家庭内で日常的にできる節電対策をまとめて紹介します。効果が大きいものから逆算して紹介していくので、効率的な節電が可能になります。
Contents
家庭内の電力消費の内訳
より効果的な節電を行うために、まずは家庭内での電力消費の内訳を見てみましょう。
家庭内で電力消費が大きいのはエアコン、冷蔵庫、照明、テレビの順です。電力消費量が大きいものに対して対策を行うことで、より効果的に大きな節電効果を得ることができます。この4つに焦点を当てて節電対策を紹介します。
効果抜群な節電対策一覧
エアコンの節電対策
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家庭内で最も電気を多く使うのがエアコン。家庭内の電力消費の14.7%を占めます。このエアコンの消費電力を効果的に削減する方法を解説します。
- 短時間ならつけっぱなしに、こまめに消さない(20~30分)
- カーテンを閉める 遮熱カーテンを使う
- ドアを閉めるなどして使用する区画を小さくする
- サーキュレーターや扇風機と併用
- フィルター清掃は最低1シーズンに1回
- 買い替えの際は節電性能をよく比較する
- 10~15分程度早くオフにする
合言葉は「使う面積」を小さく、「使う時間」を短くです。エアコンを使う場合は、ドアを閉めて区画をできるだけ小さくするよう心がけてください。
見落としがちなのが、カーテンです。私は裏地がアルミになっている遮熱カーテンを一部屋に導入していますが、エアコンを消し窓もドアも締め切った状態で比較すると遮熱カーテンを閉めた状態の方が開けっ放しの時よりも明らかに温度上昇が少ないです。カーテン1枚あるだけでも節電効果は大幅に変わるので、出来るだけカーテンを閉めてエアコンを使うことをおすすめします。真夏に日当たりが良すぎて困っている場合は遮熱カーテンの導入をおすすめします。
冷蔵庫の節電対策
エアコンと並んで、家庭内で2番目に電気を多く使うのが冷蔵庫。家庭内の電力消費の14.3%を占めます。この消費電力を効果的に削減する方法を解説します。
- モノを詰め込みすぎない(冷蔵室)
- 賞味期限切れ食品を入れっぱなしにしない
- 冷蔵する必要が無いモノを入れない(みりん等)
- 温かいものはある程度冷めてから冷蔵庫に入れる
- 冷蔵庫の周りに物を置かない(熱がこもる)
- 開閉をできるだけ少なく、時間を短くする
- 開閉時にパッキンにモノを挟まないよう注意する
- 買い替えの際は節電性能を比較する(大型の方が実は節電になる場合も)
巷でよく言われていることばかりなので、耳にタコかもしれませんが不十分な点があれば再点検してみてください。
見落としがちなのが、必ずしも冷蔵庫に入れる必要が無いものを冷蔵庫に入れているケースです。ジャガイモや玉ねぎ等の根菜類、お茶っ葉やコーヒー豆、顆粒の調味料(ほんだし、味の素等)などはむしろ冷蔵庫に「入れない方がよい」とされています。庫内でスペースを取る上、開閉回数が増えることで消費電力が大きくなる恐れがあります。
照明の節電対策
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一つ一つの消費電力は少ないですが、数が多く使用時間も長い照明器具。家庭内で3番目に電気を多く使っています。家庭内の電力消費の13.5%を占めます。この消費電力を効果的に削減する方法を解説します。
- こまめに消す
- 電球を間引く
- LED照明を導入、白熱球は使わない
- 消し忘れが多い場所ではセンサー内蔵電球を使う
- 「点けなくてもいい場所」を見極める
- 夜は照明を暗くするよう心がける(寝付きも良くなる)
- 昼間はできるだけ自然光に頼る
既に多くの電球がLED電球に切り替わっていると思いますが、まだまだ白熱球が生き残っているところを目にします。白熱球はLED電球と比べて約10倍の電力を使う上、電球の寿命も大幅に短いので経済的メリットがありません。
また、日本の住宅は夜でも室内の照明が「明るすぎる」と言われています。寝る前に強い光を浴びると寝付きが悪くなるため、夜は照明を暗くするよう心がけることで節電だけではない大きなメリットを得ることができます。
テレビの節電対策
上3つと比べるとやや割合は減るものの、家庭内で4番目に電気を多く使っているテレビ。家庭内の電力消費の9.4%を占めます。この消費電力を効果的に削減する方法を解説します。
