってはCO2排出量実質ゼロにならない場合があります。
非化石証書とは、再生可能エネルギーで発電された電力の「再エネである」という価値の部分を切り離して売買する仕組みです。再エネである価値の部分(環境価値といいます)を切り離された後の電力は、再エネで発電されていても再エネではなく、またCO2を排出する電力として扱われる仕組みで、非化石証書を購入した電力こそが実質再エネ・CO2を排出しないと扱うルールになっています。
「さすてな電気」では、供給する電力に対し非化石証書を付けることで、実質的に再エネ100%・CO2排出ゼロとしています。通常の東京ガスの料金メニューで供給される電力は1kWhあたり364g(19年度実績)のCO2を排出していますが、さすてな電気ではそれがゼロとすることを目指しています非化石証書市場の状況によっては実質ゼロにならない場合もあり
料金シミュレーション
東京電力の標準的なメニューであるスタンダードSと、世帯人数別の平均使用量で料金を比較します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
さすてな電気 | +11円 | +240円 | +145円 | +58円 |
再エネ比率が高いという付加価値がある分、東京ガスの標準的な電気料金プラン(「基本プラン」)と比べると電気料金が大幅に割高です。また東京電力の標準メニューと比較しても、若干割高になります。
東京ガス注釈:東京電力エナジーパートナー株式会社の電気料金プラン「スタンダードS/L」(2024年4月時点の料金)と当社の「さすてな電気」(2023年9月時点の料金)を比較して各使用量における【当社と東京電力エナジーパートナー株式会社の料金差額÷東京電力エナジーパートナー株式会社の料金】は1%以下になります。当社の電力プランは燃料費調整の上限を設けておりません。これにより、燃料費の高騰によって上限を設けている他社の料金プランと比べ、高くなる場合があります。
解約違約金は?
解約違約金の発生はありません。
支払い方法
クレジットカード・口座振替払いに対応しています。
さすてな電気のメリット
他社の料金メニューとも比較しながら利点を解説します。
再エネ比率が実質100%で環境負荷が小さい
このプランを選ぶ最大の意義は「実質再エネ100%」であり「実質CO2排出ゼロ」である点です※再エネ指定の非化石証書の使用により、CO2排出量が実質ゼロになることを意味します。非化石証書市場の状況によってはCO2排出量実質ゼロにならない場合があります。
東京電力の電力は1kWhあたり451g(2022年度)、東京ガスの一般的なプランでも1kWhあたり442g(2022年度)のCO2を排出して作られた電力を供給しており、一般家庭の標準的な使用量(月300kWh)で計算すると年間のCO2排出量は約1.6tです。「さすてな電気」はその分を丸々ゼロにすることが出来ます。
一般家庭からのCO2排出量の50.9%が「電気」の使用に由来すると言われています。さすてな電気のようなCO2排出量ゼロのプランに切り替えることで、家庭から出るCO2排出量を半分に削減することが可能です。
それに加え、1契約につき1000円を植林や森林保護のために寄付します。
環境省認定の電動車補助金対象
令和二年度に実施された「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業」の対象プランに選定されています。
この制度では、環境省の認定を受けた「再エネ100%電力」を自宅で利用すると、電気自動車の補助金を最大80万円受けることが出来るというものでした(現在は終了)
東京ガス「さすてな電気」はこの対象プランとして環境省の認定を受けています。他社の認定プランでは東京電力より電気代が高くなるものも少なくありませんが、さすてな電気は東電の標準メニューと同等水準の料金で使えるので競争力があります。
さすてな電気のデメリット
続いて、他社のプランとも比較したデメリットを解説します。
電気料金の面でのメリットが無い
さすてな電気は東京電力の標準メニューと「同等」(やや高い)に設定されており、電気料金面でのメリットはありません。東京ガスの通常のプラン(CO2を排出する)は東京電力と比べて割安な料金設定となっており、電気代を節約することができます。
東京電力の標準的なメニューであるスタンダードSと、世帯人数別の平均使用量での料金比較は以下のとおり。
お得率と年間節約額 | 月170kWh |
月348kWh |
月391kWh |
月437kWh |
さすてな電気 | +11円 | +240円 | +145円 | +58円 |
基本プラン ガスセット契約 |
-1203円 | -5081円 | -6947円 | -8927円 |
基本プラン 電気のみ |
-846円 | -4322円 | -6073円 | -7933円 |
さすてな電気は東京電力の標準メニューと比較しても若干、割高になります
電気代を節約したい人には通常プラン(「基本プラン」)をおすすめします。以下の記事で詳しく解説しています。
東京ガス注釈:東京電力エナジーパートナー株式会社の電気料金プラン「スタンダードS/L」(2024年4月時点の料金)と当社の「さすてな電気」(2023年9月時点の料金)を比較して各使用量における【当社と東京電力エナジーパートナー株式会社の料金差額÷東京電力エナジーパートナー株式会社の料金】は1%以下になります。当社の電力プランは燃料費調整の上限を設けておりません。これにより、燃料費の高騰によって上限を設けている他社の料金プランと比べ、高くなる場合があります。
オール電化の場合、大幅に割高
東京電力の標準的なメニュー(従量電灯)と同額の料金設定の「さすてな電気」ですが、オール電化住宅で契約してしまうと料金が大幅に高くなります。
例えば10kVA契約・月480kWhを使用するオール電化住宅のモデルケースで試算した場合、東電のオール電化プラン(スマートライフL)で月13800円のところ、さすてな電気は全く同じように電気を使っても月15515円と、年間で2万円も高くなってしまいます。
オール電化住宅にお住まいの場合は、必ずオール電化プランの契約を推奨します。さすてな電気はオール電化プランではありません。