東京ガスネットワークは21日、供給エリア全域に都市ガススマートメーターの導入を発表した。2024年1月から設置を開始、2030年代前半の導入完了を目指す。

都市ガススマートメーターは通信機能を備えた遠隔検針機能を持つ。従来のガスメーターでは目視による検針を必要としていたが、スマートメーターでは検針を原則として必要としない。現地での作業が必要だった開閉栓作業についても遠隔で行えるようになる。コスト削減や利用者の利便性向上が期待できる。

電力業界ではいち早くスマートメーターへの切り替えが進められていた。東京電力パワーグリッド管内では2014年からスマートメーターの設置を開始、ほぼ全ての切り替えを完了した。日本全体では2024年度末までに電力用スマートメーターの導入が完了する見通し。

ガス業界での導入が遅れた理由として、電源の問題がある。電力用のスマートメーターでは機器の稼働に必要とする電源の取得が容易であるが、ガス用メーターには原則として通電が無い。同社は都市ガススマートメーターに最大10年間駆動する電池を使用するとしている。

LPガスや水道事業者でもスマートメーター化が進む。東京都水道局では2022年から約13万個の水道スマートメーターを先行設置、導入効果の検証を行っている。将来的には水道料金の季節別・時間帯別の設定やアプリから日ごと月ごとの使用水量の確認を行える機能の提供を検討しているとしている。