- 「ながら見」する時は画面オフモードを使う
- 付けっぱなしにしない
- カーテンを閉めるなどして部屋の明るさを適度に保つ
- ラジオを買ってみる
- ながら見するならできるだけ小型のテレビを使う
一部のテレビには、画面をオフにした状態で音声だけを流し続けられる機能があるので、家事をする時などはこのモードを使うと大幅な節電になります。
また、多くのテレビは周囲の明るさに応じて自動で画面の明るさを調節する機能が初期状態で有効になっています。画面が明るくなると消費電力も大きくなるので、テレビを視聴する際は「明るすぎない」部屋で見ることをおすすめします。明るい部屋と真っ暗な部屋では、消費電力に2倍の差がありました。
家事などの作業中に音声が欲しいときは、ラジオを流すのもおすすめです。消費電力はテレビの10分の1以下で済みます。ラジオを新たに買うのが面倒な場合は、スマホにradikoという主要ラジオ局が参画しているアプリ(無料)を入れるとラジオをインターネット経由で聴くことが出来るのでおすすめです(リアルタイムのほか、聞き逃し視聴も可能)
その他家電製品の節電対策
パソコンの節電対策
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上で挙げた家庭内で消費電力量が大きい主要4家電に次いで消費電力量が大きいのがパソコンです。パソコンの消費電力を抑える方法を紹介します。
- 使わない時は電源を落とす
- 離席時は画面をオフにorスリープモードを使う
- 画面の明るさを落とし、適切な明るさにする(夜は暗めに)
- 用途に合った性能のPCを買う(過剰スペックは電気代が高くなる)
- デスクトップPCよりノートPC
- デスクトップの「壁紙」は黒一色、もしくは白一色に(形式により異なる)
一般的に、ノートPCには「低電圧版」と呼ばれる消費電力が小さいCPUが搭載されています。また、画面も小さいのでデスクトップPCよりノートPCの方が消費電力が小さい傾向があります。パソコンは画面の消費電力が意外と大きいです。離席する時はスリープモードにするか、画面だけでもオフにしましょう。
デスクトップの壁紙の色ですが、私が以前計測した結果では「真っ白」画面の方が消費電力が小さくなったものと、「真っ黒画面」の方が消費電力が小さくなったものとがありました。最近の主流のIPS液晶やVA方式の液晶では真っ黒、TN方式では真っ白画面の消費電力が小さくなるようです。24.1インチの液晶ディスプレイで、真っ白と真っ黒では消費電力に0.7Wの差があったので、1万時間使うと電気代に約210円の差が生まれます。
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電気ポットの節電対策
使用していない人も多いと思いますが、使っているご家庭では意外と小さくない電気を消費しているのが電気ポットです。電気ポットの節電対策を紹介します。
- 水量は適切に 適量を注水する
- そもそも使わない ヤカンで沸かし、卓上ポットで保温する
- 瞬間湯沸かしポット(ティファール等)はコップなどで計量して注水する
- 常温に戻した水を沸かす
電気ポットにはお湯を高温のまま保温するものと、使う都度沸かす電気ケトルタイプがあります。保温タイプは電気の通電時間が長くなりやすく、消費電力が大きくなる傾向があるので電気を使わず保温する「卓上ポット」の使用をおすすめします。電気を使わず、長時間温度をキープできます。
温水暖房便座の節電対策
家庭内の電力消費量の2.0%を占める温水暖房便座の節電対策を紹介します。
- 加温する場合は設定温度を上げすぎない
- 夏場は便座の加温をオフにする(寒冷地でなければ6~10月はオフ推奨)
- 蓋は閉める
- 便座シートやカバーを使い、加温をオフにする
冬場にせっかくの温水暖房便座による加温をオフにすると、座ったときに「ヒヤッ」として不快に感じますが、夏場であれば冷涼地でなければ特に不快な感覚も無いので、オフにするのがおすすめです。
冬場に関しても、100円ショップなどでも買える便座シートや便座カバー(いずれも洗濯して長期間再利用可能)を使うことで、加温をオフにしてもヒヤッとせず使うことが出来るのでおすすめです。
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