UQでんきは市場連動型プラン?電力取引価格高騰の影響は

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UQでんきは取引価格高騰の影響を受けるの?


 度々「暴騰」を見せる電力の取引価格。その影響はUQでんき契約者にも及ぶのか。UQでんきの料金メニューを約款をもとに分かりやすく解説します。



度々高騰する電力の取引価格


 まずはこれまでに発生した電力取引価格高騰の「恐怖」を紹介します。


取引価格が10倍に


 多くの新電力が電気の調達を頼っている日本卸電力取引所というマーケットがあります。


 卸電力取引所は通常、1kWhあたり7〜8円前後という取引価格で取引きが行われていますが、2020年末から価格が上昇、2021年1月には200円という価格を付ける時間帯もあり、取引価格が通常の10倍を遥かに超える水準で約1ヶ月にわたり推移しました。


2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

 翌シーズンにあたる2021年11月から22年初頭にかけても、新電力各社の経営に打撃を与える価格高騰が発生しており、電力取引価格高騰は度々発生しています。


深刻な影響を受ける「市場連動型プラン」


 取引価格高騰は、「市場連動型プラン」と呼ばれるタイプの料金プランを契約している人に、深刻な影響を及ぼします。


 市場連動型プランは、卸電力取引所の取引価格に各社が定める手数料を加算した金額を「電気代」として支払う料金体系で、予め決まった料金単価がありません。


 通常8円程度の取引価格が100円あるいは200円となってしまったため、市場連動型プランを契約している家庭の電気代は大手電力会社の数倍以上に膨れ上がる可能性があります。


 例えば1ヶ月の取引価格が平均100円/kWhまで高騰した場合、月300kWhの電力を使用する一般家庭の電気代は35000円以上になります。東電など大手電力の標準プランでは、同じように電気を使っても8000円前後で済みます。


UQでんき契約者への取引価格高騰の影響は


 では、取引価格高騰はUQでんき契約者にどのような影響があるのか。詳しく解説します。


影響はありません


UQモバイルのSIMカード


 結論を言うと、UQでんきの料金プランには電力取引価格高騰の影響はありません


 UQでんきの電気料金は、公式サイトにも明示されているように予め決まった料金単価を元に計算されます。電気の取引価格によって変動する市場連動型プランではありません。


 UQでんきの料金プランの特徴は以下の記事で詳しく、分かりやすく解説しているのでこちらも参考にしてください。


auでんき公式サイト
UQモバイル契約者もこちらから申し込み

別の要因で値上がりする可能性はある


 ただし、注意点としては「別の要因で」UQでんき契約者の電気代が値上がりする可能性は否定できません。


 UQでんきを含む多くの新電力と、東電や関電といった大手電力会社は「燃料費調整」という項目を設けて毎月の電気料金に反映しています。燃料費調整は、電力の取引価格ではなく化石燃料の輸入価格に応じて変動するものです。


LNGタンカー

LNGタンカー

 市場連動型プランでは「取引価格」に応じて料金が変動しますが、「燃料費調整」は燃料価格に応じて料金が変わります。直近でLNGを始めとする燃料の輸入価格が上昇しているため、燃料費調整が高くなることで、UQでんきの料金が高くなる可能性があります。


 ですがUQでんきの燃料費調整は、「基本的には」東電など大手電力会社と同じ金額です(各地域の大手電力に準じたもの) したがって、UQでんきと大手電力との「価格差」は燃料費調整が変動しても変わりません。


 ただし、大手電力の標準メニュー(従量電灯)の燃料費調整には上限額があり、燃料費が著しく高騰した場合はその上限以上には値上がりしません。一方、UQでんきを含め多くの新電力の燃料費調整には上限額の設定が無いため、燃料費が著しく高騰した場合はその部分で割高となることがあります。


 燃料費調整は変動幅が月にせいぜい1円/kWh前後なので、市場連動型プランのような激しい変動にはなりませんが、燃料価格高騰が続くと(大手電力標準メニューと比較した)料金削減メリットが薄くなっていく可能性があります。


燃料費調整上限撤廃で大手電力より割高に


 残念ながら2022年現在、燃料価格の著しい高騰が続いており、一部の電力会社では2022年10月分では全国すべての地域が燃料費調整の「上限」に達しています。そんな中、UQでんきは燃料費調整の上限を撤廃します。


 燃料費調整の上限が無くなることで、地域によってはほぼ全ての契約者の電気代が、大手電力会社の従量電灯プラン(燃料費調整に上限がある)よりも高くなります。


 UQでんきを契約している方には、燃料費調整に上限がある料金プランへの切り替え検討を推奨します。





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