経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会は6日、株式会社ストエネ(旧グランデータ)に対し、不適切な契約切替行為「後追いスイッチング」を行っていたとして業務改善を勧告した。後追いスイッチングとは、他のガス小売事業者が需要家の使用開始のための手続きを完了させた後、ストエネが改めて契約を自社に切り替える行為を指す。ストエネは他事業者に開栓作業費用を負担させることで経費の節減を図ったものとみられる。

同省によると、ストエネは令和3年9月から令和6年6月にかけて約10万6,000件の後追いスイッチングを実施。この間、開栓作業を完了させる能力がある場合でも契約切替を行い、さらに需要家に契約条件の説明や書面の交付を行わないケースが確認された。この結果、需要家が契約相手を正確に把握できなくなる事態も発生したとされる。

同省は後追いスイッチングが公正な競争を阻害する重大な問題であると指摘。ストエネに対し、社内体制や媒介業者への指導体制の改善を求め、令和7年1月10日までに改善措置の内容を報告するよう求めた。

ストエネは2023年6月にも、電気の契約者へ契約内容の変更を十分に通知しなかったことや、同社委託先が勧誘を行うに際し、他の小売電気事業者の名称に酷似した文言をウェブサイトに使用したことなどが問題点として指摘され業務改善勧告を受けた。23年11月に社名をグランデータからストエネに変更した。